2020年2月16日日曜日

金鐘ホールで「お水取り」三昧*

東大寺・金鐘ホールで、東京大学・藤井恵介名誉教授による、東大寺学講座-知ることは楽しい-  『お水取りと東大寺二月堂』と題した講座があり、拝聴してきました。
東大建築学科教授の立場から、二月堂という建築空間から考察した修二会のお話は大変興味深いもので、局と礼堂の関係や、中世の修二会聴聞者の局での様子など、現代の局での聴聞とは全然違った雰囲気に驚くことしきりでした。(例えば、局で飲食をしたりとか)
また別の寺院の法会の例ですが、絵巻に描かれた局での聴聞者のほとんどが横になって寝ている姿というのがあり、これは夢の中に観音様に出てきてもらうためだったのではという考察などにもびっくりでした。(司会進行の上司永照師も、一度、局で寝てみたいものだとお話されていましたが、できるものならしてみたいですね)
::
さて、ただいま東大寺ミュージアムでは「二月堂修二会」の特集展示をされていますが、金鐘ホール地下一階の小ホールでは、修二会参籠の練行衆の持ち物が展示されています。
上司師曰く、奈良博ではできないような展示だそうで(かなり至近距離!写真撮影OK。持ち物のほとんどが上司師のもののようでした。)
講座終了後にそちらに移動して拝見してきました。
※小ホールに入場するには東大寺ミュージアムの入場券が必要です。
::
小ホール会場には上司師もお越しくださって、皆さんの質問に熱のこもった説明が始まって、会場は一瞬で熱気に包まれたのでした。
入ってすぐのところにあるのが黒色の衣が「重衣じゅうえ
上司師が以前に着ていたもので、今は2代目。どちらも10年以上は着ているとおっしゃってました。
「重衣」の下に展示しているのが「たっつけ袴」
紙衣の上に「たっつけ袴」を穿いて重衣を着けるそうです。
上堂袈裟(左)と食堂袈裟(右)
上堂袈裟は燈明の煤や抹香の煙に満ちた堂内で使用するので、自ずと違いが出ています。展示中の袈裟は平衆用の袈裟だそうです。
写真ありませんが、持ち主の名前を書いた着け札が隣に展示。
「差懸さしかけ」左上のが桜(二月堂境内にかつてあった桜の木より)、右が松でできていて、重さがずいぶん違うそうです。
手前に展示の「板草履」を履いて上堂されます。
「カンテキ」(火起こし器)と、左が火をつけやすくするために入れる小さな木片「コンペイトウ」。
写真後方に写っているのが「紙衣かみこ」で、後ろ側の展示は上司師のもの。その隣には前向きに展示した筒井長老の紙衣がありました。
こちらは「後年帯こうねんたい」。紙衣を着用するときの帯ですが、安産のお守りになると伝えられています。
また、写真を撮り忘れたのですが、紙衣を作る前の状態がわかる展示もありました。それは、仙花紙せんかしという和紙と、それを揉んだり棒に巻きつけ押し付けて縮緬状のシワをつけていく様子が展示されています。一枚の紙衣を作るのに仙花紙は40枚から使うそうです。翌年用の紙衣のためにシワを付けるところまでは、別火坊でされるようですが、仕立てるのは翌年に参籠が決まってからだそうです。
練行衆のつづらは、本行中は仏餉屋に保存されています。
すべての持ち物に誰のものかわかるように紋が貼ってあります。このナデシコは上司師の印で、判はあっても、しっかりわかるように墨で上書きしているそうで、だいたい10枚くらいは必要だそうです。
「牛玉櫃ごおうびつ」の中に「中臣祓」の用具が入っています。
「中臣祓」・・・自分でお祓いするときの写真も展示されています。
写真の右側が「ハチノス」。実際に見るのは初めてでした。
上司永照師、ほんとにほんとに「お水取り」が大好きな方なんだと思いました。その楽しいワクワクが伝播して、私たちも修二会が来るのが待ち遠しい気持ちでいっぱいになりました。
上司師の頭の上に見えるこちらは「牛玉箱ごおうばこ」で牛玉札を入れておきます。その後ろに見える横長のものが、練行衆それぞれの守り本尊「掛本尊」です。
ところで、牛玉箱には「二月堂牛玉 平成三十一年 大導師」と書かれています。(つまりこれは橋村師のものですが)その表の部分を切り取り繋ぎ合わせて巻物のような形にしておきます。そうすると、自分がいつから参籠を始めたか、いつ参籠したかがわかります。そして亡くなった時に棺に入れて一緒に荼毘にふすそうです。

道具類だけでなく写真の展示にも興味深いものがありました。
別火坊の柱に残る背比べの跡とか↑
縁側に干された後年帯の様子とか↑
そしてもう一つ、会場で流れている映像は是非ご覧ください。
平成元年のものだそうで、貴重なお宝映像満載でしたよ。

2020年2月15日土曜日

二月堂修二会2020*新入試別火入り

修二会に初めて参籠の練行衆を新入しんにゅうと言い、新入練行衆のある年に限り、新入だけが他の練行衆より5日早く別火に入ります。

令和2年2月15日 
「二月堂修二会別火坊」の看板が掲げられました。
18:30より待つこと十数分。
処世界として今年初めて参籠される普賢光明寺・望月大仙師
背筋を伸ばして凛々しい足取りで別火坊へ入って行かれます。




何とも静謐な空気が流れて、いよいよ始まるのだと
こちらも身が引き締まります。
::
小学館「東大寺お水取り」よりの抜粋ですが・・・
別火坊に入ると、まず衣をぬぎ白衣姿で、持参の私物を蛭子川から汲み上げた浄水に5枚笹を浸してはふりそそいで祓う。同様に自分の頭にも浄水をふりそそいで身を清める。この禊祓が終ると箱類を収め、袈裟を着け、念珠を持ち、中臣祓の作法を行う。以後、昼は紙衣絞りなどの作業、夜は声明の稽古などで、厳しい修行の第一歩を踏み出す。新入の試別火ころべっかは2月15日から20日の午後まで、総別火は2月20日夕刻から2月末日までである。

「ひむろしらゆき祭」前売券は2/15より*

3/28(土)3/29(日)に開催の「ひむろしらゆき祭2020
前売券(奉納賛助券)受付は、2/15(土)22時よりスタート!  
前売券申込はこちらから!
かき氷有名店が奈良に集結するかき氷の祭典。
毎年すごい人気でチケットもすぐに完売いたします。
参加店舗と提供かき氷のご紹介はこちらから。
会場は「奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~別館」です。
::
実行委員会よりのお知らせとして・・・
ひむろしらゆき祭開催につきまして、協議を重ねた結果
手洗いの喚起、アルコールスプレーの設置等、対策を行った上で予定通り開催をすることにいたしました。
お客様にもその点十分ご留意いただき、くれぐれもご無理のないよう参加不参加の検討をいただければと思います。・・・とのことです。

2020年2月14日金曜日

奈良公園*バースデー花火

明治13年(1880年)2月14日に開園した奈良公園は今年140歳!
「なら瑠璃絵」最終日にはバースデー花火が上がります!




花火の動画はInstagramからどうぞ!
「奈良公園」については、こちらのサイトがお薦めです。

2020年2月13日木曜日

奈良博「毘沙門天ー北方鎮護のカミ」

奈良国立博物館で開催中の特別展「毘沙門天ー北方鎮護のカミ」に行ってきました。
「毘沙門天」とは・・・奈良博サイトより抜粋すると
四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)は、須弥山世界の四方にいて、仏教世界や仏法を守るカミです。このうち北方を守護する多聞天は、「毘沙門天」の名で単独の像としても造像、信仰され、四天王のなかでも特別の存在でした。
近年、毘沙門天像の優品が相ついで発見され研究進展したことから、この展覧会では、従来知られている毘沙門天彫像の中から、とくに優れた作品を厳選し、それらを一堂に会することで、毘沙門天彫像の魅力を存分に味わうことのできる展覧会とする・・・とあります。
たくさんの毘沙門天像が一堂に会した会場内は、すごい人口密度(毘沙門天密度)が高くて濃密濃厚な世界でした。
音声ガイドの説明が、ほとんどの毘沙門天像に及び大変詳しい内容で、毘沙門天像に詳しくなくても十分楽しむことができました。
一堂に会した毘沙門天像はパンフの見開きにもドーンと。
毘沙門天のイメージとしては、宝棒や宝塔を持ち邪鬼を踏んだ姿があるのですが、中には・・・
躍動感あふれる毘沙門天像(弘源寺)や
妻子を伴った三尊像や
密教修法における調伏法に用いられた珍しい双身像とか。
東大寺の双身像↑は、口から出ている牙が繋がっていたり
地天女という女神の掌上に立っていたり。
今回の展覧会では、毘沙門天像の形容に焦点を当てたところが、入門者にはわかりやすいと感じました。
とにかく音声ガイドは是非借りてお聞きになってください。
::
特別展「毘沙門天ー北方鎮護のカミ」
会期: 令和2年2月4日(火)~3月22日(日)
会場: 奈良国立博物館 東新館・西新館 第1室
休館日:毎週月曜日・2月25日(火)
※ただし、2月24日(月・振休)は開館
開館時間:午前9時30分~午後5時
※毎週金・土曜日は午後7時まで
※入館は閉館の30分前まで

2020年2月11日火曜日

「奈良を編集すること、奈良を発信すること」

昨年末にブログでもご案内しました「奈良旅好きに聞きたい!アンケート」。このアンケートには、たくさんのブログ読者の方も答えて下さって、どうもありがとうございました。
このアンケートを発信された生駒あさみさんは、奈良で色々なお仕事をされている方達にお話を伺って、仕事やその地域の問題点や現状を知り、その中で自分ができることを考えて、新たに奈良に特化した情報集約の拠点のようなものを作っていこうと、動き出されました。

その第一歩として、奈良の旅もくらしも大切に 奈良のことを伝えていく 「奈良、旅もくらしも」を発信し、「奈良ほどく舎」を立ち上げて、第一回めの講座を開催されました。
「奈良を編集すること、奈良を発信すること」と題した講座の第一回目のゲストスピーカーは、文化季刊紙「あかい奈良」編集長などを務めた倉橋みどりさん。
これまでの仕事を通じて得た考え方、奈良を編集発信することの具体例をあげながらお話された内容は、「奈良倶楽部通信」というブログを通して奈良の情報発信をしている私にとって、あらためて気付かされることがたくさんあって、とても勉強になりました。

お話を伺った中で、心に響いたことを記しておきます。
 倉橋さんが奈良を編集・発信するときに大切にしていること
それは「謙虚さを忘れない」ということで、そのお話の中で

・社寺が大切にしてきた「由緒」「縁起」を大切にする。
例えば、修二会の起こりとして「二月堂縁起」による、実忠和尚が笠置寺の龍穴で拝した兜率天の菩薩たちの行法を地上界に遷して勤めたと伝えられてきていることについて、初めてその話を取材で聞いたときは、口にこそ出さなかったが信じられなかった。でもこれが公式見解で、長く奈良で仕事をしてきて、今はその話を信じられる体質になった。「奈良には実話がない」というご自身の体験談。
・理由・根拠ではなく「続けてきたこと」に敬意を払う
またもう一つ、おん祭の時に奈良では「のっぺ」を食べますが、その由来について古老に取材したときの体験話も興味深く、なぜ食べてきたのかについて半分答え(理由や根拠)を用意してインタビューをした時に、古老から「なぜそんなに理由がほしいんや?」「続けてきたことは続けていく。それだけや」と言われたこと。「続けてきたことはやめない」というのは奈良のDNAではないかと感じたと話されました。
奈良で続けてきた物事や人達や時間に敬意を払いたいとお話されて、現代人の感覚で切り取っては薄っぺらなものになるとおっしゃってました。

その他に、これからの仕事の取り組みとして
きたまちの「人と人」「店と店」「人と店」をつなげることや、今あるものをコーディネートするのも編集の仕事。貴重な話やモノを自分だけのものにするのでなく、皆さんと分かち合いたい。今あるものをよりよくしたいという気持ちが根底にあるとおっしゃって、奈良倶楽部通信を発信している根底に、奈良をもっと知ってもらいたいという気持ちが根底にある私はおおいに頷いておりました。

第二部は、奈良の情報誌の編集に携わってきた方々4名のトークセッション。奈良の社寺との付き合い方を伺って、ブログ発信でも気をつけていかなければと、あらためて気を引き締めたのでした。

最後に倉橋さんがおっしゃって心に残った一言を。
「奈良では、時間は過ぎゆくものではなく積み重なってゆくものだ」
貴重なお話を皆様どうもありがとうございました。

2020年2月10日月曜日

東大寺戒壇堂*7月より拝観一時停止

東大寺・戒壇堂。
耐震対策や屋根裏部分などの保存修理に伴う工事のために
令和2年6/30で、戒壇堂の拝観が一時停止されます。(約3年間)
期間中、戒壇堂安置の国宝の四天王立像は、東大寺ミュージアムに安置され、展示室内で拝観できます。尚、ミュージアムでの拝観は7/23よりで、7/1~7/22の間は四天王像の拝観はできません。
また、戒壇堂の拝観を停止する代わりに、普段は非公開の「戒壇院千手堂」が7月4日から特別公開されます。(有料)
お堂で拝観できないのは少し寂しいですが、ミュージアムといった空間で拝観できる四天王像にもわくわくします。楽しみなことですね。
::
東大寺戒壇院千手堂は、2010年の秋に、光明皇后1250年御遠忌を記念して特別公開されていましたね。ブログ過去記事に、その時にいただいたパンフの写真↓を載せていました。あの千手観音さまを、また拝観できるかと思うと、こちらも楽しみです。
::
おまけの画像>>
戒壇堂と桜、そして栴檀の花と栴檀の実。


2020年2月9日日曜日

今年も「なら瑠璃絵2020」へ*

今年も行ってきました。まずは一番近い東大寺大仏殿へ。
期間中、18:00~20:30の間、大仏殿の観想窓が開いて大仏様を拝顔できます。でも今年は中に入れずに、中門からの拝観となっています。
参道に光の演出がなされていて、いつもと違う大仏殿。
この後は、メイン会場の「奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~」の庭園イルミネーションへ。
新しいカメラで夜景の撮影に初挑戦!
と、言いたいところですが、実は設定を「手持ち夜景」にセットしただけという安易なことで。
それでも、カメラを覗きながら瑠璃色の光をたっぷり浴びて
「綺麗~」とつぶやきながらシャッターを押して歩くのでした。
仕事中に抜け出しての「瑠璃絵」見学でしたので、今日はこちらの会場だけで満足して帰ります。









最後に、庭園出口のあたりで白梅や山茶花も撮ることができ、ほくほくして帰りました。