2024年2月14日水曜日

あべのハルカス美術館「円空」展

あべのハルカス美術館開館10周年記念で開催中の
「円空-旅して、彫って、祈って-」展へ行ってきました。
生涯に12万体の仏像を彫ると誓ったといわれる江戸時代の修験僧・円空。優しい微笑みをたたえた仏像や、迫力のある怒りの相を表した仏像など約160体の円空仏が一堂に会した展覧会。圧巻でした。

若かりし頃の初期の仏像はとても美しく丁寧に作られて、いわゆる「円空仏」とは違うイメージの作品。
修行を重ねるうちにごつごつとした大胆なものに作風が変化し、その過程も辿れて、そして飛騨高山の千光寺の住職と意気投合し、しばし滞在した千光寺に伝わる円空仏の数々。
第4章の展示室のみ写真撮影OKでしたので、一部を紹介します。

「両面宿儺りょうめんすくな坐像」。
両面宿儺は『日本書紀』では朝廷に背き討伐されたとありますが、飛騨や美濃では地域を守った英雄と伝えられています。
写真↑の奥に見えるのは「観音三十三応現身立像」。
千光寺に三十一体が現存します。もともとはもっと多く作られ、近隣の村人が病気のときに借りて、快復を祈ったと言われています。(借りたままのものもあるとか)
「護法神立像」
「賓頭盧尊者坐像」撫でられてこられたのでしょう、表面が艶々と光っているようでした。奥に見える長身の二体も「護法神立像」。

最後の第5章展示室は、円空の最後の10年の作品群。
不動明王像ですら微笑みをたたえたような表情で、優しい慈愛に満ちた表情の仏様ばかりでした。

会場では、円空の和歌や絵も紹介されていて、円空の違った魅力が感じられたりと、円空の人となりが伝わる展覧会でした。

展覧会鑑賞後は、ハルカス17階のカフェでコラボカプチーノ。
奈良では夕日が沈みゆく生駒山。大阪では朝陽が昇る山なんですね。