2023年12月19日火曜日

春日若宮おん祭2023*「暁祭」

888回目となる「春日若宮おん祭」
今年もお客様方と遷幸の儀から暁祭までをご一緒に参列させていただきました。(メモ:22時に奈良倶楽部出発/徒歩で大仏殿から二の鳥居まで約25分)

二の鳥居に割と近いところで若宮さまがお旅所にご出発されるのを待ちます。12/16はまだ比較的暖かで、長く立っていてもそれ程でもなかったのが何よりでした。
二の鳥居の手前・左側に大きな神鹿像が設置されていました。

夕刻の雨が上がって厚い雲に覆われていた空が、遷幸の儀が始まる少し前から星空になり、待っている間に空を見上げては、美しく輝く星の光が若宮さまの旅路を照らしているように思えて、何度も参列しているのにやはり嬉しくどきどきわくわくとなってしまいました。

17日の0時少し前。すべての灯りが消されて、ざわざわとしていた場が静寂に包まれます。暫くすると、遠くから「ヲー、ヲー」という警蹕の声が聞こえ、大勢の神官たちに囲まれた若宮様がお旅所へと参道を遷幸されていかれます。

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12月17日午前1時頃から「暁祭」
早くから並んでいたのでお旅所へは入れたのですが
今年は右側の方へ案内されて、ずるずると端の方へ。
前から4列目くらいでほとんど何も見ることができない立ち位置となりましたが、御饌が撤饌される頃には帰る人もあって一番前まで行くことができ、10/1に奈良県立美術館の講座で岡本先生から伺った暁祭での大宮家から献じられる「素合の御供」を拝見することができました。






大宮家の「素合の御供」とは・・・
暁祭で御仮殿の前に神饌をお供えした後に、旧祢宜で氷室神社の大宮家より「素合の御供すごのごく」が奉納されます。
岡本先生の講座では「素合御供」に関する胸熱なお話も伺いました。
古くからの御供の一種が明治初期に一度途絶えそうになり、途絶えてはならないものとして、その時代にできる限り可能な組み合わせ(餅やミカンを交互に刺してあるものにハマグリ)の御供を大宮家が上げてくださっていたが、古儀復活でその繋ぎの御供が必要なくなります。しかし明治初期から近年の古儀復活までの期間に積み重ねて来られた大宮家の御供もまた「おん祭」の歴史になっているのだから、復活した御供とは別に続けて欲しいと依頼をされて、今も大宮家からの御供「素合御供」が続けられているということです。 (ただし御殿には上げないで神楽の床に載せるのだそうです)

2019年のブログを見ると大宮家の「素合御供」も写真に撮っていたのですが、その時はそのような話も知らずに、神饌の一つと思っていたようでした。
正面での拝見は叶いませんでしたが、最後に撤饌された神饌が置かれるところも拝見でき有難いことでした。
(最後の写真はご一緒のお客様のカメラで写していただいたクリアな一枚です)

大宮家の「素合の御供」は手渡し(伝供)で運ばれますが、古儀復興なった明治以前の「素合の御供」(紅白の箱に蜜柑とお餅がお供えされているそうです)は、伝供ではなく一人ずつ持って献じられていました。(これも2019年に動画で撮っていました→
暁祭が終わって、またお客様方と一緒に、帰りは169号線の横断歩道を歩いて戻りました。

翌日17日はお昼の休憩時間に少しだけお渡り式を見学。
(Instagramに写真を上げています→
チェックインがあるので一旦奈良倶楽部に戻って、夜に「御旅所祭」の最後の方から参加しようと思いつつ、前日より10度ほど気温が低くなった、あまりの寒さに出かける元気がなく、還幸の儀はまた来年に・・・。
自分ひとりだと、深夜に出かけることに躊躇してしまうので、お客様に案内して下さいとお声かけていただけるのは有難いことです。
ご一緒できてありがとうございました。