2023年5月13日土曜日

「修二会の声明」公演@大阪

東大寺開山良弁僧正 千二百五十年御遠忌記念「東大寺 修二会の声明」
特別公演が今月13日と20日に大阪と東京で開催されます。

まずは今日の大阪フェスティバルホールでの公演の様子を、自分用メモとして記しておきます。・・・中には、間違っている部分もあるかもしれませんし、今更ながら知らなかったこともたくさんあって、見るもの聞くものが新鮮に感じた、あくまで私個人の記録です・・・

最初に橋村別当のご挨拶
このように舞台で声明公演をするのは14年ぶりで、声明公演という形を取っているが、観音様の前で祈り称えるという気持ちを持って臨んでいる。行法の一端を知っていただけるような構成になっている。
絶対秘仏の観音様を実際に拝したことはなくても、声明の言葉の中に観音様のお顔やお姿を称えているところがあるので、日々唱えていると自分の心の中に観音様を思い描くことができる・・・というようなことをお話されていました。

そして幕が上がって、舞台には二月堂の内陣。
それも観客は東の局から見るような構成で、小観音さんの御輿が正面に、戸帳が向こうの方に見えるのです。須弥壇の四角は椿の造花で荘厳され(でもお壇供はなく)、向かって右が北座、左が南座で、中にいらっしゃる練行衆が正面によく見えて有難いような畏れ多いような、でも一挙手一投足も見逃すまいとかぶりつきで見てしまうという不思議な体験でした。

本日の次第です。
前半は「初夜の悔過作法」「初夜の大導師作法」
初夜の時導師は北二・平岡師、五体は衆之一・佐保山師(佐保山師の五体は戸帳の向こうで拝見叶わず)、神名帳は南衆・中田師。
これで2時間超、この後25分の休憩が入って後半は
「走り」「後夜の悔過作法」「後夜の大導師作法「後夜の咒師作法」「晨朝の悔過作法」と、合計4時間半の長丁場でしたが、ずっと惹きこまれるように夢中で拝見拝聴した楽しい時間でした。
後夜時導師は衆之一・佐保山師、五体は処世界・上司永観師。
晨朝時導師は権処・望月師、五体は南二・北河原師。

練行衆は今年の修二会とほぼ同じ構成ですが、南二の狭川師が北河原師に変わっています。

舞台装置が秀逸で、前半は東から見た様子、後半は西の正面が客席に向かって、観客は西の局から拝見しているようになっていて、「走り」の堂童子による戸帳巻き上げもしっかり見ることができます。

個人的に印象に残ったところは
・入堂作法の四股を踏みながらの様子や、平衆の法華経の読経はコロナ前でも拝見できない時間帯だったのが拝見できたこと。
・練行衆同士、一礼される場面が多くお作法が美しい。
・初夜法華経読経は南座でされ終わると北座の練行衆は北へ戻る。
・神名帳読役が南座の人の場合、すっと北座に移って読みあげる。
・神名帳読みあげ前に神灯で火を灯して内陣がとても明るくなる。
・本物の火、炎、煙!これはすごかった。
・北座東寄りに位置する堂司の動きがとてもよくわかり、堂司は何かと一番忙しいということを改めて知る。
・華籠配りの時、練行衆は手の平に載せてもらえるように手を差し出しているところは、今まで局から見えてなかったので、このような所作なのだとあらためて知る。その時、次の時導師になる人と大導師は華籠を持たないのだが手は出している。
・神名帳読みあげ中に処世界が何かをもって大導師のところに行くという場面、これは処世界が大導師に手洗いを願う所作だそうで、しっかり見ることができた。
・走りがあって、過去帳や小観音出御や後入がなく、小観音の御輿は東側にあるという設定から上七日6日の舞台ではないかと思いました。

・・・・と、帰宅して思い出しながらメモ代わりに記しています。
他にももっと出てくるかもしれませんが取り急ぎここまで。

最後になりましたが
局ではここまで見ること知ることができないことを、見ることができ、貴重な体験をさせていただき感謝でいっぱいです。東大寺さま始め関係各位の皆さま、どうもありがとうございました。

参考までにこちらに本日の様子が取り上げられています→