2026年10月22日木曜日

「よみがえる白鳳」金堂復興50周年記念展

薬師寺・秋の特別公開「よみがえる白鳳―金堂復興50周年記念展―」の記者発表内覧会に伺ってきました。

特別公開会場の西僧房では、享禄元年(1528)の兵火で伽藍の大半を失って以来 500年続く復興の歩みや、昭和の金堂復興に至る道のりが、多くの展示品で紹介されています。


天武天皇像、摩利支天坐像のご宝前で法要のあと、ご挨拶される生駒基達管主。

薬師寺は天武・持統天皇によって創建されたお寺。
今回の「飛鳥・藤原の宮都」世界遺産登録では、天武天皇ゆかりの地が何ヶ所も登録されたことを記念して天武天皇像が公開されています。

豊臣秀吉公念持仏と伝承される摩利支天坐像は普段は秘仏だそうで、戦火で焼失した金堂の後に豊臣家の援助で旧金堂が建てられるなど、豊臣家との繋がりの深さも紹介されていました。

記念展のみどころについて高次喜勝師より解説いただきました。
7年ぶりに公開された国宝・東塔水煙。
たなびく雲に天人が舞う姿を間近で拝観できます。
東塔相輪の下部にある檫管さつかんには、薬師寺創建の由来や薬師如来・天皇・伽藍を讃える銘文が記されています。ご神仏様に見ていただくために一番高いところに刻まれたのではと解説されていました。

豊臣家との関係を示す資料も展示されています。
信長(「天下布武」の黒印が押されている)・秀吉・秀長の書状

大納言秀長の病気平癒を行ったことが記されていたり、平癒祈願の途中で快復したので残りの7日間で花会式をしたことなど。花会式の造花つくりばなを寺内総出徹夜で用意したという興味深い内容も。

旧金堂で使われていた瓦。右側の瓦には、豊臣政権で五奉行だった増田長盛公の名前が残っています。旧金堂の屋根瓦は、関ケ原の戦いの直前に葺き終わったようです。
左側が旧金堂、右側が興福寺仮講堂の写真です↑
1528年の兵火で焼失の後、1557年ころまでには仮堂が建てられ、1600年に瓦葺きに改められ、以来370年の間、薬師三尊像を守り続けた旧金堂は昭和46年(1971)に金堂再建のために解体されて興福寺へと移築、今も仮講堂として残っています。

旧金堂薬師如来像の頭上にあった格天井の一部↑初公開です。
大変貴重な写真もありました。(一部大きくして掲載しています)
今上天皇陛下(浩宮殿下)が昭和44年(1969)に薬師寺を訪問された時の写真。
背後は旧金堂、後ろの少年僧は現・生駒基達管主だそうです。

金堂が復興するまでの歩みが紹介された展示空間では、高田好胤和上のお写経関連遺品や西岡常一棟梁関連遺品なども公開されています。

昭和42年(1967)、高田好胤和上は老朽化した旧金堂を解体して、天武・持統両天皇が創建された金堂の再建を決意し、前例のない百万巻写経による金堂復興を発願し、一巻一巻のお写経の積み重ねによって昭和51年に金堂が再建されました。

高田好胤和上の般若心経の心「空」

こちらは、講演会などに出向く際にお写経を入れて運んだ専用の鞄。
書き上がったお写経は郵送で納経できるように包み紙の裏に薬師寺の住所が印刷されていて、全国から多くのお写経が寄せられました。
発願から再建実現までの道のりの様子が、実際に目にしたものでリアルに感じることができ、あらためてすごいことだなぁと胸が熱くなりました。

「よみがえる白鳳」金堂復興50周年記念展では、その他に
玄奘三蔵院伽藍特別公開や、東塔・西塔特別開扉や、連動企画として「もっとよく知る講演会」などが行われます。
詳しくは薬師寺HP をご覧ください。

「よみがえる白鳳―金堂復興50周年記念展―」
会期:令和8年10月24日(土)~11月8日(日)
時間:西僧房・玄奘三蔵院伽藍は9時~17時 / 東塔西塔は9時~16時半
会場:薬師寺内 西僧坊・玄奘三蔵院伽藍・東塔西塔
拝観料:大人 1000円 中高生 500円 小学生 100円
    ※別途、通常拝観料が必要です。
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内覧会のあと、特別に「秋夜の奈良旅」の夜間拝観を体験させていただきました。(薬師寺では 11/7と11/21 に開催)


※写真は特別に許可をいただいたもので、金堂内は通常撮影禁止です
夜の闇に浮かぶ金堂内薬師三尊像の厳かで神々しいお姿に心が浄められ、夕焼け空から星空へと移りゆく伽藍の空の色に心和み、ありがたい気持ちでいっぱいになります。
是非、夜間拝観にもお参りくださいませ。

「白鳳伽藍 秋の夜間特別拝観」
開催日:令和8年11月7日(土)11月21日(土)
拝観時間:開門 17時30分/閉門 20時30分 受付終了20時
拝観場所:金堂(入堂可) 正面扉を開扉しております。
     国宝 東塔・西塔の夜間特別開扉 ※塔の中には入れません
夜間特別拝観料 :1000円
※昼の拝観券・優待券・招待券等は使用できません。
※薬師寺駐車場ご利用可能(有料)

2026年10月19日月曜日

天理参考館と天理図書館へ

天理参考館「意匠とアイデンティティ−アジア少数民族の生活・装い−」と、天理図書館「古今和歌集と伊勢物語」での展示を目的に天理まで行ってきました。

天理参考館↑と天理図書館↓
天理図書館正面玄関。図書館の内部は本当に素晴らしくて(館内撮影不可)昨年12月に伺ったブログ記事★に、いただいた資料から撮った写真を載せていますのでご覧ください。

銀杏の街路樹が美しい天理の街。
銀杏は少しずつ色づき始めていました。

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「意匠とアイデンティティ−アジア少数民族の生活・装い−」は、ぺー族・ナシ族・ヤオ族・ミャオ族……政府公認の少数民族55民族の中から4民族の衣装や布などが展示されている企画展。
この日は、企画展担当の学芸員さんのギャラリートークがあり、詳しく教えていただくことができました。

メモより
ペー族は花の刺繍が得意、大理石と絞り染めが有名。

ペー族の女性用衣装↑
奥に見えるのは絞り染のタペストリー。よく見ると素晴らしい技術!

ナシ族の女性用衣装↓(写真右側)

この衣装を背面から見ると↓
「七星羊皮しちせいようぴ」という羊の皮でつくった背当てを身に着けています。夜空を示す黒地に北斗七星を意味する7つの丸い飾りがついていて、一説によると、北斗七星が見える時間まで働くというナシ族の女性たちの勤勉さを表すそうです。
ナシ族の使う「トンパ文字」↑という象形文字は、現在も宗教儀礼などで使われていて、ユネスコの世界遺産に登録されています。

ヤオ族の女性用衣装↑プリーツスカートに施された刺繍も必見。

そしてここからはミャオ族の衣装です↓







刺繍の技術に特に秀でているミャオ族。どれもこれも素晴らしいです。

中国ではミャオ族と呼ばれていますがインドネシア半島に住むミャオ族のグループはモン族と呼ばれています。
こちら↓は、モン族が中国大陸からラオス・タイを経て第三国に定住するまでの移民史を刺繍で表した「ストーリークロス」

モン族はベトナム戦争の時にアメリカについたそうで、戦後の苦難の歴史も表されています。

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ところで、奈良倶楽部の持っているコレクションもミャオ族の物が多いので、帰宅してから衣裳箱の中から取り出しては、これをどういう風に飾ろうかな…などと考えるのも楽しいのでした。





※「意匠とアイデンティティ−アジア少数民族の生活・装い−」では、会期中この後も講演会やギャラリートークが開催されますのでHPを参照して下さい。

※天理図書館では11/6・11/7・11/8に見学ツアーが開催されます。
要予約ですが(申込はこちら★)貴重な機会ですので是非どうぞ。

2026年10月17日土曜日

京博「源氏物語 王朝のかがやき」展

京都国立博物館で開催中の「源氏物語 王朝のかがやき」展。

おそらく源氏物語に関係するすべてを網羅して紹介されているのではないだろうかと思うほどの、多岐に渡って充実した内容の展覧会でした。


一章から八章まで、それぞれの章のタイトルが示す通りの内容の中身がすごいので、簡単に紹介させてください。

一章:源氏物語を写す…源氏物語研究で重要視されてきた古写本紹介
二章:源氏物語の作者 紫式部…文献や絵画から掘り起こした紫式部
三章:国宝 源氏物語絵巻…2週間ごとに場面を替えて展示されるそう
四章:源氏物語を深める…鎌倉室町期に作られた注釈書や源氏絵など
五章:源氏物語でかざる…工芸品の意匠のモチーフに
六章:源氏物語でいろどる…安土桃山以降に描かれた源氏絵
七章:源氏物語であそぶ…江戸時代に生まれた源氏香や浮世絵など
終章:源氏物語を描き継ぐ…近代源氏絵を代表する作品の紹介

全体を観覧してみると、章を追うごとに時代が進むようになっているので、見やすくわかりやすかったです。
また国宝や重文のものも多く、アメリカ・メトロポリタン美術館から出展のものもあり。
前期後期だけでなく細かく出展期間が区切られていますのでHP★で会期をチェックして下さい。

こちらは源氏能で用いられた衣装の数々。(ここだけ撮影可でした)


源氏物語に関わる美術の名品が大集結した展覧会で、たっぷりと王朝文化の薫りを堪能してきました。 

「源氏物語 王朝のかがやき」
会場:京都国立博物館 平成知新館
会期:2026年10月6日(火)~11月29日(日)
   前期10/6~11/1  後期11/3~11/29
休館日:月曜日・10/13(火)11/24(火)※10/12と11/23は開館 
開館時間:9:00~17:30 金曜9:00~20:00(入館は閉館30分前まで)

※2027年1/19~3/14の会期で東博でも開催されます!

2026年10月16日金曜日

10/24・25 奈良県庁回廊で「奈良のトビラ」

奈良のモノや情報を全国へ届ける「奈良のトビラ」。
これまで奈良を飛び出し、全国16都府県で出店されてきましたが、
10/24(土)10/25(日)に、地元奈良で開催されます!
会場は、奈良県庁回廊!時間は10:00〜17:00


柿の葉寿司や焼き菓子、パイ、コーヒー、梅や醤油、クラフトティーなどの食品から、陶器や漆器、古墳クッション、若草山グッズ、古代模様の雑貨まで。
薬草など奈良の香りを使ったバスアイテムづくりや、古代模様の小物づくりといった体験もあり。 キッチンカーや飲食ブースも登場。 
奈良で生まれたもの。 奈良で活動する人。 奈良だからこそ出会える文化や体験。 いつもの奈良に、少し新しいトビラを開く2日間です。
 ※出店内容は日によって異なります。

そして奈良県庁お隣の「奈良公園バスターミナル」では
◆10/19~10/25『奈良のトビラパネル展』開催
バスターミナル1階にて、これまで訪れた中で、鳥取・福島・大分・福井など、歴史的にも奈良と関係がある場所のパネルを展示します。
◆10/25(日)14:30スタート「月は上りぬ」上映会
バスターミナル2階レクチャーホールで奈良が舞台の名作映画の上映。
予約なしでもOK / 参加費1000円

是非お立ち寄りくださいませ!

2026年10月15日木曜日

「旅の手帖11月号」に掲載のお知らせ*

「DiscoverJapan」「旅の手帖」「婦人画報」「家庭画報」「世界遺産奈良」・・・と、この秋に出版された雑誌の多くに、奈良が大きく特集されています。

7月に登録されたばかりの世界遺産「飛鳥・藤原の宮都」や、奈良のホットスポット「監獄ミュージアム」などが話題に事欠かないこともあって、奈良の注目度が高くなっているようですね。

そんな雑誌の中で「旅の手帖11月号〜はじまりの奈良ツウの流儀〜」の『歴史の余韻に浸る宿』の一つに奈良倶楽部もご紹介していただきました。



                ↑ここに!どうもありがとうございます。

奈良の行事や風景を撮る写真家MIKIさんのエッセイ「奈良と写真と私」



「くるみの木」石村由起子さんの奈良への想いを綴った文章もあり。
親しくしている人たちやよく行くお店もたくさん掲載されていて、そして何より、奈良を旅する人たちへ最新の情報が提供されています。





飛鳥・藤原の宮都については8ページにも及ぶ特集!
山の辺の道特集や、ならまち、きたまち、東大寺、もちろん監獄ミュージアムもあり。美味しいお店の紹介も割とレアなお店が載っていたり。

余談ですが・・・
奈良特集ではないのですが、奈良と京都を結ぶJR奈良線沿線も紹介されていて、私の実家の駅も載っているのです。
上狛駅で降りて行く「福寿園山城館」↑は、つい先日も行ってきたばかりなのでまたご紹介させていただこうと思っています。 

読み応えたっぷりの、奈良の本。奈良倶楽部のラウンジスペースに置いていますので、ご覧下さいませ。