2024年2月20日火曜日

3月のお出かけ情報①〜秘宝秘仏公開

春まだ浅き奈良大和路の寺社特別拝観のご案内です。
奈良への旅のご参考にどうぞ++

◇3/1~3/10 帯解寺秘仏特別公開
安産祈願の古寺で、本尊の地蔵菩薩(重文)はじめ、三面六臂大黒天蔵や虚空蔵菩薩坐像などの秘仏、春日赤童子画像などの仏画が特別公開されます。
問合せ:0742-61-3861

◇3/1~3/14 法華寺「古代ひな人形展」
問合せ:0742-33-2261

◇3/1〜3/15 薬師寺三大障壁画公開
「玄奘三蔵院伽藍 」「食堂」「慈恩殿」
問合せ:0742-33-6001

◇3/1~3/31 大安寺馬頭観音立像特別公開」 
天平時代の秘仏 日本最古の馬頭観音立像を特別開扉。
問合せ:0742-61-6312

◇3/1~4/18 壺阪寺大雛曼荼羅公開
問合せ:0744-52-2016

◇3/1~5/31 不退寺春季特別公開
在原業平画像など寺宝が公開される。
問合せ:0742-22-5278

◇3/1~5/31 安倍文殊院 「春の寺宝展
問合せ:0744-43-0002

◇3/1~7/7 長谷寺本尊大観音尊像」「寺宝」特別公開
問合せ:0744-47-7001

◇3/7 慈眼寺聖観世音菩薩特別公開」(但し祈祷者のみ)
問合せ:0742-26-2936

◇3/8・3/20  浄瑠璃寺国宝三重塔初層開扉日
※好天の日に限ります。
問合せ:0774-76-2390

◇3/12  伝香寺
 「本尊釈迦如来・南無仏二歳像と地蔵菩薩像納入品特別公開
奈良の三大名椿のひとつ散り椿で著名なお寺。 
「はだか地蔵尊」と愛称される地蔵菩薩像(重文)は月曜日以外拝観できます。 
問合せ:0742-22-1120

◇3/16 13:30~15:00 當麻寺中之坊導き観音ご開帳
問合せ:0745-48-2001

◇3/16~3/24  安養寺「阿弥陀如来立像」

◇3/17〜3/23  福智院「宝冠の十一面観音像」
問合せ:0742-22-1358

◇3/17~3/23 興善寺「観経曼陀羅拝観」
問合せ:0742-23-7007(要予約)

◇3/20~4/7 法華寺「国宝十一面観音立像特別開扉」
光明皇后の姿を彫り上げた伝わる平安初期の仏像です。
問合せ:0742-33-2261

◇3/21~5/20 浄瑠璃寺秘仏吉祥天女像特別公開
吉祥天女像厨子の扉絵も一見の価値ありです。
問合せ:0774-76-2390

◇3/23~4/7 海龍王寺十一面観音特別開帳
錐金文様の美しい仏様です。
問合せ:0742-33-5765

◇3/23〜5/6 金峯山寺金剛蔵王大権現特別開帳
問合せ:0746-32-8371
 
◇3/30~5/6 室生寺金堂特別拝観
問合せ:0745-93-2003

2024年2月18日日曜日

二月堂修二会2024「油はかり」

 2/18は修二会で灯明に使用する菜種油の「油はかり」が行われる日。

「百人講」の方によって桶や計量棒が入った箱が運ばれます。
「油はかり」は南出仕口で午前10時過ぎ頃から行われるとありますが、例年(今年も)10時より遅れること20分程して始まりました。
「油はかり」では堂司が正面に座り、処世界、堂童子が立ち会いますが、今年も新入の処世界さんと新堂司さんのお二人が初のお務めとあって、たくさんの方々が見学に来られていました。

「二月堂百人講」の方が桶に灯明油を計量棒で量って流し入れ
それを二月堂常住の真っ黒な油壺に注ぎ込みます。
油壺は3つあり、それぞれ一斗三升、一斗二升、一斗の油を量り納めることになっていて、油が壺に納めれられると封がされ さらに油の量を書いた付け札がそれぞれに付けられ 本行がはじまるまで礼堂に置かれるのだそうです。
堂童子さんが持っている白いものが付け札でしょうか。

「油はかり」は15分ほどで終わり、南出仕口の扉も閉まりました。

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今年もブログでの修二会レポがスタートしました。
仕事との兼ね合いもあるのでどこまでレポできるかわかりませんが、よろしくお付き合いくださいませ。

2024年2月16日金曜日

興福寺「涅槃図」拝観から奈良町~元興寺へ

2月15日。
涅槃会法要には間に合いませんでしたが、午後から興福寺さんへ
特別公開されている涅槃図を拝観に伺いました。

本坊の中に入るのも初めてなので、それもお目当てでしたが
帰り際に温かな甘酒をいただくのも実は楽しみだったのです。 

その後、ギャラリー勇斎さんでの井久保ソノさんの個展に伺い


85歳のソノさんのパワーに元気をもらい、最後は元興寺さんへ。 
興福寺、元興寺は「六社寺共通拝観券」での拝観で、記念の散華をいただきました。 
それにしても、久しぶりに入った興福寺国宝館がすご過ぎました。
ここにいらっしゃる仏様達の素晴らしさに改めてゾクゾクしながら、興福寺の宝は国の宝だと思いました。

2024年2月15日木曜日

奈良で展覧会を見る

先月末に青森まで奈良美智さんの作品を見に行ったのが弾みになって、ここ十日ほどは奈良博、奈良県美、東大寺ミュージアム、春日大社国宝殿・あべのハルカス美術館と、コロナ禍で失われた4年を取り返すかのように猛ダッシュで美術鑑賞・美術館巡りを楽しみました。

簡単にですが、奈良市内で鑑賞した展覧会をご紹介します++

奈良県立美術館「不染 鉄」展(~3/10)   

2017年にも奈良県美で開催されていて、その時いたく感動して書いたブログ記事に、「秋色山村」という作品↓にもう一度再会できればと綴っていました。
今回も一番心惹かれた作品でした。
派手さや知名度があるわけではないのですが、じんわりといいなぁと思える不染さんの絵。2017年の出展作品とほぼ変わらないそうですが、「個人蔵」が増えたのは、前回の作品展の後に画廊から購入された方が多かったそうです。
前回ご覧になった方もまだ見ぬ方もよかったらご覧下さいませ!

◆春日大社国宝殿「貴族の誇り・武士の魂」(~3/31)
かつて貴族や将軍たちから奉納された、春日大社に伝わる最高級の刀剣の数々を、十日会例会の後に千鳥権禰宜の解説で拝見しました。
一点一点詳しい解説付きなので、不案内だった刀剣の世界が急によくわかるようになって有難いことでした。


東大寺ミュージアム二月堂ー修二会を支える法会空間ー」(~3/18)
江戸時代前期に失火により焼失した二月堂。
江戸幕府の援助により素早く再建された現在の二月堂は、焼失前の姿が忠実に再現されています。
再建以後の二月堂について、修二会を支え続けてきた法要空間と修理の歴史の一部を紹介した特集展示です。

写真はチラシより。
江戸時代再建当時の、戸帳を巻き上げるための滑車↑


毎年お水取り(修二会)の時期に合わせて、修二会に関連するものが展示され、修二会について理解を深めてもらうという趣旨で開催されています。
今年は「達陀の出で立ち」をした等身大人形があって、こちらを中田文花さんが詳しい解説付きイラストで紐解いて下さっています。→
袖全体が手先までしっかりと巻きつけてあるのはわかりましたが、松明の炎から守るために袈裟も修多羅も結んであることにまで気が付きませんでした。
これから行かれる方はじっくりと見てみてくださいませ。

奈良国立博物館と東大寺ミュージアムの両方を観覧された方には、二月堂本尊光背をモチーフにした特製散華がプレゼントされます。
早速いただきました!

2024年2月14日水曜日

あべのハルカス美術館「円空」展

あべのハルカス美術館開館10周年記念で開催中の
「円空-旅して、彫って、祈って-」展へ行ってきました。
生涯に12万体の仏像を彫ると誓ったといわれる江戸時代の修験僧・円空。優しい微笑みをたたえた仏像や、迫力のある怒りの相を表した仏像など約160体の円空仏が一堂に会した展覧会。圧巻でした。

若かりし頃の初期の仏像はとても美しく丁寧に作られて、いわゆる「円空仏」とは違うイメージの作品。
修行を重ねるうちにごつごつとした大胆なものに作風が変化し、その過程も辿れて、そして飛騨高山の千光寺の住職と意気投合し、しばし滞在した千光寺に伝わる円空仏の数々。
第4章の展示室のみ写真撮影OKでしたので、一部を紹介します。

「両面宿儺りょうめんすくな坐像」。
両面宿儺は『日本書紀』では朝廷に背き討伐されたとありますが、飛騨や美濃では地域を守った英雄と伝えられています。
写真↑の奥に見えるのは「観音三十三応現身立像」。
千光寺に三十一体が現存します。もともとはもっと多く作られ、近隣の村人が病気のときに借りて、快復を祈ったと言われています。(借りたままのものもあるとか)
「護法神立像」
「賓頭盧尊者坐像」撫でられてこられたのでしょう、表面が艶々と光っているようでした。奥に見える長身の二体も「護法神立像」。

最後の第5章展示室は、円空の最後の10年の作品群。
不動明王像ですら微笑みをたたえたような表情で、優しい慈愛に満ちた表情の仏様ばかりでした。

会場では、円空の和歌や絵も紹介されていて、円空の違った魅力が感じられたりと、円空の人となりが伝わる展覧会でした。

展覧会鑑賞後は、ハルカス17階のカフェでコラボカプチーノ。
奈良では夕日が沈みゆく生駒山。大阪では朝陽が昇る山なんですね。

2024年2月13日火曜日

青森県立美術館「奈良美智」展

日にちが経ってしまいましたが、1月末に
どうしても見たかった、青森県立美術館で開催中の「奈良美智: The Beginning Place ここから」展へ、ちょっと遠いけれど、青森まで思い切って行ってきました。(会期は2/25まで)

雪の中に佇む美術館。
青森滞在中のお天気は悪くなく、以前から積もっていた雪道を歩いたのはこの場所だけ。雪道対応の靴で来てよかったとテンション高く美術館入口まで進んで行きます。(平日でも訪れる人が多く、列をなして進みました)
奈良美智さんの作品は、よくメディアで目にする女の子に惹かれているのですが、実は生で拝見したことがなく、また他の作品にも触れたくて、今回の展覧会を非常に楽しみにしていました。
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最初の展示室のテーマは「家」
愛知県立芸術大学修士課程からドイツへ留学される頃の1980年代の作品が多数展示されています。個人的には今まで知らなかった作品を数多く拝見できとても新鮮でした。



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第二展示室「積層の時空」
展覧会のメインビジュアルになっている作品「Midnight Tears」↑は、一番最新の作品です(2023年制作)。近づいて見ると、絵の具が幾色にも重なって描かれていて、その色の構成も配色もとても美しくて、その場を離れがたい気持ちにさせられます。
2021年制作↑↓
2017年制作↓
年代を追うごとに色の重なりが深くなっているように感じました。
こちら↓は、コロナ禍の台湾で、検疫のためホテルの部屋に待機中に描かれたドローイングの数々。
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第三展示室のテーマは「旅」
鋭い眼差しの女の子。奈良さんの描く怒ったような女の子、不満があったり不貞腐れていたりなのか、世間への強烈なアンチテーゼを持っているのか、でもそれでいて憎めなくて可愛い不思議な魅力のある女の子たち。きっと自分が忘れてしまった反抗心の塊を女の子に感じるからなのかもしれませんが。
等身大より少し大きめの女の子たちのドローイング。
これは2017年夏に北海道の飛生とびうという集落で開催された芸術祭に参加の折に、森で集めた小枝で作った木炭で描かれたもの。子供たちの姿がとても生き生きと描かれています。
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第四展示室「NO WAR」
「反戦」「反核」をメッセージした作品と音楽との関係性をテーマに展示されています。
↑「I DON’T MIND, IF YOU FORGET ME」というインスタレーションの中にはインターネットで募集した奈良作品モチーフのぬいぐるみが入っていて、何だか凄い!としか表現できない語彙力ですが、反戦・反核をテーマに描かれた壁一面のドローイング↓も

「平和の祭壇」↑や「Collection from the Artist's Room」↓
作家の部屋の中のコレクションも
作品は写真撮影OKだったので、とりあえずカメラに収めて後でゆっくり見返せばいいかなと思って、足早に去ってしまった展示室。
もっとじっくり丁寧に見ておけばよかったと思いました。

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最後の第5展示室は ロック喫茶「33 1/3」と小さな共同体
高校時代に店舗の建設作業を手伝い、毎日のように通い詰めたロック喫茶が再現されていて、中にも入れます。
このロック喫茶で育まれたものこそが、奈良さんの創造のはじまりで、「はじまりの場所」だと、展覧会のキューレーター高橋さんの熱意で再現されたそうです。(図録には半世紀も前の店舗を再現していく過程も書いてあって胸アツです)

1970年代真ん中に高校大学時代を過ごした私。京都にもこういう雰囲気のロック喫茶があったと懐かしい思いに駆られてしまいました。

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常設展示室では、関連展示として、奈良美智と棟方志功の作品を交互展示するユニークな試み「奈良美智と棟方志功のあいだ」が開催されていました。

その中でも奈良さんの作品ばかりをカメラに収めてしまいましたが。

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あおもり犬は館内から拝見。
奈良さんの少女と記念撮影(嬉しい!)
撮影OKだったから調子こいてしまいました(笑)

鑑賞されている方達もほとんどの方が撮影されていましたが、何もストレスを感じることなく、会場全体があたたかな空気感に包まれていて、とても楽しかったのです。
作品の撮影についてはそろそろ海外の美術館のように許可の方向を考えていくのもいいのではと思いました。

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こちらはマルク・シャガールの、バレエ「アレコ」の舞台背景画。
青森県美の収蔵は3点なのですが、フィラデルフィア美術館収蔵の第3幕が改修工事のため2017年より長期借用中(2023年3月末の期間が延長で2024年3月まで!)で、全4幕を一堂に拝見でき何ともラッキーでした。

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青森への空の旅
富山市上空から富士山を遠くに望めました。
あまりの美しさに息をのむばかり。

御嶽山↑も青森空港着陸間際の眼下の風景↓も美しい!
行き↑と帰り↓

富士山の気高さといったら、最高過ぎますよね!
そして伊丹空港着陸直前の大阪の街。
空港から青森市内、そして美術館までのバスの本数が少なく余裕を持って早い目のバスに乗ったりで、1泊2日の旅でしたが、美術館しか行ってない、でもそれでよかった青森への旅でした。
そして、現地に誰も知り合いのいない完全な一人旅は16年ぶりで、11月にチケットを取ってからずっとワクワクと楽しい旅の日程でした。
シャレではないですが、すっかり「わたしは、奈良派。」になってしまい、今もブログに綴りながら展覧会を反芻してにやけております。

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最後になりましたが、「*奈良の旅人エッセイ*」の審査員をしていただいた多田みのりさんこと大関さんが書かれた展覧会レポも参照させていただきました。併せてどうぞご覧ください。