2019年11月12日火曜日

重源上人の足跡を訪ねる山口バスツアー

鎌倉時代に東大寺復興再建を率いた俊乗房重源上人。
大仏殿や南大門の再建に使う巨大な柱の木材を伐り出したところが、周防国、現在の山口市徳地というところです。重源上人も実際に周防国まで出向いて材木を探し、奈良まで運びました。
800年以上経った今も、山口には、重源上人ゆかりの寺院や石風呂などが残り、多くの伝承もあります。
今回、山口出身の倉橋みどりさんよりご案内いただいた『12/7~12/8 東大寺・鎌倉再建を率いた重源上人の足跡をたずねて 奈良~山口バスツアー』は、故郷山口と第二の故郷奈良との歴史のつながりを重源上人の足跡から学ぶバスツアー。

徳地では、鎌倉時代に重源さんが作らせた石風呂に火を入れて体験していただいたり、ゆかりの阿弥陀寺ほかにご住職の案内付で参拝したり、山口でも食べられている、奈良とそっくりの茶粥をご用意くださるなど、地元の方の全面協力で、ほかでは決してできない素晴らしい旅を企画されました。
旅の道中のご案内役は、もちろん倉橋みどりさん。
ひょっとして山口弁が出るかも?ですね。

ツアー随行決定まであともうひと頑張りの状況だそうで、ご興味のある方や、ピンと来られた方は、是非ご参加のほど、よろしくお願いいたします。ツアーの申し込み先や詳細はこちらです。

2019年11月11日月曜日

「東大寺深発見PartII」

昨年の講演会に引き続いて、今年は「PartII」バージョン。
11/8、東大寺金鐘ホールで「奈良ゾンタクラブ」30周年記念企画の講演が開催され、講師の上司永照師のお話を聞いてきました。
今回は、ゾンタクラブの上田トクエ30周年実行委員長の、「青衣の女人」のお話を伺いたいという、昨年来からのリクエストもあって、「青衣の女人」が登場する修二会の過去帳を中心にお話されました。

前半は、昨年の講演でもお話しされた「修二会」について。
修二会の正式名称「十一面悔過法要」の『悔過』とは、過ちというより「行き過ぎた行為」のことではないか。その行き過ぎた行為を一身に受けて身体を投げ出してあやまり許しを乞うことが悔過法要なのでは?これでいいですか?これで春を迎えることができますか?と問い、前に進むための法要ではないかと思うとお話されました。

練行衆は観音様に近づかなければならないので、そのため娑婆と火を別にするのが「別火」で、上司さん自身は、明治時代よりも前に近づくような味わい深さを感じる別火の生活が好きとおっしゃってました。別火の話をしだすと止まらないので、それはまたいつか・・・ということでしたが、その機会がいつかあることを願っています。

お話が盛り上がって、講演も終了間際になって過去帳の話となり、過去帳と青衣の女人についての簡単な説明と、最後に過去帳を詠みあげてくださいました。
修二会に詳しい方ならご存じのことかと思いますが
過去帳は、修二会期間中に2回ある特別な日(5日の実忠忌と12日の水取りの日)にのみ詠みあげられ、読み役は、5日は南座衆之一、12日は北座衆之一と決まっています。参篭5年目の練行衆がいる年は、「新過去」といって5日に読み役を務めます。
余談ですが・・・12日に読み役を務める北座衆之一の役は、平衆のリーダー役で一番カッコいい。ので、衆之一を卒業するときに少々未練があったということもおっしゃってました。

さて、青衣の女人について・・・鎌倉時代のある年、集慶という練行衆が「過去帳」を読み上げていると、薄暗い格子の内に青い衣の女人がすうっと現われて、いかにも恨みがましいそぶりで「など我が名を読み給わぬぞ」と言ったという。女人禁制の浄域のなかに女の人が姿を現わそうなど夢にも思わなかった集慶は、驚いてとっさに「青衣の女人」と読み上げた。すると、その女人はそのまま姿を消してしまったという。それ以来「青衣の女人」は過去帳の中に書き加えられて、現在も読み続けられているという、厳しい行法の中にも心を和ませてくれるようなお話であります。(参考「奈良の昔話」)

ところで「女人禁制の浄域」とありますが、これは決して女性が穢れているということではなく(二月堂内陣には修二会期間以外は女性も入ることができます)、女性が入ると練行衆は違う心になるから、100%の力が120%くらいになってしまうからだとおっしゃってました。(それは普段の力ではなくまさしく「行き過ぎた行為」ということなのでしょう)

そして終了間際に過去帳読みあげを。
「過去帳」に名前のあがっているのは、大仏鋳造の願主であった聖武天皇や光明皇后、大仏建立に力を尽くした行基菩薩や良弁僧正、実忠和尚。東大寺の歴代の別当、練行衆として修二会に参加した人々、再建の大施主であった源頼朝、再建の勧進をした俊乘坊重源など東大寺に対して功労のあった方々や、外部から外護者として功績のあった人々です。
最初の「大炊天皇」までを本掛け、そのあと節が変わってスピードがついて「青衣の女人 別当延杲大僧正」までが中掛け。それから最後までが早掛けで、ものすごいスピードで詠みあげます。
手元の時計で「青衣の女人」までは17分くらいでした。
ここまでは師について一生懸命稽古をして、早掛けからは自分で稽古をするそうです。「青衣の女人」が済むと途中で帰る人が多いので、できれば最後まで残って聴いて下さいとおっしゃってました。
また、過去帳に多くの人の名前が上がっていますが、明治時代以降は参籠した者のみとなっているそうです。

時間を超過してのものすごい濃密なお話をお聞きしました。
ありがとうございました。
この後は、上司永照師同行で二月堂内陣参拝とお話もありでしたが、私は時間の関係でここまでの参加でした。

ところで・・・閉会の挨拶で、上田トクエ30周年実行委員長が、「青衣の女人」というのは、東大寺に心を寄せていた名もなき多くの女性たちを労って詠みあげてくださったのではと、東大寺さんの懐の深さを感じますとおっしゃってました。
時代を経て、その女性たちの一人一人となる私達。上田さんの言葉に成程と共鳴するのでした。
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当日は、同じ「東大寺総合文化センター小ホール」で「篠山紀信 東大寺写真展」が開催中でしたので、そちらもちょっと拝見。

以前にあった写真展とほぼ同じ内容でしたが、この↑お松明の写真のみ新しくなっているということでした。
(会場内写真撮影可でした)(この展覧会は終了しています)
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また同じ館内の「東大寺ミュージアム」では、12/17まで、知足院の「地蔵菩薩立像」と「厨子」が特別公開されています。

2019年11月9日土曜日

奈良公園*紅葉便り

11月8日、立冬。
朝晩は一段と冷え込むようになりましたが、日中は穏やかなお天気が続いています。今年は、秋から冬へと季節が変わっていくような気配はまだ感じられず、紅葉具合も例年よりゆっくりペースのようです。
それでも紅くなった木々もあり、奈良の紅葉便りをちょこっとお届けしたいと思います。
講堂跡↑の桜と、正倉院から大仏殿に続く道のナンキンハゼ↓

講堂跡の百日紅

そして浮雲園地へ。
ナンキンハゼの紅葉が見頃でしょうか。


 吉城川沿いの楓はところどころ紅葉しています。



 大仏池の畔もまだもうちょっと?
気になる紅葉便り、取り急ぎ立冬の日の奈良公園の様子でした。

2019年11月8日金曜日

天皇殿で「白文華厳唯心偈」屏風公開

東大寺南大門を入って東側にある天皇殿で11/10まで特別公開中の
細川護熙元首相奉納「白文華厳唯心偈」屏風を拝見してきました。
門を入って真正面に天皇殿。
その右側には、校倉造りの本坊経庫(国宝)を見ることができます。
今回の特別公開のおかげで、久しぶりに天皇殿の中まで上がって、聖武天皇坐像をお参りさせていただくことができました。
細川護熙元首相奉納「白文華厳唯心偈」屏風は正面の聖武天皇坐像の両側に置かれています。正面以外は写真撮影可ということでした。
この六曲二双の屏風は昨年の10月に奉納されたもので、胡粉をニカワで溶いたもので経文を書き、紙の裏から墨で染め上げた文字は、各区画に5文字ずつ、約100字で華厳経の本質を表しています。
たまたま参拝されている方がほとんどいらっしゃらなくて、ゆっくりとしたひとときを過ごすことができ
天皇殿から見るお庭の清々しい緑や

ところどころ紅葉している木々に目を喜ばすこともできました。
こちらは2009年に一度お参りにうかがったことがある、理源大師像がお祀りされている持仏堂。
そして本坊も見えます。
大仏殿参道の喧騒から一歩中へ入ると、一瞬にして静寂の世界。
ふだんは非公開の天皇殿ですが、このように参拝できる機会があって有難いことでした。
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細川護熙元首相奉納「白文華厳唯心偈」屏風特別公開
会場:東大寺天皇殿
公開日時:11/10まで 9:30~17:00(入堂は16:30まで)
拝観料:500円 / 小学生以下無料
(チケットは東大寺ミュージアム券売所で販売)

2019年11月7日木曜日

「あるくん奈良スタンプラリー」

正倉院展の期間中、まちなかでスタンプを3個集めると奈良の素敵な景品が当たる抽選が1回できる「あるくん奈良スタンプラリー」。
奈良倶楽部も参加していて、宿泊施設はスタンプが2個押されています。お玄関を入ったところにスタンプを押した冊子を置いていますのでご自由にお持ちくださいね。
この冊子、実は奈良の最新のガイドマップとして、お食事処やお土産屋さんなどの情報に大変重宝します。スタンプラリーに参加店舗のみですが、商店街のお店がびっしりと掲載されたページ↓
また今年は万葉集をテーマに取り上げて
奈良市内にある万葉歌碑が載った地図もあり。
冊子を見ながら万葉集の景色を探して歩いてみるのもいいですね。
スタンプラリーは正倉院展終了とともに終わりますが、奈良倶楽部にこの冊子が残っていればお渡しできますのでお声かけてくださいね。

2019年11月6日水曜日

「興福院特別拝観」行ってきました!

今日から始まった「令和記念 興福院特別拝観」。
興福院こんぶいんさんの拝観は電話で要予約となっていますが、実は今まで拝観許可をいただいたことがなく、めったに拝観できないお寺さんという認識があったものですから、約20年ぶりに予約なしで拝観できるこの機会は大変ありがたく、早速お参りに行ってきました。
いつもはここまでしか覗き見ることしかできないので、この中に入れることがとても特別なことのように感じられます。
門の正面に本堂が見えますが、拝観順路は左手の客殿から入ります。
興福院は奈良時代に創建された美しい尼寺で、客殿(重文)のお庭は、小堀遠州作庭と伝わっています。
とにかくお庭を拝見したいという思いがあったのですが
客殿内部の室礼や、渡辺始興筆襖絵(江戸時代・重文)の素晴らしさ
そして、仏前へのお供え物の下に敷く「打敷うちしき」という美しい刺繍が施された敷物の展示に、まず目が釘付けに。
この「打敷」は興福院にたくさん伝わっているそうで、こちらも徳川家ゆかりの方から寄進されたもの。(詳しく言うと、11代将軍 徳川家斉の19男の正妻俊恭院よりの寄進だそうです)
また江戸中期の刺繍を代表する「興福院江戸掛袱紗」の写真展示もありました。徳川幕府から受けていた庇護も明治初年に禄を失い、 明治6 年(1873)に浄土宗 知恩院の所轄となり、今日まで由緒ある尼寺として法灯を保っていると、お寺の由来にありましたが、打敷の素晴らしさや「興福院江戸掛袱紗」の美しさから、奈良の小さなお寺でありながら幕府から大切に庇護されていたことが想像できました。





客殿内部の素晴らしさを堪能して
客殿から遠州好みの庭園を拝見。そして客殿からはこの階段と渡り廊下を伝って、小高い佐保山麓に立つ本堂へ向かいますが
その前に御霊屋(江戸時代)を外から拝見。
御霊屋みたまやは代々の徳川将軍の位牌をお祀りしている霊廟で
こちらからは遠く興福寺の五重塔を望むことができるのでした。
渡り廊下から本堂が見えてきました。
ご本尊の阿弥陀さまは天平時代のもので重文。
とてもとても素晴らしい仏さまでした。
本堂の前には、江戸時代、十代将軍徳川家治寄進の鐘楼。

本堂を拝観した後は、石段を下って出口へと向かいます。
お庭の手入れが少し行き届いていないかなという印象はありましたが、由緒あるお寺の寺宝をたくさん拝観させていただきありがとうございました。
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おまけの画像>>
境内の案内板に野の花が添えられてとても好ましく思いました。

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「令和記念 興福院特別拝観」
拝観期間:11/6(水)~11/8(金)11/22(金)~11/24(日)
拝観時間:9時~16時(受付は15:30まで)
拝観料 :大人 1000 円・中高生 500 円・小学生以下無料