令和7年3月3日
夕刻に、今晩の神名帳読み上げは、参籠3年目にして初めて読役を与えられる上司永観師だという情報が入り、午後8時半頃に二月堂へ急ぎかけつけました!
神名帳は東の局の北寄りで聴くのがいいのですが、膝を悪くして正座ができないのでなるべく空いているところと、南の局に入りました。
まだ初夜の悔過作法に入ったばかりで間もなく五体が始まるところ。
南の局は南座の様子がなんとなくわかります。多分、私の目の前の練行衆は永観師ではないかと思われるのですが・・・この後、五体人として礼堂へ出座されたのです。
これから初読役が控えているのに、直前に五体投地をされることに驚くとともに緊張されていない様子に感嘆しました。
南の局からは、神名帳の前に堂司が神燈を点火されていく様子がよく見えて、両手を左右に大きく広げて2本の松明で外側から同時に一つ一つ点火していく様子を見ながら、今年の奈良博の講座で狭川長老のお話に合った、腰をかがめて点灯するのがちょっとつらいとおっしゃっていたのを思い出しました。
堂司の軽やかな動きに見入りながら、外からはうかがい知れないことにも思いを馳せておりました。
さて、永観師の神名帳は、一字一句とても丁寧に読み上げて、それでいて緩急織り交ぜた調子が聴くものを飽きさせず、じっくり耳を傾けさせてくれます。
早口のところのスピード感と、相当な早口なのにしっかりと名前が耳に届くという素晴らしさで、最後の御霊さんのところの低音のどっしりとした響き。
語彙力がなくてこんな表現はおかしいかもしれませんが「圧巻のパフォーマンス!」という読み上げでした。
神名帳が終わって、北座から自席に戻ってこられる様子を南の局で拝顔できましたが、とても晴々とした清々しいお顔で、若い練行衆の方々のこれからが楽しみです。
内手水のあと、初夜の大導師作法。
内閣総理大臣~と続く「加供帳」
ここの最後の方の過去者に、2年前に遷化された弘斎師のお名前が聞き取れるか耳を澄ますも聞き取れず。
公照師や、尭海師、永慶師、晋海師など、私が奈良に越してきた当時にいらっしゃった方々のお名前は聞こえました。
そして大導師さんの祈りの言葉「諷誦文ふじゅもん」で、今年も阪神大震災以降の大きな自然災害について触れられ、改めて一緒に祈りを捧げる気持ちで拝聴しました。
「初夜」の咒師作法から「半夜」へ。「法華懺法」は、西の局に移動しないで、そのまま南の局で聴き、今晩もトウの北二さんのお声に聞き入るひととき。
「本手水」の後、早い目に戻ってこられた「法華懺法」三役以外の平衆さんでの内陣掃除の様子は、南の局からだとよく見えて、それぞれのお役をされる練行衆の動きを興味津々で拝見いたしました。
内陣掃除がおわって、「後夜」が法華音曲の読経で始まります。
今までの聴聞では いつもこの時間帯は局の外に出ているので、内陣掃除も読経も初めての拝見でした。
そして「南北!」の声を聞き、聴聞の余韻に浸りながら帰りました。
トップの画像は、舞台から見えた三日月(スマホの限界!)