日にちが経ってしまいましたが、1月末に
どうしても見たかった、青森県立美術館で開催中の「奈良美智: The Beginning Place ここから」展へ、ちょっと遠いけれど、青森まで思い切って行ってきました。(会期は2/25まで)
青森滞在中のお天気は悪くなく、以前から積もっていた雪道を歩いたのはこの場所だけ。雪道対応の靴で来てよかったとテンション高く美術館入口まで進んで行きます。(平日でも訪れる人が多く、列をなして進みました)
奈良美智さんの作品は、よくメディアで目にする女の子に惹かれているのですが、実は生で拝見したことがなく、また他の作品にも触れたくて、今回の展覧会を非常に楽しみにしていました。
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最初の展示室のテーマは「家」
愛知県立芸術大学修士課程からドイツへ留学される頃の1980年代の作品が多数展示されています。個人的には今まで知らなかった作品を数多く拝見できとても新鮮でした。
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第二展示室「積層の時空」
展覧会のメインビジュアルになっている作品「Midnight Tears」↑は、一番最新の作品です(2023年制作)。近づいて見ると、絵の具が幾色にも重なって描かれていて、その色の構成も配色もとても美しくて、その場を離れがたい気持ちにさせられます。
2021年制作↑↓
2017年制作↓
年代を追うごとに色の重なりが深くなっているように感じました。
こちら↓は、コロナ禍の台湾で、検疫のためホテルの部屋に待機中に描かれたドローイングの数々。::
第三展示室のテーマは「旅」
鋭い眼差しの女の子。奈良さんの描く怒ったような女の子、不満があったり不貞腐れていたりなのか、世間への強烈なアンチテーゼを持っているのか、でもそれでいて憎めなくて可愛い不思議な魅力のある女の子たち。きっと自分が忘れてしまった反抗心の塊を女の子に感じるからなのかもしれませんが。
愛知県立芸術大学修士課程からドイツへ留学される頃の1980年代の作品が多数展示されています。個人的には今まで知らなかった作品を数多く拝見できとても新鮮でした。
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第二展示室「積層の時空」
展覧会のメインビジュアルになっている作品「Midnight Tears」↑は、一番最新の作品です(2023年制作)。近づいて見ると、絵の具が幾色にも重なって描かれていて、その色の構成も配色もとても美しくて、その場を離れがたい気持ちにさせられます。
2021年制作↑↓
2017年制作↓
年代を追うごとに色の重なりが深くなっているように感じました。
こちら↓は、コロナ禍の台湾で、検疫のためホテルの部屋に待機中に描かれたドローイングの数々。::
第三展示室のテーマは「旅」
鋭い眼差しの女の子。奈良さんの描く怒ったような女の子、不満があったり不貞腐れていたりなのか、世間への強烈なアンチテーゼを持っているのか、でもそれでいて憎めなくて可愛い不思議な魅力のある女の子たち。きっと自分が忘れてしまった反抗心の塊を女の子に感じるからなのかもしれませんが。
等身大より少し大きめの女の子たちのドローイング。
これは2017年夏に北海道の飛生とびうという集落で開催された芸術祭に参加の折に、森で集めた小枝で作った木炭で描かれたもの。子供たちの姿がとても生き生きと描かれています。
::これは2017年夏に北海道の飛生とびうという集落で開催された芸術祭に参加の折に、森で集めた小枝で作った木炭で描かれたもの。子供たちの姿がとても生き生きと描かれています。
第四展示室「NO WAR」
「反戦」「反核」をメッセージした作品と音楽との関係性をテーマに展示されています。
↑「I DON’T MIND, IF YOU FORGET ME」というインスタレーションの中にはインターネットで募集した奈良作品モチーフのぬいぐるみが入っていて、何だか凄い!としか表現できない語彙力ですが、反戦・反核をテーマに描かれた壁一面のドローイング↓も
「反戦」「反核」をメッセージした作品と音楽との関係性をテーマに展示されています。
↑「I DON’T MIND, IF YOU FORGET ME」というインスタレーションの中にはインターネットで募集した奈良作品モチーフのぬいぐるみが入っていて、何だか凄い!としか表現できない語彙力ですが、反戦・反核をテーマに描かれた壁一面のドローイング↓も
作家の部屋の中のコレクションも
作品は写真撮影OKだったので、とりあえずカメラに収めて後でゆっくり見返せばいいかなと思って、足早に去ってしまった展示室。
もっとじっくり丁寧に見ておけばよかったと思いました。
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最後の第5展示室は ロック喫茶「33 1/3」と小さな共同体
高校時代に店舗の建設作業を手伝い、毎日のように通い詰めたロック喫茶が再現されていて、中にも入れます。
このロック喫茶で育まれたものこそが、奈良さんの創造のはじまりで、「はじまりの場所」だと、展覧会のキューレーター高橋さんの熱意で再現されたそうです。(図録には半世紀も前の店舗を再現していく過程も書いてあって胸アツです)
1970年代真ん中に高校大学時代を過ごした私。京都にもこういう雰囲気のロック喫茶があったと懐かしい思いに駆られてしまいました。
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常設展示室では、関連展示として、奈良美智と棟方志功の作品を交互展示するユニークな試み「奈良美智と棟方志功のあいだ」が開催されていました。
その中でも奈良さんの作品ばかりをカメラに収めてしまいましたが。
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あおもり犬は館内から拝見。
奈良さんの少女と記念撮影(嬉しい!)
撮影OKだったから調子こいてしまいました(笑)
鑑賞されている方達もほとんどの方が撮影されていましたが、何もストレスを感じることなく、会場全体があたたかな空気感に包まれていて、とても楽しかったのです。
作品の撮影についてはそろそろ海外の美術館のように許可の方向を考えていくのもいいのではと思いました。
作品は写真撮影OKだったので、とりあえずカメラに収めて後でゆっくり見返せばいいかなと思って、足早に去ってしまった展示室。
もっとじっくり丁寧に見ておけばよかったと思いました。
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最後の第5展示室は ロック喫茶「33 1/3」と小さな共同体
高校時代に店舗の建設作業を手伝い、毎日のように通い詰めたロック喫茶が再現されていて、中にも入れます。
このロック喫茶で育まれたものこそが、奈良さんの創造のはじまりで、「はじまりの場所」だと、展覧会のキューレーター高橋さんの熱意で再現されたそうです。(図録には半世紀も前の店舗を再現していく過程も書いてあって胸アツです)
1970年代真ん中に高校大学時代を過ごした私。京都にもこういう雰囲気のロック喫茶があったと懐かしい思いに駆られてしまいました。
常設展示室では、関連展示として、奈良美智と棟方志功の作品を交互展示するユニークな試み「奈良美智と棟方志功のあいだ」が開催されていました。
その中でも奈良さんの作品ばかりをカメラに収めてしまいましたが。
あおもり犬は館内から拝見。
奈良さんの少女と記念撮影(嬉しい!)
撮影OKだったから調子こいてしまいました(笑)
鑑賞されている方達もほとんどの方が撮影されていましたが、何もストレスを感じることなく、会場全体があたたかな空気感に包まれていて、とても楽しかったのです。
作品の撮影についてはそろそろ海外の美術館のように許可の方向を考えていくのもいいのではと思いました。
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こちらはマルク・シャガールの、バレエ「アレコ」の舞台背景画。
青森県美の収蔵は3点なのですが、フィラデルフィア美術館収蔵の第3幕が改修工事のため2017年より長期借用中(2023年3月末の期間が延長で2024年3月まで!)で、全4幕を一堂に拝見でき何ともラッキーでした。
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青森への空の旅
富山市上空から富士山を遠くに望めました。
あまりの美しさに息をのむばかり。
御嶽山↑も青森空港着陸間際の眼下の風景↓も美しい!
行き↑と帰り↓
富士山の気高さといったら、最高過ぎますよね!
そして伊丹空港着陸直前の大阪の街。
空港から青森市内、そして美術館までのバスの本数が少なく余裕を持って早い目のバスに乗ったりで、1泊2日の旅でしたが、美術館しか行ってない、でもそれでよかった青森への旅でした。
そして、現地に誰も知り合いのいない完全な一人旅は16年ぶりで、11月にチケットを取ってからずっとワクワクと楽しい旅の日程でした。
シャレではないですが、すっかり「わたしは、奈良派。」になってしまい、今もブログに綴りながら展覧会を反芻してにやけております。
シャレではないですが、すっかり「わたしは、奈良派。」になってしまい、今もブログに綴りながら展覧会を反芻してにやけております。
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最後になりましたが、「*奈良の旅人エッセイ*」の審査員をしていただいた多田みのりさんこと大関さんが書かれた展覧会レポ★も参照させていただきました。併せてどうぞご覧ください。