2023年2月28日火曜日

二月堂修二会2023*「参籠宿所入り」

2/28、午後3時別火坊出発
大仏殿北側の二月堂裏参道を通って、練行衆の皆様は二月堂下の参籠宿所に移られます。
コロナ禍に入ってからはお供田辺りからの裏参道は通行止めとなっていますので、ここしばらくは大仏殿の後ろで「参籠宿所入り」をお見送りさせていただいています。





良く晴れた気持ちのいいお天気の中、静かに二月堂に向かって進んで行かれました。
参籠の皆さまがご無事に満行されますようお祈り申し上げます。
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令和5年の配役をもう一度記しておきます。
和上=持寶院・上司永照師
大導師=清凉院・森本公穣師
咒師=真言院・上野周真師
堂司=金龍寺・池田圭誠師
北座衆之一=寶珠院・佐保山曉祥師
南座衆之一=隔夜寺・中田定慧師
北座衆之二=上之坊・平岡慎紹師
南座衆之二=北林院・狭川光俊師
中灯=寶厳院・清水公仁師
権処世界=普賢光明寺・望月大仙師
処世界=持寶院徒弟・上司永観師

2023年2月27日月曜日

3月のお出かけ情報②~社寺伝統行事

3月に行われる奈良の行事のご案内です。
2/26時点で発表の情報を記載していますが、状況に応じて変更になる場合もありますのでご了解ください。
◇3/1 慈眼寺二の午厄除祈願法要
問合せ:0742-26-2936

◇3/1~3/14 東大寺二月堂「修二会(お水取り)」
修二会拝観・お松明見学についてと、行法のニコ生配信については
東大寺公式HPのトップページのこちらをご参照ください。
問合せ:0742-22-5511

◇3/2 10:00〜 喜光寺行基会大祭」 
中風除・ガン封じの祈祷・住職の法話や、おぜんざいの接待
14:30~柴燈大護摩会 ・火渡り
問合せ:0742-45-4630

◇3/5 10:00 興福寺本坊北客殿「三蔵会
※今年は聴聞可(会場狭隘につき人数制限あり)
※法要後の三蔵画像の拝観は11:30~16:00まで。

問合せ:0742-22-7755

◇3/13 13:00~ 大安寺馬頭観音厄除法要
馬が牧草を食むように諸々の悪を食いつくし災厄を除く厄除の仏様として信仰されている馬頭観音像。法要では護摩が焚かれ災厄除けの「秘文神符」が授与される。
問合せ:0742-61-6312

◇3/9 14:00~15:30頃 正暦寺人形供養
問合せ:0742-62-9569 
※3/9の日以外でも人形供養を受付されています。詳しくはこちら

◇3/12 宝山寺般若窟柴燈大護摩供
問合せ:0743-73-2006

◇3/13 9:00~ 春日大社「春日祭(申祭)」 
王朝絵巻さながらの春日大社の例祭。
※拝観不可です。
問合せ:0742-22-7788
問合せ:0742-22-7788

◇3/21 10:00~15:00 菅原天満宮筆まつり」 
     13:30~「筆供養」
問合せ:0742-45-3576

◇3/22~3/24 法隆寺お会式
◆通夜法要: 3/21 18:00
◆法要:   3/22 13:00
※堂内での一般参拝はできません。
※露店商店の出店もありません。
問合せ:0745-75-2555
ブログ内過去記事

◇3/23 13:00~ 薬師寺金堂「お身ぬぐい」
問合せ:0742-33-6001

◇3/25・3/26 安部文殊院「文殊お会式」
問合せ:0744-43-0002

◇3/25~3/31 薬師寺金堂「修二会 花会式
奉納行事・稚児行列・聞香席・拝服席・野点席・参籠を中止
金堂入堂に際し、検温、マスク着用、連絡先記入の協力
結願法要は僧侶のみで厳修(参拝は金堂堂外正面より)
詳細についてはこちらを参照してください。

◇3/31 20:30頃〜花会式結願を飾る「鬼追い式」

 

2023年2月26日日曜日

3月のお出かけ情報①〜秘宝秘仏公開

春まだ浅き奈良大和路の寺社特別拝観のご案内です。
奈良への旅のご参考にどうぞ++

◇3/1 慈眼寺聖観世音菩薩特別公開」(但し祈祷者のみ)
問合せ:0742-26-2936

◇3/1~3/14 法華寺「古代ひな人形展」
問合せ:0742-33-2261

◇3/1~3/31 大安寺馬頭観音立像特別公開」 
天平時代の秘仏 日本最古の馬頭観音立像を特別開扉。
問合せ:0742-61-6312

◇3/1~4/18 壺阪寺大雛曼荼羅公開
問合せ:0744-52-2016

◇3/1〜4/27 薬師寺食堂特別公開 / 西僧坊特別開扉
問合せ:0742-33-6001

◇3/1~5/31 不退寺春季特別公開
在原業平画像や伊勢物語、古今和歌集などが公開される。
問合せ:0742-22-5278

◇3/1~5/31 安倍文殊院 「春の寺宝展
問合せ:0744-43-0002

◇3/1~7/9 長谷寺本尊大観音尊像
問合せ:0744-47-7001

◇3/6~3/15 帯解寺秘仏特別公開
安産祈願の古寺で、本尊の地蔵菩薩(重文)はじめ、三面六臂大黒天蔵や虚空蔵菩薩坐像などの秘仏、春日赤童子画像などの仏画が特別公開されます。
問合せ:0742-61-3861

◇3/8・3/21  浄瑠璃寺国宝三重塔初層開扉日
※好天の日に限ります。
問合せ:0774-76-2390

◇3/12  伝香寺
 「本尊釈迦如来・南無仏二歳像と地蔵菩薩像納入品特別公開
奈良の三大名椿のひとつ散り椿で著名なお寺。 
「はだか地蔵尊」と愛称される地蔵菩薩像(重文)は月曜日以外拝観できます。 
問合せ:0742-22-1120

◇3/16 13:30~15:00 當麻寺中之坊導き観音ご開帳
問合せ:0745-48-2001

◇3/17〜3/23  福智院「宝冠の十一面観音像」
問合せ:0742-22-1358

◇3/18~3/24 興善寺「観経曼陀羅拝観」
問合せ:0742-23-7007(要予約)

◇3/18~3/26  安養寺「阿弥陀如来立像」

◇3/20~4/7 法華寺「国宝十一面観音立像特別開扉」
光明皇后の姿を彫り上げた伝わる平安初期の仏像です。
問合せ:0742-33-2261

◇3/21~5/20 浄瑠璃寺秘仏吉祥天女像特別公開
吉祥天女像厨子の扉絵も一見の価値ありです。
問合せ:0774-76-2390

◇3/23~4/7 海龍王寺十一面観音特別開帳
錐金文様の美しい仏様です。
問合せ:0742-33-5765

◇3/24〜5/7 金峯山寺金剛蔵王大権現特別開帳
問合せ:0746-32-8371
※令和3年2月23日~令和10年頃まで 奈良国立博物館にて
金峯山寺仁王門金剛力士立像が特別公開されています。詳細 

2023年2月25日土曜日

館内もお水取りモードに*

毎年お水取りの頃に、修二会で使われたものを館内に飾っていますが、今年は幾つか初公開のものがあります。

まずは、どーんと鎮座の牛玉札の額装です。
先日のブログでちらっと書きましたが、参籠見舞いの御礼などでいただいた牛玉札も10枚以上になりましたので、陀羅尼札と一緒に額装しました。
表装はご近所の「吉川春陽堂」さんにお願いし、どのお札を選ぶか、レイアウトなども相談して決めて、コロナ前までは修二会のお手伝いにも入ってらっしゃった吉川さんに色々なお話も伺えました。
例えば、牛玉札の紙は 昔は名塩和紙を使っていたので少し緑色かかっているとか、確かに私がいただいた牛玉札も紙の色が微妙に違っているように思えます。
東大寺ミュージアムに展示されている初公開の 「牛玉誓紙ごおうのせいし 」には牛玉札を25枚越えて刷ってはならないと書いてあって、私は自分がいただいた牛玉札を1枚と数えていましたが、続牛玉のように8枚続きのものが1枚で、これが25枚だと8x25の200枚ということになります。(でもそのうち半分はお寺に納めるそうで、参籠されていない塔頭へお分けされると望月大仙師がツィートされていました)

サシ↑と手松明↓も新たに仲間入り。
どちらも、二月堂でよくお会いするご夫妻が奈良倶楽部のお客様に見てもらってと送って下さったもので、サシは二月堂の焼印がくっきり残っているのを選んで下さいました。ありがとうございます。
写真手前の、三度の案内で使われるチョロ松明と比べても大きくてずっしりと重い手松明は、小網さんが内手水の際に北出仕口で連行衆の出入りを照らす松明だそう。
また、こちらも初お目見えです。素麺のようにも見えるのは「灯芯」で、下に敷いた紙は食作法で碗を拭く紙で生飯投げでも使われます。
灯芯は、修二会の燈明に使われるもので、安堵町灯芯保存会から二月堂へ毎年奉納されています。
「灯芯」については、近日中にもう少し詳しくご紹介したいと思っていますので、お楽しみにお待ちくださいませ。

2023年2月23日木曜日

「いまなら。キャンペーン」終了*

3月末まで延長されるとお知らせのあった奈良県の旅行支援「いまなら。キャンペーン2022プラス」について++

参画宿泊施設から申請できるクーポンは2/22の12時より販売開始でしたが、あっという間に売り切れとなり、楽天トラベル販売分も予算の上限に達したため2/23で終了となっています。
また、地域クーポンも予算に達したため、じゃらんネットからの予約は2/27販売前に終了となりました。

昨年7月より始まった今回のキャンペーンでは、県外の方も利用できるとあって全国からたくさんの方が奈良にお越し下さいました。

奈良倶楽部にも初めてお泊りされる方や二度三度と宿泊して下さる方も多くいらっしゃって、旅人を迎えながらお客様方から旅の楽しさのお裾分けをいただき、旅することの素晴らしさを感じる日々でした。

期間中にお越しいただいた皆さま、どうもありがとうございました。

「いまなら。キャンペーン2022プラス」は終了しましたが、引き続き今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年2月21日火曜日

二月堂修二会2023*「社参」

2月21日  練行衆が行中の無事を祈願して境内諸堂を参拝して回る「社参」があり、別火坊から二月堂まで練行衆の方々を追いかけながら廻ってきました。  
写真が大変多くなっていますが、ご一緒にどうぞご覧下さい。

13時ちょうど、別火坊ご出発。


小雪がちらついたり青空が見えたりのお天気。
若草山と覆いの被った戒壇堂を背景に。

東大寺幼稚園の園児たちのお見送りが可愛い!


八幡殿参拝


大仏殿参拝
天皇殿参拝
猫段中程で平衆が法螺貝を吹きます。  
鐘楼の南側や

四月堂の側、閼伽井屋の前辺りでも法螺貝が吹かれます。
そのまま湯屋へ。(13:30頃)
「試みの湯」といって練行衆はここで参籠の意思を確認します。
半時間ほどして湯屋から出られて登廊から二月堂へ。
登廊の石段下でも法螺貝が吹かれます。  
二月堂舞台から聖武天皇陵を参拝し
南の石段を通って興成社の前を通り
普段は食堂南の広場で解散されるのですが、今年は新入のある年なので、解散せずにそのまま一同別火坊へ戻られます。
今日から新入は総別火に入っているので社参には参加されず、別火坊では練行衆による新入見舞いや、衣の祝儀などが行われます。
練行衆が揃って別火坊へ戻って行かれるところも追いかけたかったのですが、今年は注連撒きを見学することにし、二月堂で待つことしばらく。
ただ、今年は注連撒きがなかなか始まらず、チェックイン時間も迫ってきて仕事に戻らねばならず、私はここで奈良倶楽部に戻りました。
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二月堂舞台の柱に貼ってありました。
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毎年2月21日の社参から、お水取りが今年も始まるのだと、粛々と参列されて歩みを進めて行かれる練行衆のお姿に接して、拝観者として今一度感染対策をしっかりして、無理のない範囲で拝観させていただければと気持ちを引き締めています。
        

2023年2月18日土曜日

二月堂修二会2023「油はかり」

2/18は修二会で灯明に使用する菜種油の「油はかり」が行われる日。
「油はかり」は二月堂南出仕口で午前10時過ぎ頃から行われます。

今年は土曜日に当たることから仕事が忙しくて見学に出かけるのを躊躇していましたが、新入の処世界さん、新堂司さんが立ち会われるので、やっぱり行かなくては!と。
そして百人講でも、長く油屋をされて修二会の燈明を昭和の前半まで東大寺に納めておられた松石家ご本家からも出仕される方がいらっしゃるということで、行ってまいりました。
堂司が正面に座り、処世界、堂童子が「油はかり」に立ち会う様子。処世界の上司永観師、堂司の池田圭誠師、お二人とも初のお務めなので、油はかりの様子よりもお二人にカメラを向けてばかりでしたが
桶に灯明油を計量棒で量って流し入れているところはこちらです。
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今年の修二会レポはどこまで追っかけできるかわかりませんが、
まだまだ修二会には来られないというお客様も多く、できるだけ写真でご覧いただければと思っています。
スマホカメラの画像ですが、よろしくお付き合いくださいませ。

2023年2月16日木曜日

旧細田家住宅「奈良の茶がゆ、いただきます」

奈良の伝統食のひとつ「大和の茶がゆ」。
江戸時代に建てられた農家住宅「旧細田家住宅」で、茶がゆにまつわるお話をききながら温かい茶がゆを味わうイベントが3/13に開催されます。
講師は、以前に奈良倶楽部で開催した茶粥の会の講師を務めて下さった飯田むつみさんです。
奈良市主催の講座なので、申込み多数の場合は抽選になります。


「奈良の茶がゆ、いただきます」
日時:令和5年3月13日(月)14:00~16:30
内容:
・大和の茶がゆについてのお話、実演
・大和の茶がゆの実食
講師:飯田むつみ氏(大和の伝統食"茶がゆ"を紹介する会 主宰)
場所:奈良県指定文化財 旧細田家住宅(奈良倶楽部斜め向かい)
費用:2500円(茶粥代、資料代込み)
定員:10人(申込み多数の場合は抽選)
申込み方法:申込み専用フォームからお申込みください。
締切:令和5年3月3日(金)


今回の企画は「NPO法人文化創造アルカ」が企画協力したイベントで、貴重な農家住宅の「旧細田家住宅」を活用しながら、ちょっと昔の「暮らしのすてき」に触れるイベントを定期的に開催していく第一弾。 旧細田家住宅は奈良倶楽部の斜め向かい、徒歩30秒という近さなので、これからのイベントも楽しみにしているところです。

2023年2月15日水曜日

二月堂修二会*ブログ過去記事まとめ

修二会の本行は3月1日から始まりますが、その前の2/20~2/末の期間は「別火」という前行の期間になります。

2/20から始まる別火期間ですが、初めて練行衆に入る新入しんにゅうや初めて大導師のお役をされる場合は、他の練行衆よりも5日早く2/15より別火入りをされます。(今年がそうです)

この別火期間中から修二会満行まで、かつて追っかけレポしたブログ記事を添付致しますので、よかったら参考にして下さい。
(ブログ記事はなるべく新しいものを、特にコロナ禍になってからのものを添付していますが、ブログを始めた初期の記事もあり、自分の無知をさらけ出しているようで恥ずかしいですが、こんな時期もあったのだとご容赦ください。)

◇二月堂修二会「別火」についての過去記事
・2/15「新入・新大導師別火入り」2020
・2/18「油量り」2011/2022
・2/20「練行衆別火入り」2020
・2/21「御輿洗いと内陣掃除」2022
・2/21「社参」2015/2016/2020/2021/2022
※21日の社参は新入のある年とない年で少し違っています。
・2/21「注連撒きと注連縄張り」2016
・2/25「社参」2017/2019
・2/28「湯屋修祓」「壇供・供華の搬入」2013/2021
・2/28「練行衆 別火坊出発」
2009/2012/2014/2016/2017/2019/2020/2022
・2/28「大中臣祓い」2009/2012/2014/2020/2021


◇お昼間の二月堂での様子など
・3/1お昼の二月堂点描 2013
・3/1「惣神所そうのじんしょ2012 /2020
・食堂作法について 20082012
・生飯なげ 20202021
・お昼の二月堂で 20102014
・参籠お見舞いに伺う 20152016
・「数取懺悔」 2017
・お昼の法要 20202020202120222022

◇夜の聴聞
・「一徳火」と「開白法要」2017
・「称揚」 2008/2017
・「お声明」南無観コーラス 2008
・「法華懺法 ほっけせんぽう」を聴く 20122013
・「過去帳」聴聞 2011/2017
・「大導師作法」聴聞 20142020
・「 咒師作法」聴聞 2015
・「上七日」3/5の「後誓と勧請」2016
・「下七日」に唱えられる「教化きょうけ2016/2017
・「小観音」さんのお松明 2010
・「小観音後入」2011/2016
・3/11深夜の聴聞 20132014
・「お水取り」 2012
・「達陀だったん」の様子 2008
・ 「名残の晨朝」2009/2016
・「深夜の満行下堂」2013
・3/14「服喪中(ブク)」の年の聴聞 2018/2019
・3/15「修二会満行」20102012/201920202021/2022
・その他 2015年 3/143/20
・コロナ禍の夜の聴聞 2020 /2020 /2020 /2020/20212022

※コロナ禍3年目、今年も修二会のお松明見学や聴聞に関して厳しい規制が設けられています。こちら参照→

※今後の感染状況次第では、大中臣祓や、日々のお堂や食堂への出入り、童子らの松明作り、3/12のお水取りなど、練行衆や参籠衆と拝観者の距離が近い場面においては例年と異なる形での拝観になる可能性もあり。

※また、3/1~3/14の間、二月堂遠景を定点撮影し、インターネットの「ニコニコ動画」にてライブ配信が行われます。お松明の様子もこの映像配信でみることができます。 

昨年にも増して大変な状況下でのお水取りとなりますが、参籠される皆様がご無事に満行なさいますようお祈り申し上げます。

2023年2月14日火曜日

奈良公園*バースデー花火

明治13年(1880年)2月14日に開園した奈良公園は今年143歳!
「なら瑠璃絵」最終日にバースデー花火が上がりました。


3年ぶりのバースデー花火。
冬の花火が大好きなので、お客様が皆様お出かけの後に私も奈良公園まで出かけました。
3年前は大仏池から大仏殿越しに見た花火。
今年はより近くの春日野園地で見学しましたが、花火を撮るのはむつかしいですね。動画で撮った方が雰囲気を伝えられていますので、Instagramからご覧ください。

3年ぶりの通常開催ということもあって、大勢の方が来られていました。あまりの人出に、瑠璃絵の会場にも大仏殿中門にも寄れずに、花火だけで満足して帰ってきましたが、途中で撮った鏡池の光の演出も綺麗でした。

2023年2月13日月曜日

奈良博と東大寺ミュージアムで「お水取り」展

お水取りの時期に合わせて、毎年恒例この時期に開催される 奈良国立博物館の特別陳列「お水取り」と、東大寺ミュージアムの特集展示「二月堂修二会ー受け継がれる誓いー」



 

両館で関連するものが出ていることも多いので併せて鑑賞しました。そして、なくなり次第終了ですが、ただいま、異なる絵柄の絵はがきが配布されています。(数量限定)
さて、では関連するものとしてはどのようなものが出陳されているのでしょうか

東大寺ミュージアムでの
特集展示「二月堂修二会ー受け継がれる誓いー」では

今年の修二会には、初めて練行衆に入る 新入しんにゅう がいることから、これにあわせて初公開の 「牛玉誓紙ごおうのせいし 」が展示されています。

公開されている「牛玉誓紙(牛玉堂方記録)」は室町時代・延徳4年(1492)のもので、新入がすることの一つに、この巻物に、行法に際しての約束事を観音様に誓うためにまずは署名をするのだそうです。

室町時代から500年以上、その時々の新入の名前が書き継がれている巻物・・・さりげなく展示してありますが、ずっしりとした歴史の重みを感じます。

行法に際しての約束事には牛玉札ごおうふだを刷る枚数を守ることがあり、キャプションを読んでみると、背いたものは罰をこうむるとか、25枚をこえて刷ってはならないとか、たとえ貴族の注文でも引き受けてはならないなどが書かれています。

室町時代の二月堂両堂練行衆日記にも、見境なく刷ることを制限すると書かれていて、牛玉札はたいへん人気だったようです。

その他には「陀羅尼札」と、満行後に参籠されなかった寺僧に手渡される八枚連続で刷られた「続牛玉つづきごおう」(現代)と、鎌倉時代・文永3年(1266)の、続牛玉の裏面に起請文が記された「東大寺衆徒等連署起請文」(国宝)も展示されています。

ところで、今でも25枚以上刷ってはならないのでしょうか?
練行衆への参籠見舞いの御礼にとこの牛玉札をいただきますが、私がそんな貴重なものをいただくほどの者ではないし、二月堂受納所でも販売されているので、現代ではもう少し多く刷っておられるのでしょうか?

私事ですが、その牛玉札も10枚以上になりましたので、陀羅尼札(こちらは受納所で購入)と一緒に額装することにしました。
いただいた牛玉札を改めて並べてみると、刷り方が濃かったり薄かったり片方に寄っていたりと、それぞれに個性があって面白いものでした。出来上がりましたらブログで公開しますのでご覧くださいね。

ということで、自分と少し関係のあるものもあったので、東大寺ミュージアムの特集展示は、少ない展示品ながらも見ごたえがあって、興味深く拝見しました。

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その牛玉札と陀羅尼札に関連して、奈良博の「お水取り展」では、牛玉札と陀羅尼札の板木が展示されています。
それも、江戸時代に二月堂が炎上した時に焼け跡から発見された板木で、陀羅尼札の板木は一部焼け落ちているところもありました。

奈良博の展示品は、以前に拝見したものも多いのですが
今年は新入以外に、大導師、和上も初のお役になられるので、新入のために行中の心得や作法を記した書物「新入心精進之事」と「二月堂和上日記」と「大導師覚悟記」が同じ陳列ケースで展示されているのを見るだけでグッとくるものがあります。

その他に印象的だったのは、二月堂内の指図として「実忠和尚一千年遠忌法事執行記」と「倶者三十講日記」に書かれた二月堂堂内の見取り図。

「実忠和尚一千年遠忌法事執行記」↑には、大観音の前に小観音、実忠和尚の御像も内陣へ安置されている様子が描かれていて、修二会の翌日3/15から盛大に執り行われた様子がわかりますし、この期間に合わせて霊宝などのご開帳も行われたそうで、本年10月に行われる良弁僧正の1350年遠忌についても想いを馳せてしまいます。

また同じように二月堂内見取り図が書かれた「東大寺倶者三十講日記」(1702年元禄15年11月)↑にも礼堂が会場となり、局に聴聞の僧の名前が書いてあって、公慶上人・公盛上人の名前が局の東南に書かれていました。
公慶上人への憧れがあるので、いつか局での聴聞が叶うようになれば、まずはこの位置に座ってみたいと思いました。

そして公慶上人といえば、「六時之差帳ろくじのさしちょう」に、朔日半夜時導師 式部卿(公慶上人のこと)の名前が。公慶上人にも時導師をされる平衆の時代があったんだと、これまた感慨深く拝見しておりました。

その他、実際に法会で用いられた法具などを見ていると、その時代その時代の息づかいがふっと感じられたりして、1200年以上の時の流れも自分なりに捉えられて、興味の尽きることがない展覧会でした。 

最後に、奈良博の「お水取り」展で初出陳となる油甕について
こちらの写真は、購読している毎日新聞の切り抜きです。
実はこの「油甕」は、このブログを通してのご縁が元でお目見えしたという経緯があり、今回、ウエブマガジン「奈良、旅もくらしも」に文章を書かせていただきました。
記事が更新されましたらお知らせしますので是非ご覧下さい。

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特別陳列「お水取り」
奈良国立博物館で3/19まで開催。
期間中2/6・2/20・2/27が休館日。

特集展示「二月堂修二会ー受け継がれる誓いー」
東大寺ミュージアムで3/22まで開催。
期間中無休。