神社仏閣や遺跡など8つの資産で構成された「古都奈良の文化財」の魅力を伝えるため、本年より全国各地でパネル展示を開催することとなった第一弾が、「旅するパネル展」と題して、「平城宮いざない館」で開催されています。(5/18まで)
東大寺・興福寺・春日大社・春日山原始林・元興寺・薬師寺・唐招提寺・平城宮跡の8つの資産からなる世界遺産「古都奈良の文化財」。それぞれの資産は、歴史的・文化的に重要な価値を持ち、長い年月、多くの人々によって守り継がれてきました。
展示では、各資産の魅力や価値、さらにゆかりのある人物について写真とイラスト、文章で紹介し、奈良の歴史と文化の奥深さを知っていただこうとしています。
展示では、各資産の魅力や価値、さらにゆかりのある人物について写真とイラスト、文章で紹介し、奈良の歴史と文化の奥深さを知っていただこうとしています。
会場:平城宮いざない館 企画展示室
会期:2025年3月8日(土)~5月18日(日) ※4/14休館
時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧:無料
会期:2025年3月8日(土)~5月18日(日) ※4/14休館
時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧:無料
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たくさんの展示パネルの3枚目に紹介されていた『「奈良ドキュメント」が世界遺産の考え方を変えた』の中の「奈良ドキュメント」。
ちょっと気になった言葉で、どういうことかなとパネルをよく読むと・・・「古都奈良の文化財」が世界遺産に登録されることになった重要なポイントのようで、展示パネルの文章をそのまま紹介したいと思います。
↓ ↓ ↓
~「奈良ドキュメント」が世界遺産の考え方を変えた~
世界遺産の登録基準は、かつては、ヨーロッパの石造建築や遺跡を前提としたものであり、耐久性のある建造物がそのままの状態で(修理する場合は最小限の修理で)保持されていることが高く評価されていました。しかし、日本の建造物の多くは木材を使用し、伝統的な技術と材料を用いての修復、さらには解体修理を伴う保存方法を取るため、同じ基準ではその価値の判定が困難でした。
この課題を受け、1994年に奈良市で開催された専門家の国際会議「世界文化遺産奈良コンファレンス」において、文化遺産の「真正性(オーセンティシティ)」を評価する際には、各地域の文化的背景や多様性を考慮することが重要であるという考えが示されました。この考えがまとめられた文書が「奈良ドキュメント」です。
「奈良ドキュメント」の採択により、文化財の価値を単に物質的な側面だけでなく、歴史的・文化的背景や地域の環境を踏まえて評価するという考えが広まりました。これにより、日本の木造建築だけでなく、アジアやアフリカなどの各地の文化遺産にも、保存・登録の道が開かれるようになりました。
その成果の一つが、1998年の「古都奈良の文化財」の世界遺産への登録です。奈良の社寺、自然、遺跡など、多様な遺産が評価されるようになった背景には「奈良ドキュメント」の理念が深く関わっているのです。
この課題を受け、1994年に奈良市で開催された専門家の国際会議「世界文化遺産奈良コンファレンス」において、文化遺産の「真正性(オーセンティシティ)」を評価する際には、各地域の文化的背景や多様性を考慮することが重要であるという考えが示されました。この考えがまとめられた文書が「奈良ドキュメント」です。
「奈良ドキュメント」の採択により、文化財の価値を単に物質的な側面だけでなく、歴史的・文化的背景や地域の環境を踏まえて評価するという考えが広まりました。これにより、日本の木造建築だけでなく、アジアやアフリカなどの各地の文化遺産にも、保存・登録の道が開かれるようになりました。
その成果の一つが、1998年の「古都奈良の文化財」の世界遺産への登録です。奈良の社寺、自然、遺跡など、多様な遺産が評価されるようになった背景には「奈良ドキュメント」の理念が深く関わっているのです。
確かに、それまでの世界遺産で取り上げられたものの基準と、日本の文化遺産は相いれないように思っていました。
それだけに、奈良の文化遺産が世界遺産に登録された時は、日本の国宝が世界に認められたという喜びがありました。
それだけに、奈良の文化遺産が世界遺産に登録された時は、日本の国宝が世界に認められたという喜びがありました。
多様性や多様な価値の存在を認める意識、無形のものにも意味を置く考え方・・・「奈良ドキュメント」で示された考え方は、世界遺産登録の基準における考え方だけでなく、広くこれからの社会で取り入れていくべき考えだと、あらためて思った次第です。