2020年5月14日木曜日

奈良倶楽部の図書室から*その③

「7days BookCover Challenge」
第3回目にご紹介する図書室の蔵書は、奈良関連の歴史小説です。
辻原登「翔べ麒麟」㊤㊦
池澤夏樹「キトラボックス」
永井路子「美貌の女帝」
澤田瞳子「与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記」「龍華記」
梨木香歩「丹生都比売」
玉岡かおる「天平の女帝 孝謙称徳」
山之口洋「天平冥所図絵」
杉本苑子「穢土荘厳」㊤㊦
奈良で観光業に携わっていると、奈良時代の歴史小説をたくさん読んでいるように思われますが、実はほとんど読んでいませんでした。

少しは奈良時代の小説も読まなきゃと、友人に教えてもらったのが「翔べ麒麟」「美貌の女帝」「穢土荘厳」。
それまで歴史上の人物として捉えていた人たちが、匂い立って現れてきたような記憶があります。
特に唐の玄宗時代、阿倍仲麻呂を中心とした歴史小説「翔べ麒麟」は、仲麻呂がかっこよすぎて、夢中になって読んでいました。
余談ですが、辻原登さんの「許されざる者」も夢中一気読みリストの中の一冊です。それで同じ作者の「韃靼の馬」も買って、この休館中に読もうと待機中なのですが、まだ前に進んでいません。

「与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記」「天平冥所図絵」の2冊は、お客様より薦めていただき、どちらも面白く読み終えました。
「与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記」は、造仏所炊屋の炊男(今でいう作業場の食堂料理人)にスポットが当たって、「天平冥所図絵」では、木っ端役人の葛木連戸主と和気広虫夫婦が、「天平の女帝 孝謙称徳」も和気広虫ら女官が主人公で、名のある歴史上の人物でないところにスポットが当たっていることにも惹かれました。

「天平の女帝 孝謙称徳」の作者・玉岡かおるさんの小説は大好きで
「負けんとき ヴォーリズ満喜子の種まく日々」「お家さん」「天涯の船」「銀のみち一条」などを読んだ後(読後の感想をブログに残していました)に「天平の女帝 孝謙称徳」に出会いました。この本についても過去記事に少し書いています
(ちなみに、ヴォーリズ満喜子さんは、朝ドラの主人公になる人かもしれないと密かに思っていますが)

「丹生都比売」の作者・梨木香歩さんも一時期その著作を夢中になって読んだ作家さんです。
図書室に残っているのは「家守綺譚」だけですが。
池澤夏樹さんの「キトラボックス」も「アトミックボックス」から読んだのですが、どちらも発想が面白くて唸っておりました。

拙い感想を綴ってまいりましたが、このシリーズはあと4回続きます。明日はどの本を取り上げようかと今から少し悩んでみますね。