2023年5月31日水曜日

6/8~6/11*興福寺で奈良墨体験

奈良の伝統産業、墨。
墨づくりを営む「錦光園」七代目で墨づくり職人の長野睦さんは、「墨の魅力を分かり易く伝える」をテーマに活動&情報発信をしていらっしゃいます。
この度、奈良墨と最もご縁の深い興福寺さんで奈良墨のWSを開催されます。予約不要で見学自由ですので、興福寺参拝の道中に是非お立ち寄りくださいませ。

すみからすみまで墨のおはなし
期間:2023年6月8日(木)~6月11日(日)    
時間:10時~16時(にぎり墨の最終受付は15時50分)
開催場所:興福寺 南円堂休憩所
内容:墨の製造実演と見学、墨の試墨(無料)
   握り墨の製作(有料)、墨の展示・販売など
問合せ: 錦光園(tel:0742-22-3319) 
::
この写真の墨は「おはじき墨」と名付けられた小さな墨。
CFの返礼品として以前にいただいたもので、彫られた図柄が繊細で美しくて勿体なくて使用できずにいますが、時々、桐箱を取り出して墨の匂いを胸いっぱい吸って楽しんでいます。

2023年5月30日火曜日

入梅*お客様との交流も



中庭のユキノシタに可憐で小さな白い花が咲き始めました。
少し飾りたいけれど、雨が強く降って採りにいけない・・・。
 
今週はずっと雨予報で、関西も梅雨入りしたようです。
桜も藤も何もかもが早かった今年、やっぱり梅雨入りも早いようで、ということは、梅雨明けも早くて猛暑の夏も早いのかしら?
天候不順が続くと、長雨や日照りで被害が出ませんようにと、練行衆が唱えられる「風雨順時」という言葉が頭を掠めます。 

入梅の頃になると宿泊の方も落ち着いてきて、今週、来週の奈良倶楽部は少しゆっくりです。
 
昨晩は、卒業から半世紀経っても変わらない奈良に惹かれて時々通ってくださっている、奈良女子大と奈良教育大ご出身の方がそれぞれお泊まりでした。
懐かしいという気持ちだけではない普遍的な魅力を奈良に感じてくださっているようで、お話を聞いていると楽しいです。 

またこの半年ほど、奈良へ移住の為に何度かお泊まりしてくださった方も、いよいよ荷物が入るようで引越し前の最後の夜にお泊まりくださって、「ようこそ奈良へ!またどこかでお見かけしたらお声かけてくださいねー!」とお見送りしました。 

そして、修二会の頃にご紹介した灯芯に興味を持って安堵町の「灯芯引き体験」に参加のお客様も。 
何かのきっかけになるというのは宿屋冥利に尽きること。
心に残る出来事に有難い日々を送らせてもらえて感謝です。

この文章を書いている間にも雨が強くなってきています。明日明後日とご宿泊のお客様、どうぞお気をつけてお越しくださいませ。

2023年5月29日月曜日

6月のお出かけ情報②~前半の伝統行事案内

6月前半の伝統行事のご案内です。
(5/29現在わかっている情報を記載しています)


◆6/1 11:00 大和神社高龗神社例祭
水の神様である高龗たかおおかみ神社の御例祭。
水は商いにも通じ商売繁盛と辰年生まれの出世開運も祈願する。
問合せ:0743-66-0044

◆6/4 13:00 薬師寺「最勝会」
問合せ:0742-33-6001

◆6/4 丹生川上神社中社「水神祭」
全国より水を生業とする多数の崇敬者が参集し
水の神様に感謝、事業の発展、繁栄を祈願する祭
問合せ:0746-42-0032

◆6/4  13:00  弘願寺「歯がため地蔵祭」
問合せ:0746-32-3855

◆6/4 「今里の蛇巻き鍵の蛇巻き
問合せ:0744-33-4560(田原本まちづくり観光振興機構

◆6/5 「シャカシャカ祭り
問合せ:0744-21-1115(橿原市役所観光政策課)

◆6/6 唐招提寺「開山忌舎利会」
問合せ:0742-33-7900

◆6/7 11:00~ 金峯山寺高祖会大法要
問合せ:0746-32-8371

◆6/7 龍泉寺「三宝院門跡花供入峰」
14:00頃 龍泉寺にて柴橙護摩
問合せ:0747-64-0001

◆6/9 安倍文殊院「ウォーナー博士報恩供養会」
問合せ:0744-43-0002

◆6/13 弘仁寺「黄金こがねちまき会式」9:00~
黄金色の紐で結んだ厄除けのちまきを
ご本尊虚空蔵菩薩に供え五穀豊穣を祈願する。
ちまきには家内安全無病息災の功徳があるといわれています。
14:00~ 柴燈大護摩
問合せ:0742-62-9303

◆6/15 14:00 大安寺青葉祭り弘法大師誕生会
弘法大師空海の誕生を祝う法要です。
問合せ: 0742-61-6312 

2023年5月28日日曜日

モザイクランタンづくりのワークショップ

 「奈良きたまち」のイベント『きたまちといろ』。
2023年9/9(土)~9/15(金)の期間で開催決定しています++

今年も、モザイクランタンの明かりがほのかに灯る「きたまち宵灯かり」をきたまちの各所で行います。

そして今年も昨年同様に、これからたくさんのランタンを作っていくのですが、ワークショップで皆様もご一緒にランタン作りのお手伝いをしていただけないでしょうか。


ワークショップでは、ランタンは2個作成でき、お好きな方を1つお持ち帰り。もう1つは「といろランタン」としてイベントで展示させていただきます。
ただいま開催が決定している会場と日時をお知らせしますので、是非ご参加よろしくお願いします。

『モザイクランタンづくりのワークショップ』

◆奈良まほろば館(東京)
開催日:7/2(日) 
時間:1回目 13:00~15:00  
   2回目 17:00~19:00 → 16:30~18:30
参加費:1000円
申込:こちらから→
※1回の参加で持ち帰り用と展示用の2個制作できます。
※私も講師でまいりますのでよろしくお願いします!

◆小さなホテル奈良倶楽部
開催日:6/18(日)、7/9(日)、7/23(日)、8/20(日)
時間:各日 14:00~16:00(開場は13:30から)
参加費:1000円
申込:奈良倶楽部まで☎ 0742-22-3450 /又はこちらから
※ランタンは2個作成でき、1つはご自分のお持ち帰り。
もう1つはイベントで展示させていただきます。

奈良倶楽部のWSでは、お持ち帰りなしで参加費無料の「ランタンづくりボランティア」さんも募集しています!
(お申込みの際にボランティア希望とお知らせください)

またご宿泊中に作ってみたいという方にも対応できればと思っていますので、お気軽にお申し出ください。
どうぞよろしくお願いします。

2023年5月27日土曜日

6月のお出かけ情報①~特別公開ご案内

6月に行われる特別公開のご案内です。


<<公開中の秘宝秘仏や特別公開は・・・>>

◇〜6/10 法華寺国史跡名勝庭園特別公開
問合せ:0742-33-2261

◇~6/26 岡寺 「本堂内々陣お扉特別開扉
問合せ:0744-54-2007

◇~7/2  室生寺金堂特別拝観
問合せ:0745-93-2003

◇~7/2 壷阪寺 
二大塔同時開扉」「壷阪観音お身拭い特別参拝
問合せ:0744-52-2016

◇~7/9 長谷寺本尊大観音尊像
問合せ:0744-47-7001

◇〜8/31 おふさ観音秘宝生き人形特別公開
問合せ:0744-22-2212
問合せ:0743-53-5023

◇~2024年1/15 薬師寺東塔・西塔特別公開
問合せ:0742-33-6001

<<今月から始まる特別公開は・・・>>
◇6/1〜6/15 東明寺「薬師瑠璃光如来坐像」特別開帳 
問合せ:0743-52-7320

◇6/1〜6/30 矢田寺「地蔵菩薩立像」 
◇6/1〜6/30 矢田寺 「 閻魔堂」開扉 
問合せ:0743-52-3871
※今年のアジサイ園の開園期間は5/27~7/2です。

◇6/1〜7/31 談山神社秘仏談峯如意輪観音」8:30~16:30
談山神社に残る唯一の仏像。
問合せ:0744-49-0001 

◇6/1~7/31 當麻寺中之坊「弘法大師二所明神ご開帳」
問合せ:0745-48-2001

◇6/1〜8/31 安倍文殊院金閣浮御堂 夏の寺宝展」9:00~17:00
問合せ:0744-43-0002

◇6/3~6/7 唐招提寺御影堂・鑑真和上坐像特別公開
問合せ:0742-33-7900
※今年は鑑真大和上来朝1270年であり円寂からは1260年にあたるため、御影堂開扉期間が5日間になります。
※個人は予約不可、当日配布の整理券(1時間に150枚)で入場
・6/3(土) 9時~16時
・6/4(日) 9時~16時
・6/5(月)10時~16時(9時からは献茶式出席の方のみ)
・6/6(火) 9時~16時(法要のため14時~15時は人数制限あり)
・6/7(水) 9時~16時
※特別拝観料 大人1000円/中高生400円/小学生300円 (別途要入山料)

◇6/5~6/10  法華寺国宝十一面観音像特別開扉」8:30~16:30
問合せ:0742-33-2261

◇6/6 9:30~16:30 秋篠寺「大元帥明王像特別開扉」
問合せ: 0742-45-4600
※今年の変更点
・御朱印は無し・お香水授与は有り・当日のみ拝観料1000円


◇6/6 9:30~16:30 常光寺「歓喜天」特別開扉 
問合せ:0742-45-3272

◇6/8 浄瑠璃寺「三重塔 薬師如来坐像特別公開」
問合せ:0774-76-2390

◇6/15〜8/16 喜光寺宇賀神特別開帳」9:00~16:00
問合せ:0742-45-4630 

◇6/16 當麻寺中之坊「導き観音」特別開帳13:30~15:00
問合せ:0745-48-2001



2023年5月24日水曜日

「興福寺」東金堂と中金堂の拝観について

興福寺五重塔の保存修理がいよいよ7月から始まるようで、まずは素屋根の建設工事が行われます。
それに伴い、東金堂と駐車場との間に迂回路を作り、その前作業として東金堂拝観受付の移設作業が行われます。

そのため、6/12(月)より東金堂は閉堂されて拝観できなくなり
かわりに期間中の6/17(土)より中金堂が開扉されます。
※興福寺「友の会」会員の方は、東金堂閉扉期間中、「友の会」会員証で中金堂を無料拝観できます。
※詳しくは興福寺公式サイトのこちらをご覧ください。

2023年5月22日月曜日

「修二会の声明公演」@東京

5/13に行われた大阪での公演に続いて、5/20は東京の国立劇場で『東大寺開山良弁僧正 千二百五十年御遠忌記念「東大寺 修二会の声明」 特別公演』が開催されました。
プログラムの内容は東京と大阪では少し違って、東京では午前と午後の二部構成(入替制)で半夜の悔過作法が入ります。半夜の時導師は清水師、五体は平岡師。その他の時の配役は大阪と同じでした。

舞台が始まる導入部分も違っていて、東京では舞台に下ろされたスクリーンに、初夜上堂のお松明が登廊を上がっていき、お松明に導かれた練行衆が二月堂に入堂するまでの様子が動画で映し出されます。
普段、私たちがお松明を見る位置からの始まりで心憎い演出でした。

また、大阪では観客の見る位置が、休憩を挟んで前半は東の局から、後半は西の局からでしたが、東京では何度か途中で舞台が廻り、見せ場・見せ場でいい演出を見せてくださいました。→初夜の五体の途中で舞台が廻り、佐保山師の五体投地を拝見することができたのです。

以前に局で拝見した佐保山師の五体が大変美しいという印象を持っていたので、もう一度しっかりと拝見できたのは有難いことでした。その時は滞空時間が長いという印象を持ちましたが、今回よく見ていると、上げ足を高く高く水平に上げてそのまま停止し、その時間が長くて軸足がぶれない、そしてすっと身体を落として五体板に打ちつける・・・練行衆の所作の感想を述べるような立場ではありませんが、大阪で拝見叶わなかったものが回り舞台のおかげで目にすることができ、心の中で拍手でした。(ただ、半夜・後夜・晨朝の五体の時は舞台は回らず、観客からは見えませんでしたが)

今回の公演では、局からは見えにくい場面などがしっかり見ることができるために、大阪で見落としてしまった場面を東京で確認しようと、オペラグラス持参で気合を入れての鑑賞、まさに「ガン見」をしておりました。

その確認したかった場面は、初夜と後夜で堂司が華籠けこを配る時の様子で、初夜では後ろ向きに座って渡す。下座の二人には両手を使って同時に渡す。その時の手は「伏せ手」。後夜では立ったまま一人ずつに配る。・・・という場面です。

この華籠は大導師と時導師には配られませんが、配られない時導師になる人も受け手をして、大阪公演ではその手をくしゅくしゅとしている様子を目にしたのです。
これはお作法なのかどうなんだろうと帰宅後に調べても本には載ってなくて、ひょっとしてこれは「え?私にはないの?」「え?次の時導師なの?」というような時導師になる人のユーモアなのかなと思ったり。(実際そのようなニュアンスを感じたのです)
その場面が東京でもあるかしらとちょっと期待していたのですが、私の席からはその場面は見えませんでした。

もう一つ、神名帳読みあげ中に処世界が何かをもって大導師のところに行って手洗いを願う場面での、「何か」(ひとつまみのハゼを懐紙に包むところ)もはっきりと見ることができました。

大阪公演でも感心したのですが、堂司は細々とした所作が多く、まさに法会全般に気を配る進行役なのだとあらためて思いました。

座席の位置によって今回初めて知った場面もあります。
「咒師作法」で咒師が自席を立った時に、衆之一が咒師の席に座って何か手引きのようなものに目を通している場面・・・後ほど修二会に詳しい方に教えていただきましたが、この時の衆之一は咒師の補佐だそうで、そのために手引きを咒師の席で見ながら確認しているらしいのです。

・・・・こんなふうに、見ることばかりに集中していた訳ですが、それでも大阪公演で初めて見たときよりは余裕もあるので、耳からのお声明も集中して拝聴することができました。

称名悔過の時導師とガワの掛け合いに、ガワの下座の若い方たちの数珠を揉み上がる時の腕が高くまっすぐに上がる様子にも、練行衆の皆さんが心を一つにして祈ることの力を感じます。
あと、個人的には大呪願のフシにも惹きこまれます。

大導師の唱える諷誦文では(記憶が不確かで間違っているかもしれませんが)、ロシアのウクライナ侵攻を憂える文言の前に、ネット上でのデマなどに触れられたような・・・今年の大導師さんらしい一文を耳にしました。

長時間に及ぶ行法も後夜から晨朝へ・・・
3月の本行14日間に加えて、5月の大阪・東京の2公演は単なる公演ではなく、ここにきていつの間にか二月堂の局で聴聞している気持ちになって、これでいよいよ今年の修二会も終わるのかと、とても寂しく名残惜しい気持になって不思議でした。

局で聴聞しているときは「粥食咒願」の声と共に、練行衆の下堂を見るために外に出るので、会場の座席で最後まで聴聞できて有難いことでした。

橋村別当の始まりのご挨拶で、修二会は悔過法要であり「祈る」ことについて触れておられましたが、大阪東京と2回に渡って修二会の構成に触れ、祈りの法会・修二会の入り口に立つことができたような気がします。公演の開催に心から感謝申し上げます。

最後になりましたが、会場では奈良倶楽部のお客様方や二月堂でお会いする方々にもたくさんお目にかかることができ嬉しかったです。ありがとうございました。

(このブログの文章は、自分が見ることができた場面についてのあくまでも個人的な感想です。長文にお付き合いいただきありがとうございました。)

2023年5月18日木曜日

二月堂お参り

5月18日
二月堂の観音寺役法要の日。
ここしばらく二月堂さんにゆっくりお詣りする余裕のない日々を過ごしていますが、明後日の東京公演を前に、気持ちを静めたい思いもあってお参りに伺いました。


ちょうど今の季節は遠敷社前の定家葛が満開です。
法要が終わるころ、二月堂職員さんによって内陣正面に掛けてある緞帳(のようなもの)を外して、開けてあった内陣の扉を閉められるとき、閉め終わる直前に、一瞬でしたがふっと内陣から風が吹いたような気配を感じて、扉が閉まってまた緞帳をかけられるまでの動作の中で、お詣りさせていただけてありがとうございますという気持ちに満たされる・・・そんなひとときがありました。
二月堂から山手観音堂に向かわれる僧侶の皆様と定家葛と。
帰り道の裏参道、柿の花が咲いていました。
::
先週の大阪公演では、局からは見えないところを見せていただけて、未だに興奮冷めやらず、せっかく拝見できた所作を復習しようと、「修二会の構成と所作」をしっかり読み直しております。
本からもっと詳しく知って、東京ではここはしっかり見て確認しようとオペラグラスまで購入して十分すぎるくらい気合が入っているのですが、あまりに目からの情報が大きすぎて、肝心のお声明がどこかにいってしまったような印象で(修二会期間中、局で聴聞しているときは見えないから耳から入って来る声明がずっと脳内リフレインするくらいだったのに・・・とあくまでも個人の感想です)、予習復習も大事だけれど、お声明に浸ることも忘れないようにしなくてはと、頭を冷やし心を静めるために二月堂に伺ったのでした。
でもそんなことを言っても、こんなに見える機会は二度とないでしょう。しっかり鑑賞して堪能してこようと思います。
東京公演で見かけてくださったらお声かけてくださいね。

2023年5月16日火曜日

「指図堂」落慶後のお披露目に

法然上人二十五霊場第十一番「東大寺指図堂
昨年1月より修理工事が行われていましたが、昨日落慶を迎え、本日よりお披露目となりました。

ご案内をいただきましたので早速お参りに伺いました。
(撮影は許可を得ています)
以前は週末のみ開けておられましたが、今はいつでも拝観可能(季節によって変わるかもしれませんが拝観時間は8:30~16:00、拝観無料)で、お堂の横の写経場では予約なしにお写経もできます。
写経場やお茶室も見学させていただきました。

茶室「遣迎庵けんごうあん
かつてここに「遣迎庵」とよばれる茶室があったそうで、その古材を使って新たな茶室がつくられました。
上の写真↑の奥に見える赤色の腰張には修二会の造花に用いる紅花染の和紙が利用されています。そして畳の下には保管されていた大仏殿の屋根下地材が再利用されているということです。

写経場や茶室から大仏殿を望むお庭が素晴らしかったです。
こんな風に見える大仏殿。今まで見たことがないので新鮮です。
驚いたのは、点在する庭石のほどんどが礎石のようで、たくさんの伽藍石を見るとつい東大寺の長い歴史に想いを馳せてしまいます。
お庭には東大寺ゆかりの草木たちが植えられていて、上の写真の手前の大きな礎石の横には糊こぼし。知足院のナラノヤエザクラも植えられているそうで来年の春が楽しみです。

中田文花さん制作の指図堂修理落慶法要の記念散華。
特別御朱印もいただきました。
::
帰り道に戒壇院の方へ回って栴檀の花
戒壇院の修理も少しずつ進んでいるようです。
(工事の覆いが少し取れてきているような気がしますが・・・)
三面僧坊北側の資材置き場でも栴檀の花が芳香を放っていました。
正倉院北側の塀の中には定家葛も見られます。
栴檀の花や定家葛が咲くころに飛ぶ柳絮りゅうじょ
Instagramに今年も動画をあげています→

2023年5月13日土曜日

「修二会の声明」公演@大阪

東大寺開山良弁僧正 千二百五十年御遠忌記念「東大寺 修二会の声明」
特別公演が今月13日と20日に大阪と東京で開催されます。

まずは今日の大阪フェスティバルホールでの公演の様子を、自分用メモとして記しておきます。・・・中には、間違っている部分もあるかもしれませんし、今更ながら知らなかったこともたくさんあって、見るもの聞くものが新鮮に感じた、あくまで私個人の記録です・・・

最初に橋村別当のご挨拶
このように舞台で声明公演をするのは14年ぶりで、声明公演という形を取っているが、観音様の前で祈り称えるという気持ちを持って臨んでいる。行法の一端を知っていただけるような構成になっている。
絶対秘仏の観音様を実際に拝したことはなくても、声明の言葉の中に観音様のお顔やお姿を称えているところがあるので、日々唱えていると自分の心の中に観音様を思い描くことができる・・・というようなことをお話されていました。

そして幕が上がって、舞台には二月堂の内陣。
それも観客は東の局から見るような構成で、小観音さんの御輿が正面に、戸帳が向こうの方に見えるのです。須弥壇の四角は椿の造花で荘厳され(でもお壇供はなく)、向かって右が北座、左が南座で、中にいらっしゃる練行衆が正面によく見えて有難いような畏れ多いような、でも一挙手一投足も見逃すまいとかぶりつきで見てしまうという不思議な体験でした。

本日の次第です。
前半は「初夜の悔過作法」「初夜の大導師作法」
初夜の時導師は北二・平岡師、五体は衆之一・佐保山師(佐保山師の五体は戸帳の向こうで拝見叶わず)、神名帳は南衆・中田師。
これで2時間超、この後25分の休憩が入って後半は
「走り」「後夜の悔過作法」「後夜の大導師作法「後夜の咒師作法」「晨朝の悔過作法」と、合計4時間半の長丁場でしたが、ずっと惹きこまれるように夢中で拝見拝聴した楽しい時間でした。
後夜時導師は衆之一・佐保山師、五体は処世界・上司永観師。
晨朝時導師は権処・望月師、五体は南二・北河原師。

練行衆は今年の修二会とほぼ同じ構成ですが、南二の狭川師が北河原師に変わっています。

舞台装置が秀逸で、前半は東から見た様子、後半は西の正面が客席に向かって、観客は西の局から拝見しているようになっていて、「走り」の堂童子による戸帳巻き上げもしっかり見ることができます。

個人的に印象に残ったところは
・入堂作法の四股を踏みながらの様子や、平衆の法華経の読経はコロナ前でも拝見できない時間帯だったのが拝見できたこと。
・練行衆同士、一礼される場面が多くお作法が美しい。
・初夜法華経読経は南座でされ終わると北座の練行衆は北へ戻る。
・神名帳読役が南座の人の場合、すっと北座に移って読みあげる。
・神名帳読みあげ前に神灯で火を灯して内陣がとても明るくなる。
・本物の火、炎、煙!これはすごかった。
・北座東寄りに位置する堂司の動きがとてもよくわかり、堂司は何かと一番忙しいということを改めて知る。
・華籠配りの時、練行衆は手の平に載せてもらえるように手を差し出しているところは、今まで局から見えてなかったので、このような所作なのだとあらためて知る。その時、次の時導師になる人と大導師は華籠を持たないのだが手は出している。
・神名帳読みあげ中に処世界が何かをもって大導師のところに行くという場面、これは処世界が大導師に手洗いを願う所作だそうで、しっかり見ることができた。
・走りがあって、過去帳や小観音出御や後入がなく、小観音の御輿は東側にあるという設定から上七日6日の舞台ではないかと思いました。

・・・・と、帰宅して思い出しながらメモ代わりに記しています。
他にももっと出てくるかもしれませんが取り急ぎここまで。

最後になりましたが
局ではここまで見ること知ることができないことを、見ることができ、貴重な体験をさせていただき感謝でいっぱいです。東大寺さま始め関係各位の皆さま、どうもありがとうございました。

参考までにこちらに本日の様子が取り上げられています→ 

2023年5月12日金曜日

春日大社「献茶祭」

5月10日 春日大社「献茶祭」

神前に茶を奉納する「献茶祭」は、表千家(不審庵)、裏千家(今日庵)、武者小路千家(官休庵)の三千家家元が毎年交代でご奉仕します。4年ぶり開催の今年は表千家お家元によるご奉仕で、私は初めてでしたが「十日会」会員として参列させていただきました。
献茶式は撮影するのも憚れるので、始まるまでの様子ですが。
連子窓の緑色にお社の本朱色。
新緑から若葉の季節は木々の緑にみかんこの装束が映えて美しく、春日大社にお参りすると、いつも奈良の枕詞である「青丹よし」という言葉が浮かんできます。
(献茶祭の様子はYouTubeで配信されています
巫女神楽を拝見の後は、表千家一門による拝服席へ向かいました。

景雲殿、桂昌殿、感謝共生の館での三席。


それぞれにお菓子も美味しく、お花も美しく、それにもまして境内の隅々までもが清浄で清らかで美しく、大変気持ちのいい有難い一日となりました。

2023年5月9日火曜日

雨上がりの散歩道

連休明けの5月8日、朝のお散歩。

昨晩は奈良市内に大雨警報も出て、一日中降り続いた雨で大仏池も水量が増していました。
たっぷりの水分を含んで木々の緑も鮮やか。
時々強い風が吹いて大仏殿の風鐸が鳴る音もよく聞こえます。

大仏池の大銀杏もすっかり若葉になっています。

公慶道そばの小川も水が溢れんばかり。
裏参道のヤマボウシが満開に。
二月堂供田そばの桑の実はまだもう少し。
大湯屋の柳絮もまだ早かったようです。
青紅葉に赤い種
裏参道沿いの塔頭の蓮もスタンバイOKのようです。

二月堂鬼子母神前の柘榴の花
綺麗なオレンジ色の花はいつも6月頃に咲くように思ってましたが、やはり柘榴も早いですね。

柘榴の木の陰からココちゃん。
可愛いから2枚写真をあげておこう。
今日も犬の散歩がてらの東大寺境内。
ワンコ連れでもあったので、二月堂の舞台には上がらず鬼子母神さんのところから遥拝しました。