令和7年3月14日
二月堂修二会満行の日、仕事を片付けてようやく二月堂へ
今日も「後夜」からの聴聞です。
23時過ぎ、西・南・東・・・どの局も扉を開けたら、立って聴聞している方々が壁になって中に入るのが難しそう・・・。
最後に諦めながら北の局を覗いてみると一人なら入れるスペースがあり、今晩はここで耳を傾けることにしました。
内陣の戸板が開けられていても、中の様子が窺い知れないところ。
耳をそばだて、時導師さんの柔らかな声と完ぺきに揃ったガワの声明に包み込まれるような安堵感。とにかく私は修二会の声明を聴いているのが一番好きで、夜遅くに少しの時間でもこうして聴聞に上がれることが有難いと感じた14日間でした。
後夜の時導師の南無観の宝号の向こうで五体投地の音が響き、思わず姿勢を正し手を合わせます。
この後の「達陀」そして「後夜」の教化「父母を仏になさむよしをなみ補陀の都に杖奉る声奉る」からの九条錫杖。
あっという間に「晨朝」に入り、行中最後の晨朝の声明は、微音で唱えられる「名残の晨朝」。囁くような小さな声に私も心を合わせて、今年もお客様方をしっかりサポートできたことに感謝をお伝えしました。ありがとうございました。
多くの方が明け方の満行下堂まで残られるようでしたが、明日の仕事のこともあり、ここで二月堂を後にしました。
今年も、まだまだ知りたいことや興味のあることが多くて、悔過をすることや祈ることとは程遠い、「見る・聞く」に重きを置いた聴聞スタイル、そして少しの時間だけのピンポイント聴聞になってしまいましたが、14日間の内の何日間かを二月堂内で耳を傾けることができたことに感謝です。