2024年12月31日火曜日

2024年*今年もありがとうございました!

今年を振り返ってどのような一年だったのかと、ふと思う年の瀬のひとときが好きです。
主に仕事関連で感じたことはブログに言葉で残しておくようにして、しばらくしてそれを読み返してまた初心に戻り謙虚な気持ちになることもあり・・・。

本当に今年も感謝ばかりの一年でした。
3月には「奈良倶楽部開業35周年」という節目を無事に迎えることができ、そしてその後も自分たちの年齢に見合った働き方をしながら、奈良を旅するお客様方をお迎えして、元気にご出発されるようお見送りさせていただくという宿屋のなりわいを、心から楽しみできたことは大きな励みになっています。

これもご宿泊のお客様方に、あたたかな心を寄せていただけたからこそと、感謝申し上げます。

天候の厳しい一年でもありました。
長く続く猛暑に、美しい紅葉を諦めていた今年の秋。
でも色づき始めが遅かっただけで、いつも以上の美しい彩りを見せてくれた木々。あまり期待していなかった分、それはそれは心に沁みていくような美しさで、どのようなことが起こっても季節は巡り、その季節の恵みはわけへだてなく天から贈られてくるのではと思えたのでした。

今年も残りわずか・・・
最後になりましたが、今年一年、奈良倶楽部にご宿泊いただきました皆さま、そしてブログをご愛読下さっている皆さま、奈良倶楽部に、奈良に想いを馳せていただきどうもありがとうございました。
たくさんの感謝と共に・・・
新しい年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年12月29日日曜日

井上博道写真集「東大寺」

 1989年発刊の井上博道写真集「東大寺」






約5年かけて、東大寺の年中行事や寺役などをドキュメンタリータッチで撮影した写真集。何よりも、一般には見られないものや、アングルなど、博道先生ならではの東大寺への愛が詰まった写真集です。
司馬遼太郎、狭川宗玄、森本公誠、平岡定海、筒井寛秀、橋本聖圓、堀池春峰・・・等々のそうそうたる方々が寄文されていて、読み応えもあります。

東大寺の年中行事も1月から順を追って紹介されているのがわかりやすく、40年程前の写真に写っているこの方あの方は・・・??と、想像を巡らすのも楽しいです。

今となっては入手困難のこの写真集
実は期間限定でお借りしています。

いつも、修二会でお世話になっているご夫妻より、春頃まで「奈良倶楽部のお客様方にもご覧いただいて下さい」と、先日お持ち下さったのです。閲覧希望の方はどうぞお申し出くださいませ。
よろしくお願いいたします。

2024年12月27日金曜日

1月のお出かけ情報②~寺社新春行事

奈良県内の寺社で行われる越年行事やお正月の伝統行事など、奈良倶楽部にご宿泊のお客様にお奨めしやすいところをご案内致します。

同じ寺社での行事はまとめて紹介しています。

春日大社「初詣」
・1/1  5:00 歳旦祭 摂末社巡拝
・1/2 10:00〜「日供始式並興福寺貫首社参式
・1/3 11:00〜「神楽始式
・1/7 10:00~「御祈祷始式

東大寺大仏殿無料拝観
・1/1 0:00~8:00
大仏殿中門を開扉。鏡池付近では「とんど」
中門内側大仏殿参道両側の水路では篝火が焚かれます。

◇東大寺二月堂「観音経読経」
・1/1 0:00
二月堂表参道石灯籠に灯が入ります(一部通行禁止区域有り)
またこの時から3日間、二月堂内では万灯明を灯しています。
・1/3と1/5 10:00~ 「大般若法要」
       11:00~14:00 二月堂北の茶所にて「坊雑」実施

興福寺
・1/1~1/3  14:00~ 不動堂にて「新春護摩祈祷」
・1/1~1/7 中金堂安置「厨子入り木造吉祥天倚像」ご開帳

護国神社「御火焚祭」
・12/31 から1/3まで
除夜祭の後、浄暗の中、県下一の「大とんど」に点火( 23:45点火)
・1/1 7:00~歳旦祭
・1/3 11:00〜新春祈願祭

大安寺除夜の竹明り
・1/1  0:00~2:00
・1/1~1/3 9:00~16:00「修正会

元興寺
・1/1   9:00~ 新春祈願

唐招提寺修正会
・1/1 0:00~ 修正会(0~2時まで境内開放)
・1/3 18:00~ 修正会護摩供 餅談義

薬師寺修正会 吉祥悔過法要
・1/1 0時~「修正会」
国宝・吉祥天女画像を本尊として金堂にお祀りし、一年の吉祥招福などを祈願する法要。
・1/1~1/3 奈良時代から伝わる国宝・吉祥天女画像をご本尊に
・1/4~1/15 平成本・吉祥天女画像をご本尊に
・1/1~1/3 13:00~「修正会」日中法要

霊山寺修正会
・1/1 0:00~4:00(奥の院、本堂、弁天堂)17:00~(本堂)
・1/2・1/3 17:00~(本堂)
・1/1~1/3 10:00~16:00「本堂薬師三尊の特別開扉
・1/7 11:00~/14:00~ 「初弁天法会

帯解寺「修正会」
・1/1 0:30~2:00(本堂内は僧侶のみ入堂)

率川神社御神火拝戴祭
・1/1 0:45~
本社・大神神社の繞道祭の御神火を受けて大松明に点火。
火縄に移して家庭に持ち帰り新年の火種にしていただきます。

大神神社繞道祭にょうどうさい
・1/1 1:00~
拝殿奥・ご神体山三輪山でご神火が切り出され(0:00)
灯篭から大松明と火が移され
三輪山麓の摂社末社18社を大松明を担いで巡拝する。

石上神宮
・1/1 0:00〜「新春初太鼓 神火祭
・1/1 5:00〜「歳旦祭」

信貴山朝護孫子寺
・1/1〜1/3 17:00〜本堂にて「修正会
一山総出仕により、うるしの木を打つ行事はダイナミックです。
特に3日の修正会終了後、参拝者に対し、除災招福を祈願して牛王宝印が額に授けられます。
・1/9  4:00~ 初寅大法要
・1/12  11:00~  新年巳の日大法要

宝山寺初聖天
・1/1〜1/3 福財布の授与
・1/1〜1/15 午前中〜14:00 新年特別祈祷会

松尾寺 「厄除祈祷
・1/1のご祈祷は、0:00~2:00  9:00~16:00
・1/2~1/31は、9:00~16:00での受付となります。
※期間中、松尾山七福神開扉 大黒天念持仏公開
・1/3 10:00~歳旦祭(松尾山神社にて)

長谷寺 「観音万燈会 」
本堂、登廊に明かりが灯ります。
・12/31 19:00〜 1/1 5:00
・1/1~1/3は17:00~20:00
・1/1 0時~除夜の鐘とともに本尊開帳法要
・1/1~1/5  9:30~15:30「新春大観音特別拝観」
正月三が日は入山・駐車無料(12/31 16:30~1/3夕方)
・1/1~1/7  10:00~ 仁王会 /  14:00~ 修正会

法隆寺舎利講
・1/1~1/3 13:00~14:00

聖林寺新春特別公開
・1/1 ~1/3 「秘仏宝蔵天・秘仏弁財天特別開扉」

橿原神宮 「新春行事
・1/1 0:00 初太鼓 6:00 歳旦祭(参列可)
・1/2 10:00~長山稲荷社歳旦祭
・1/3 10:00~ 元始祭
・1/1~1/7 9:00~日没 開運招福健康延寿新春初神楽祈祷

大和神社 「新春行事
・1/1 2:30~「歳旦祭」
・1/1 14:00~「御神楽祭」
・1/3 10:00~「元始祭」
・1/4 13:00~ 「御弓始祭」

談山神社「新春行事」
・1/1 9:00「元旦祭」
・1/2 9:00「初日供」
・1/3 9:00「元始祭」
※1/1~1/3 10:00~にゅうめんのふるまい有り(100食)

金峯山寺蔵王堂「新春行事
・1/1 0:00~ 蔵王堂内で初護摩供 
・1/1~1/3 11:00~ 修正会 

正暦寺修正会
・1/3~1/5 13:00~16:00
年頭祈願、五穀豊穣を祈る薬師悔過法要。
正暦寺に古くから伝わる独特の声明によって法要を勤修。

◇1/5 10:30~ 率川神社阿波神社「初戎祭
奈良市内最古の夷さま。吉兆福笹授与。
(1/4 15:00 宵戎祭)

◇1/5 7:00~ 南市恵毘須神社「初戎 」

◇1/7  10:00~ 春日大社御祈祷始式

◇1/7 13:00~ 東大寺大仏殿 修正会

2024年12月26日木曜日

1月のお出かけ情報①~秘宝秘仏公開

 

◇1/1~1/3 10:00~16:00 
  霊山寺薬師三尊特別公開
かや材一木造りで62cmの薬師如来が公開。
脇侍の日光・月光菩薩の光背には十二神将が描かれている。

◇1/1~1/3 9:00~17:00 慈光院鳴き龍 本堂絵天井特別公開

◇1/1~1/3  9:00~16:00 聖林寺秘仏・宝蔵天、弁財天特別開扉

◇1/1~1/3  薬師寺休ヶ岡八幡宮「八幡垂迹曼荼羅」
◇1/1~1/3 薬師寺金堂「国宝・吉祥天女画像特別公開
◇1/4~1/15 薬師寺金堂「平成の吉祥天女像」が公開
◇1/1~1/15  薬師寺東院堂「巳年にちなむ特別公開」
      (弁財天湧出像・宇賀神像)
◇1/1~1/5 薬師寺「東塔・西塔特別開扉」
問合せ:0742-33-6001
◇1/1~1/12 信貴山朝護孫子寺中秘仏毘沙門天王像御開帳

◇1/1~1/15 9:00~16:00 喜光寺宇賀神特別開帳

◇1/1~1/15  9:00~16:00 岩船寺秘仏特別公開

◇1/1~1/15 10:00~16:00 浄瑠璃寺秘仏吉祥天女像特別開扉
1/1~1/31/8~1/10  10:00~16:00 浄瑠璃寺「三重塔特別開扉」
◇1/8~1/10  10:00~16:00  浄瑠璃寺・灌頂堂「大日如来坐像

◇1/1~1/31 松尾寺松尾山七福神開扉」「大黒天念持仏公開
1/1は0:00~2:00と9:00~16:00 
1/2~1/31は9:00~16:00

◇1/1~1/31 9:00~16:30 石光寺弥勒堂開帳
※1/1は正午から

◇1/1~2/3 9:00~17:00 當麻寺中之坊新春福宝展
南都絵師・琳賢による美しい「弁財天十五童子図」や
「布袋尊百童子屏風」などが特別公開。
尚、當麻寺の金堂および講堂では正月に修正会が厳修されます。
秘仏の牛王像が祀られる期間は一般の入堂できないため、拝観ができません。拝観不可の期間は以下の通りです。
・金堂:1/1~1/3拝観不可
・講堂:1/4~1/5拝観不可

◇1/15~2/4 9:00~16:30 西大寺 「愛染明王/聚宝館」特別公開

2024年12月25日水曜日

12月のお出かけ情報③~大晦日の行事

 大晦日から新年の行事のご案内ですが、ブログでは奈良倶楽部ご宿泊のお客様が出かけやすいところの寺院の情報を主にまとめています。

「年越大祓式」
春日大社 15:00~ 祓戸神社前
当日は「大祓詞を唱える会」も開催されます→12:00~15:30

「除夜の鐘」
・五劫院の除夜の鐘
奈良倶楽部の2軒お隣、23:45より参加者全員が順番に撞けます。
合格鉛筆・破魔矢の授与あり。
また、五劫思惟阿弥陀仏像も拝観できます。

東大寺除夜の鐘 1/1  0:00~打鐘
22時半頃より整理券配布、先着順に8名一組で綱を引くことができます

興福寺除夜の鐘(南円堂・菩提院大御堂)12/31  23:30~打鐘 
23:00より整理券配布。先着100名が打鐘可。

薬師寺除夜の鐘  12/31  23:30~打鐘 
12/31  20:00~1/1  2:00まで「越年お写経会」開催。
お写経参加者に整理券配布。
参加者以外は 23:00より法話会場前で整理券配布。

唐招提寺除夜の鐘 12/31  23:40~打鐘 
23:00より南大門で先着順に整理券108枚配布。

西大寺の除夜の鐘 12/31  23:40~打鐘
22:30より本堂前で整理券配布、先着100名が打鐘可。

霊山寺除夜の鐘 1/1  0:00~打鐘
除夜の鐘はどなたでも撞くことができます。
先着300名には干支絵馬が授与されます。

帯解寺除夜の鐘 12/31  23:00頃~打鐘
希望者全員が一度だけ順番に撞くことができます。

「元日0:00からの行事」
唐招提寺「修正会」0:00~
元日0:00~2:00まで境内開放をされます。

薬師寺「修正会」 0:00~2:00

大安寺「除夜の竹明かり」 0:00~2:00  

帯解寺「修正会」0:00~(本堂内は僧侶のみ)

東大寺大仏殿夜間無料参拝・観相窓開扉(0:00~8:00)
東大寺二月堂初詣(0:00~2:00)
1/3と1/5は「坊雑」を実施。
二月堂受納所にて灯明料(1500円)または御鏡料(2000円)を納めると「坊雑券」が渡されて、11:00~14:00の時間に二月堂北の茶所にて坊雑ぼうぞう(お雑煮)がいただけます。

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※除夜の鐘と新年の行事案内や初詣案内は奈良県公式HPにまとめられています。こちらは奈良県下の情報も掲載されていますので、参考にして下さい。

2024年12月24日火曜日

2/20 京終さろん「練行衆が描いたお水取り~新薬師寺の画僧 福岡隆聖~」

2/20の京終さろんは、中田文花さんによる「練行衆が描いたお水取り~新薬師寺の画僧 福岡隆聖~」 

新薬師寺の先々代住職の福岡隆聖師は22回も練行衆として修二会に籠り、多くの絵画作品を残しています。

そこには練行衆でないとわからない作法や決まりごとが描かれていて、解説なしでは見過ごしてしまうようなメッセージ性のある作品ばかりです。
福岡隆聖師とはいかなる人物なのか。
お水取りの平易な解説と図解に取り組んでおられる中田文花さんに、福岡隆聖師のお水取り作品を紐解いて解説していただく講座となっています。

当日はオンラインでも視聴できますので、遠方の方もよろしければお申込み下さいませ。

開催日時:2月20日(木)19:00(3/6まで視聴可能)
チケット代金:1000円
申込先:こちらから

2024年12月20日金曜日

岡本彰夫先生の古稀をお祝いする会

「大和女将塾」の塾生として、幅広く奈良の歴史や日本の文化もあわせて女将として知っておかなければならないことや嗜みなど、たくさんのことを教えていただいている岡本彰夫先生の「古稀をお祝いする会」が、先日12/14に奈良ホテルで盛大に開かれ、また翌日12/15には、先生のご案内による「奈良日帰りツアー」も開催されました。

先生は、後に続く若い人たちに自分が学んだことを伝えたいと、最初は秘密結社のような勉強会「こころ塾」を23年前に作られ・・・それから先生に教えを請いたいと 私塾は東京と奈良を合わせて16塾にも増え、塾生も300人ほどに・・・。 

今回のお祝いの会は塾生一同から先生へ、感謝の気持ちを込めてのお祝いの会と思ってましたら、先生曰く「わしの話をいつも聞いてくれてありがとう」「こちらが感謝してんねんで」「だから皆に喜んでもらえるよう、わしがおもてなししようと思ってるんや」とおっしゃいます。

各塾からの幹事さん達と打ち合わせを重ねてこられたのでしょう。
当日の会場は、子を想う親の気持ちのような先生の広く大きな心と、皆さまの師を想う温かな心が溶け合った良き佳き空間と時間になりました。

印象的だったのは、ビデオメッセージでお祝いをされていた さだまさしさんが本当に会場にいらっしゃったこと!大きな花束は先生にではなく奥様にと、お渡しされてすぐに会場を後にされましたが、さださんのサプライズプレゼントに会場が沸きに沸きました。

玉田玉秀斎さん玉田玉山さん子弟による講談「岡本彰夫物語」は涙なしには聞けないお話だったし(感動!)、川上ミネさんのピアノ、宴の最後の手締めは桂吉坊さんの音頭で「上り締め」という、最初は一本の指から2本指3本指と最後は手全体で、徐々に音が大きくなって会場が大いに盛り上がりました。

司会は、NHKアナウンサーの原さんとホテル尾花の中野さん。
原さんのお声を生で聴いて、そのあまりの美声にまたまたファンになってしまいました。

「春日大社の謎を追って」(非売品)と、復元された奈良の和菓子は、この日の引き出物と引き菓子です。
上の写真の「奈良の人が知らない奈良の話」は、季刊誌「やまとびと」に連載のものがまとめられて一冊になりました。ご著書はどちらも奈良倶楽部でご覧いただけます。
復元菓子(樫舎謹製)は、手前から3つ並んでいるのは「子福利餅こうごりもち」、その向こうは「女夫饅頭めおとまんじゅう」と「意傳坊いでんぼう」など(復元の経緯など詳細は過去記事をご覧ください)

岡本先生、お元気で古稀を迎えられましたこと誠におめでとうございました。

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この日の夜は、ホテル尾花で東西交流会と称した二次会。
東京で活躍されている方々とも知り合い実り多い時間でした。

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そして翌日は、東大寺・若草山山頂から春日山原生林・依水園で昼食・西大寺と、身近なところながら、その道の方に説明していただくと目から鱗のようなことがいっぱいの深くて濃いツアーを体験しました。

東大寺は森本公穣師のご案内で、聖武天皇の御心についてあらためて教えていただきました。

若草山山頂からの風景。
春日山原生林の中、高山神社こうぜんじんじゃは大乗院の行場だったところで、船形は東金堂衆が鎌倉時代に施入した水垢離場だそうです。
この辺りは水谷川と能登川に囲まれた神域で、住吉さんを祀る神社の傍にある石は、えべっさんの形をしているのだそう。
春日大社と隣接するこの辺りのことも、先生のご著書に書いてあるようで、たくさんの不思議を教えていただきました。

山から下りて、依水園で昼食をいただき庭園を散策。


まだ秋の名残を感じさせる一日でした。

マイクロバス3台に分乗した60名の参加者さんたちとのツアー。
最後は西大寺へ、大茶盛りを体験させていただきました。





奈良時代の東の大寺と西の大寺を、お寺の方の説明であらためて由来や歴史など教えていただくと、また違ったものを感じることができて有意義でした。
西大寺境内に咲いていた柊の白い花。香りが微かに・・・。

2日目も先生からおもてなしを受けるツアーとなりましたが、遠方からの参加者の皆様方も奈良の奥深さを堪能されたことでしょう。
2日間にわたり、素晴らしい時間をご一緒できました皆様、企画運営をして下さった関係者の皆様、そして岡本先生、どうもありがとうございました。

2024年12月18日水曜日

十六夜の月あかりと共に*

煌々と輝く月あかりに照らされてまばゆいばかりの鼉太鼓。
今年のおん祭は遷幸の儀と暁祭だけの参列でしたが
いつにもまして美しい風景に心が満たされた夜でした。

遷幸の儀に向かう道中、若宮様をお迎えするお旅所が、満天の星と共に光り輝いているように見えました。

そして午前2時。
暁祭を終えて神職の皆様も退去された後のお旅所は、まだ何かぬくもり残る様子で、鼉太鼓がひときわ輝いています。

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889回目となる「春日若宮おん祭」
今年もお客様方と遷幸の儀から暁祭までをご一緒に参列いたしました。22:15奈良倶楽部出発、22:45くらいに昨年同様の位置に到着。
暁祭でもお旅所に案内されたのは昨年と全く同じ場所でした。
神楽が終わる頃に最前列まで行くことができ、その後の撤饌のようすもよく拝見できました。




写真がぶれていますが、手渡し(伝供)で撤饌される「大宮家の素合御供すごのごく」が目の前を通っていくところ。
昨年からこの「大宮家の素合御供すごのごく」がどこに置かれるのか気になっていて、確かめてみたかったのですが、正面から拝見できないとわからないようでした。
(「素合御供」については昨年のブログに詳しく書いてます)

お旅所祭や還幸の儀も、今年こそと思いながら寒さに負けて拝観叶わず、また来年のお楽しみに持ち越してしまいました。

2024年12月16日月曜日

来年の練行衆発表と開山忌

12月16日 開山忌
一年に一度、この日に開山堂「良弁僧正坐像 」「実忠和尚坐像」、法華堂「 執金剛神立像」、俊乗堂「重源上人坐像」などが特別開扉されます。





また、来年の修二会に参籠される練行衆が発表される日でもあります。令和7年の修二会参籠の配役は以下の通りと発表されました。

和上=上司永照・持宝院院住職
大導師=森本公穣・清涼院住職
咒師=上野周真・真言院住職
堂司=池田圭誠・元興寺住職
北座衆之一=佐保山暁祥・宝珠院住職
南座衆之一=筒井英賢・龍松院住職
北座衆之二=平岡慎紹・上之坊住職
南座衆之二=清水公仁・宝厳院住職
中灯=望月大仙・普賢光明寺住職
権処世界=上司永観・総持院住職
処世界=森川真雅・空海寺徒弟

奈良マラソンが終わった翌週は、仏名会、開山忌、おん祭・・・と行事が続いて、いよいよ師走と感じるようになります。
そしてあれほど暖かな日が続いたのに、おん祭の声を聞くとグンと冷え込んで奈良の冬らしい底冷えを味わっています。
今晩と明日一日、おん祭にお出かけの方はどうぞ暖かくしてお出かけください。

帰りは二月堂へ

裏参道の紫木蓮にたくさんの花芽がついて春の訪れが待ち遠しく思えます。

三月堂と二月堂の間の多羅葉の木にも赤い実がたくさん。
今日は寒くても穏やかでいいお天気でした。

2024年12月12日木曜日

「鹿寄せ」と春日大社参道お散歩

「旅館ホテル組合」主催の「鹿寄せ」。
12/10は、奈良倶楽部もお当番でご案内係をしていました。

鹿寄せは10:00から15分ほど。
「旅館ホテル組合」加盟施設にご宿泊のお客様には、「粗品引換券」で素敵なエコバッグをプレゼント!今年からデザインが新しくなって大原麗加さんのデザインだそうです。素敵ですね!
「鹿寄せ」が終わってからは春日大社参道をガイドさんの案内で歩きます。ガイドツアーは4〜5名ずつの人数に分かれてなので、個人でご案内してもらえているような感じで、質問もし易くてよかったです。
私達のグループでは、主に参道に並ぶ灯籠についてたくさん教えてもらいながら散策しました。
順不同ですが・・・
灯籠を支える竿石が龍や獅子という珍しい石灯籠を奉納されたのは、谷井友三郎氏。映画館などを経営し、多大な功績のあった人です。↑↓

台石に雄鹿、雌鹿が巻付いた縁結びにご利益がありそうな燈籠。

「香具仲」とは「やし」仲間で、裏に書かれた「御師おし」とは仲介業者の事だそうです。↑↓

河内蓮根組合奉納の灯籠。門真の蓮根農家と春日さんとの関係はこちらに解説があります↑
今年奉納された真新しい石灯籠3台。
火袋に虎が彫られていて、阪神ファンに人気なのだとか↑  
時々ひょっこり顔を出してくれる鹿さん。
竿石のほっそりした燈籠は形がいいということで「七燈籠」の一つに数えられているそうです。
殆どの灯籠には「春日社」と書かれていますが、15基ほど「春日大明神」と書かれた燈籠があり、夜中に3基見つけると「小金持ち」に、5基見つけると「大金持ち」になるのだとか・・・。

そんなこんなで、豆知識を増やしながら、春日大社を参拝し
10日から始まった若宮さんの先参りにも。
「おん祭」の前に若宮様のご神徳を授かりましょうという「先参り」は 12/16まで(9:30~12:30 )
また「先参り」期間中は、各日先着50名に記念品の「意伝坊」がいただけます。今回はお参りにしたのが11時まわっていて本日分は終了した後でした。
また、春日若宮おん祭を描いた絢爛豪華な名品 「春日若宮御祭図屏風」複製も特別公開されています。
昨年のブログに「意伝坊」や「春日若宮御祭図屏風」について詳しく書いていますのでよろしければご覧ください。

若宮さんの後は「御旅所」の御仮殿を見ながら、奈良博の「おん祭」展を観賞。今回は室生寺を案内した友人が「おん祭」初心者でもあったので、博物館の展示で大体の様子を把握してもらえたようでよかったです。おかげで私も一緒に楽しむことができました。