2024年2月29日木曜日

二月堂修二会2024「別火坊出発」と注意事項

2月29日
練行衆の皆様が別火坊を出発して二月堂下の参籠宿所に入られる「参籠宿所入り」を、大仏殿裏で拝見させていただきました。


大仏様にご挨拶して粛々と進んで行かれます。
コロナ禍中は二月堂裏参道お供田から湯屋周辺まで立入禁止でしたので、2022年は二月堂の舞台から拝見したり、昨年は大仏殿裏で拝見したりでした。
今年は二月堂まで追いかけてもよかったのですが、自分の体力(足腰)のことや、これからの仕事量を思うと、静かにここでお見送りさせていただくので十分ではと思いました。

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局での聴聞が再開された今年の修二会。
注意事項が幾つか掲示されていました。

◆二月堂内に滞在できない時間は日によって違いますが、大体はお松明前の夕方からお松明終了後くらいまで、二月堂内や舞台に滞在できないようになっています。

◆法要中の聴聞の注意事項
特にスマホなどのディスプレイを点灯させる機器の使用禁止
マナー違反と判断した場合は退堂いただきますとあります。
撮影・録音禁止。携帯電話の電源を切る。脱帽など。
法要中であることを心に留めて、静かに観音様へ祈りを捧げたいと思います。
そして東大寺さんからの注意事項にはありませんが、靴を脱ぐ時もお静かに(局の入口を開ける前に布袋など音の出ない袋に入れてから)扉を開けて入堂していただくお気遣いがあればいいかなと思います。

2024年2月28日水曜日

二月堂修二会期間中の奈良倶楽部では*

二月堂修二会本行期間中の奈良倶楽部について++

奈良倶楽部は、二月堂まで歩いて15分という距離にあるため
練行衆上堂のお松明の見学だけではなく
深夜の行を聴聞されるお客さまも多くお泊まりいただいています。
また、まったく初めての方も多くいらっしゃいますので「お水取り」を堪能していただくためにできるだけのサポートを心がけています。

◇深夜の聴聞にお出かけのお客様のために門限フリーにしています。
(ただし、22:00までにチェックインをお済ませ下さい。)
◇お部屋に電気ポットやお茶のご用意の他に
この期間だけ、身体がほっと暖まる「生姜湯」をサービス。
◇夕食に「お食事処たちばな」のお弁当の手配も致します。
お弁当の詳細はHPのこちらをご覧ください。
◇ふだんの朝食の時間は午前8:00頃ですが、
3/12、13、14日にご宿泊の方の翌朝食は8:00~8:30と
少しごゆっくりめにも対応致します。素泊まりでも承っています。
◇修二会関係の写真集や解説書などたくさん揃えております。
期間中の行法のタイムスケジュール表などもご用意しております。
◇局での聴聞にはマスク着用が必須です。
お忘れのお客様にはマスクを差し上げます。

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奈良倶楽部通信内の修二会についての過去記事と注意事項など。

◇まずは「お松明」について・・・
舞台下の斜面で(竹矢来の中に入って)見学するには、人数制限がありますので早い時間に行かないと中に入れません。
目安として平日は18時までに、週末はもっと早い時間に竹矢来の中に入れなくなるようです。ただ、戸外で長時間待機するのが難しい場合は、竹矢来の外の見やすいポイントを、チェックイン後にご案内していますので、お松明見学をメインにされている方はなるべく17時までにチェックインをお済ませ下さい。
※今年は参拝者が大変多く、17:10には竹矢来の中に入れなくなったそうです。(3/4月曜日)


お松明の上がる時間と本数
3/1~3/11と 3/13は毎夜7時(19:00~)から10本/約20分
3/12は夜7時半(19:30~)から11本/約45分 ※移動しながらの拝観になります。
3/14は夜6時半(18:30~)から10本/約10分

※注意事項
・フラッシュ・ストロボや三脚・一脚を使用しての撮影は禁止です。
・二月堂周辺は段差が多く、転倒など足元にご注意ください。
・お松明は、二月堂に上堂する練行衆の足元を照らす灯りで、観光イベントで行われているものではありません。マナーを守って安全にご覧いただくようお願い申し上げます。

◇お松明についての過去記事
・竹矢来の中の登廊近くで見学したお松明  2016
・3/12の籠松明見学 2012
・籠松明の部品作り 2010
・3/14の尻焦がし松明見学 2012
・奉納の竹がお松明に 2014
※そして今年35周年記念として松明竹を奉納しました。
※3/11の6本目に上げていただけると連絡が入りました。


◇お昼間の二月堂の様子についての過去記事
・3/1お昼の二月堂点描 2013
・3/1「惣神所そうのじんしょ2012 /2020
・食堂作法について 20082012
・生飯なげ 20202021
・お昼の二月堂で 20102014
・参籠お見舞いに伺う 20152016
・「数取懺悔」 2017
・お昼の法要 20202020202120222022

◇夜の聴聞についての過去記事
・「一徳火」と「開白法要」2017
・「称揚」 2008/2017
・「法華懺法 ほっけせんぽう」を聴く 20122013
・「過去帳」聴聞 2011/2017
・「大導師作法」聴聞 20142020
・「 咒師作法」聴聞 2015
・「上七日」3/5の「後誓と勧請」2016
・「下七日」に唱えられる「教化きょうけ2016/2017
・「小観音」さんのお松明 2010
・「小観音後入」2011/2016
・3/11深夜の聴聞 20132014
・「お水取り」 2012
・「達陀だったん」の様子 2008
・ 「名残の晨朝」2009/2016
・「深夜の満行下堂」2013
・3/14「服喪中(ブク)」の年の聴聞 2018/2019
・3/15「修二会満行」20102012/201920202021/2022/2023
・その他 2015年 3/143/20
・コロナ禍の夜の聴聞 2020 /2020 /2020 /2020/20212022/2023


今年も、練行衆や参籠衆と拝観者の距離が近いところは立入禁止区域になります。上の過去記事で上げた、童子さんの松明作りも近くでの見学は制限されますし、食堂周辺・登廊・北茶所なども立入制限されています。

4年ぶりに局での聴聞が可能になりましたが、マスク着用と私語厳禁の他に、靴を入れる袋はビニール袋ではなく音の出ない布袋のご用意をお願いします。

また、3/1~3/14の間、二月堂遠景を定点撮影し、インターネットの「ニコニコ動画」にてライブ配信が行われます。お松明の様子もこの映像配信でみることができます。 →

詳細は東大寺公式サイトをご参照ください。→

2024年2月27日火曜日

月ケ瀬の梅2024

毎年修二会が終わった頃に満開を迎える月ヶ瀬の梅。
今年はどうも早いらしいと聞いて行ってきました。 

ちょうど満開一歩手前の一番花が綺麗な頃合いでした。 



月ヶ瀬には、前の犬の時代から通っていて、毎年ここで一度食べてみたいねと思うばかりだった見晴荘に初めて入り、ぼたん鍋をいただきました。とっても美味しくて温まります。

東大寺長老・狭川明俊師の句碑「山と水 清き天下の梅の里」もあり、 明俊長老が生涯月ケ瀬を愛したと、立て札に説明がありました。
私達も修二会が終わった頃にほぼ毎年月ケ瀬を訪れて、忙しかった2週間の疲れをほっこり癒すのですが、長老も修二会が終わった後にここに来られて梅の花を愛でていらっしゃったのかなと思いました。
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すっかり忘れていたのですが、2月26日は愛犬ココの「ウチのコ記念日」でした。ちょうどコロナ禍が猛威をふるい始めた4年前に我が家に来てくれたのです。
秋田犬らしく本当にご主人様には忠犬で、でもマイペースで我を通すところは絶対譲らない頑固者。
でも、毎日を楽しく暮らせて有難いことです。

2024年2月26日月曜日

奈良の夜*Barをはしごする

Barをはしごするの「はしご」よりも、もっと洒落た言い方はないかなと思っていたところに教えてもらったのは「Bar . hop」という言葉。
「バーをぴょんぴょん飛び跳ねる」という意味だそうで、そういう言葉があるということは、Barをはしごする文化があるということなのでしょうね。

前置きが長くなりますが、先月の「奈良のトビラ:東京編」での宿トークで盛り上がった『奈良はバーのレベルが高くて』『素敵なバーがたくさんある』という話題。

先日、その宿トークに参加して下さった「フォレストかみきた」のNさんがお泊りに来られて(ちょうどその日は貸し切り状態だったので)、夜遅い時間から二人で「Bar . hop」をしてきました。

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1軒目は「Bar Savant
お店の玄関を見て、看板もないし開いているのかどうかもわからなくて、つい先日も入店を躊躇ったところでしたが、同好の士と一緒だと気持ちも大きくなって、でもちょっと緊張しながら思い切ってドアを開けたのでした。
店内全体の写真がなくてインテリアの素晴らしさをお伝えできないのですが、こちらのInstagramに素敵写真がたくさん載っていました。
余りお酒に強くないので、フルーツの入ったカクテルをお任せで作っていただきました。左が柿、右が金柑のカクテルです。
程よく気持ちもリラックスして、もう一軒行こうということになり

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2軒目は歩いて数分の「Lamp Bar」へ。
ご存じ「世界一のバーテンダー」金子道人さんのお店です。
敷居が高いかなと思いきや、全然そんなことはなくて、あまりに居心地が良くて2杯もいただきました。

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あぁ楽しい!と3軒目へ。
BAR LIQUID」は、下御門商店街につい最近できたばかりなのを通りすがりにチェックしていたのです。

お昼の2時から開いていて、「宿トーク」ではお買い物帰りに立ち寄れますねと中野さんがお話されてましたね。
ラストオーダー22:30ぎりぎりに飛び込んだので、駆けつけ一杯的ないただき方でしたが、あれ?私ってお酒に弱いのではなかったの?
奈良のふけゆく夜に素敵なひとときを堪能したのでした。

2024年2月25日日曜日

3月のお出かけ情報②~寺社伝統行事

3月に行われる奈良の行事のご案内です。

2/22時点で発表の情報を記載していますが、状況に応じて変更になる場合もありますのでご了解ください。

◇3/1~3/14 東大寺二月堂「修二会(お水取り)」
修二会拝観・お松明見学についてと、行法のニコ生配信については
東大寺公式HPのトップページのこちらをご参照ください。
問合せ:0742-22-5511

◇3/2 10:00〜 喜光寺行基会大祭」 
中風除・ガン封じの祈祷・住職の法話や、おぜんざいの接待
14:30~柴燈大護摩会 ・火渡り
問合せ:0742-45-4630

◇3/5 10:00 興福寺本坊北客殿「三蔵会
※法要の聴聞可
※法要後の三蔵画像の拝観は16:00まで。

問合せ:0742-22-7755

◇3/7 慈眼寺二の午厄除祈願法要
問合せ:0742-26-2936

◇3/7 14:00~ 大安寺馬頭観音厄除法要
馬が牧草を食むように諸々の悪を食いつくし災厄を除く厄除の仏様として信仰されている馬頭観音像。法要では護摩が焚かれ災厄除けの「秘文神符」が授与される。
問合せ:0742-61-6312

◇3/9 14:00~15:30頃 正暦寺人形供養
問合せ:0742-62-9569 
※3/9の日以外でも人形供養を受付されています。詳しくはこちら

◇3/10 宝山寺般若窟柴燈大護摩供
問合せ:0743-73-2006

◇3/13 9:00~ 春日大社「春日祭(申祭)」 
王朝絵巻さながらの春日大社の例祭。
※拝観不可です。
問合せ:0742-22-7788
問合せ:0742-22-7788

◇3/21 10:00~15:00 菅原天満宮筆まつり」 
     13:30~「筆供養」
問合せ:0742-45-3576

◇3/22~3/24 法隆寺お会式
◆通夜法要: 3/21 18:00
◆法要:   3/22 13:00
問合せ:0745-75-2555
ブログ内過去記事

◇3/23 13:00~ 薬師寺金堂「お身ぬぐい」
問合せ:0742-33-6001

◇3/25・3/26 安部文殊院文殊お会式
15:30~本堂にて大般若転読法要 / 16:30~智恵のお餅まき
9:00~16:00本堂前にて智恵のお加持が受けられる
問合せ:0744-43-0002

◇3/25~3/31 薬師寺金堂「修二会 花会式
結願法要は僧侶のみで厳修(参拝は金堂堂外正面より)
詳細についてはこちらを参照してください。
◇3/31 20:30頃〜花会式結願の「鬼追い式」

 

2024年2月24日土曜日

3/2のブラタモリは「正倉院」

次回 3/2 の「ブラタモリ」は正倉院が特集されます。
放送はNHKで19:30より、是非ご覧ください!


「奈良・正倉院~なぜ1300年もお宝を守れた?~」
宝物なんと9千点!奈良時代のお宝もあるのに国宝は一つもない?
正倉院は何がスゴイのか?
タモリさんが正倉院に実際に入って解き明かす
▽タモリさん琵琶の重さにびっくり!
「ブラタモリ#262」で訪れたのは奈良・正倉院。
旅のお題「なぜ1300年もお宝を守れた?」を探る
▽正倉院は東大寺の倉庫。
大仏造立で知られる聖武天皇の愛用の品を納めたことが始まり 
▽天下に知られた香木・蘭奢待。
信長が正倉院から持ち出す際に必要だったものとは? 
▽最大の敵は火災!正倉院を守るために幾重にも施された工夫あり
▽正倉院の中の‟ちり“や‟ほこり”も全てお宝。
その中から見つかった貴重な文化財とは?

知っているようで意外に知らないことも多そうです。
放映が楽しみですね!

2024年2月23日金曜日

館内もお水取りモードに*

 今年もお水取に関連するものを館内に飾っています。

20年ぶりに飾るのは、木版画家・宮田渚さんの練行衆上堂風景。
二月堂の焼印のあるサシと、手松明、チョロ松明、そして左奥に見えるヘギで包まれているのは「神燈の松明」。
もう少し詳しく説明すると、「手松明」は小網さんが内手水の際に北出仕口で連行衆の出入りを照らす松明。
「チョロ松明」は三度の案内で使われるもの。
「神燈の松明」は処世界童子が毎朝2本ずつヘギをくるんだものを作り、それに、日没後の内陣掃除の時に点火役の堂司がジンを差し込んで仕上げられます。
礼堂・五体投地板のところに堂司が「体育座り」のような座り方で座って仕上げられますので、日没の法要の後に局から拝見できるようなら見てみてください。
こちらは昨年誂えた牛玉札の額装と、素麺のように見えるのは「灯芯」で、下に敷いた紙は食作法で碗を拭く紙で生飯投げでも使われるもの。 灯芯は、修二会の燈明に使われるもので、安堵町灯芯保存会から二月堂へ毎年奉納されています。
額装については昨年のブログのこちらに、灯芯についてはこちらに詳しく書いていますのでよかったらご覧ください。
そして南天は一年前の修二会で須弥壇を荘厳していたものです。(手松明やサシをいただいたご夫妻に今年もいただきました。いつもありがとうございます!)

館内のお花も春らしい装いに生けかえてます。

2024年2月21日水曜日

二月堂修二会2024「社参」と「注連撒き」

2月21日午後1時より  練行衆が行中の無事を祈願して境内諸堂を参拝して回る「社参」が行われました。

年齢と共に練行衆の方々の歩く速度について行くことも、小走りして先回りすることもできなくなって、今年はかなりショートカットしての追っかけ、大仏殿の西側からスタートしました。
写真↑↓は、その大仏殿西側からズームで八幡殿参拝の様子を撮影。

そしていよいよ目の前を、1273回目の修二会練行衆の皆様が粛々と進んで行かれます。ただそれだけで、今年の修二会が始まったと感無量になってしまいます。


大仏殿参拝の後に天皇殿参拝がありますが、(ここでもショートカットして)猫段から鐘楼の方へ先回りしました。
猫段、鐘楼の横、四月堂手前で平衆が法螺貝を吹きます。
この後、開山堂参拝、閼伽井屋の前あたりで法螺貝を吹いて湯屋に向かいます。湯屋の前で三役・童子の出迎えを受け、童子から湯上りを受け取って湯屋に入られます。


湯屋では「試みの湯」といって、練行衆一人一人に参籠の意思を確認して入浴します。

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ここでちょっと横道にそれますが
小綱さんが手に持っているのは「硯」で、この後
中灯さんが持っていた文巻を受け取り湯屋に入って行かれます。
大仏殿横を歩いているときに写した写真には中灯の清水師がこの文巻を持って(懐中して)おられるのがわかります↓
湯屋を出て二月堂に上がる時にも持っておられました。↓
湯屋に入る時だけ小綱さんが持って中に入って、中灯さんに渡して退出されるようです。中灯さんは当年の参籠衆の名前を記録する・・・と、小学館の「東大寺お水取り~二月堂修二会の記録と研究」に書いてあり、中灯の記録が終わると、再び小綱が入室して、交名を司に渡して硯を持って退出・・・・とあります。湯屋から出るときには中灯の清水師が交名の文巻をまた持って出られるということなのかなと、思いました。
来年以降にまた社参を拝見できる機会があれば、祝儀の詞も聞き取ってみたいし、この一連の動き(中灯さんが小綱に文巻を渡されるところ)も見たいものです。

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さて、湯屋を出て登廊を上がって二月堂へ。
この時にも法螺貝が吹かれます。
二月堂舞台より聖武天皇陵遥拝。
この後、南の階段を下って興成社の前を通って、普段は食堂南の広場で解散されるのですが
今年は新入のある年なので、解散せずにそのまま一同別火坊へ戻られます。
新入はこの日から総別火に入っているので社参には参加されず、別火坊では練行衆による新入見舞いや、衣の祝儀などが行われます。
別火坊へ戻って行かれる練行衆を追いかけずに、今年は注連撒きを拝見しようと、しばらく二月堂で待っていました。
堂童子さんと、堂童子さんの童子さんが来られ
まずは遠敷社で注連輪を童子さんに撒きます。
その後は飯道社でも


注連輪の落ちたものは使われませんので、getされた人も多く、記念撮影させてもらいました。 
この後、注連縄で結界を張られますが、所用があったのでここで失礼しました。帰り道、激しい雨の中、早速に童子さん達は塔頭に注連輪をかけて回っておられました。
 
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今年3月に開業35周年を迎えることを記念して松明竹を奉納しました。墨書きして乾燥させていた竹が、ちょうどこの時に二月堂の下に置かれましたので、記念撮影。 
何日に上げていただけるのか決まりましたら、またお知らせさせてくださいませ。