2022年4月14日木曜日

「春日若宮 御本殿・内院 特別公開」

コロナ禍で再々延期になった「春日若宮 御本殿・内院 特別公開」へ

20年に一度の若宮様の式年造替は今回で43回目で、5月頃から屋根の葺き替えや朱の塗り替えなどの作業が本格化します。そして今年の秋、10/28にはご神体をご本殿にお戻しする遷座祭が営まれます。
この式年造替を記念して、4/9より4/24まで若宮様の御本殿・内院が初めて特別公開されています。

今回は春日大社の「十日会」会員として参加しましたので、特別公開が終了した時間の15時から、神職の方の詳しい説明を受けながらゆっくり拝観させていただきました。
若宮社の前でお祓いを受け、瑞垣の中へ入って説明を受けながら、御本殿を時計回りに回ります。

説明していただいた内容をメモしなかったので、思い出しながら記してみます。(間違っている点があるかもしれませんが・・・)
・若宮社の北の壁面の下部には3本の柱、東は2本の柱があること。
・春日大社大宮御本殿とお御簾の色が違うことや、神様がいらっしゃるときにはお御簾の前に6枚の鏡があること。
・春日大社大宮御本殿や若宮御本殿正面の階段「階きざはし」の両側には「雁字板がんじいた」という漆塗の飾り板があり、連珠剣頭巴紋様が描かれているのですが、大宮御本殿のは黒地に白色、若宮社では黒地に緑青で描かれているという違いがあること。
・そのため「春日移し」された神社のお社を見ると、どちらから移されたのかわかります。ちなみに、私の故郷の松尾神社では若宮社と御本殿の第三殿が春日移しされているので(過去記事)、今度お参りに行った時に「雁字板」の文様の色を見比べてみようとおもいます。
・その他に、若宮御本殿正面の階段は7段で、春日大社大宮御本殿の第一殿と同じ(第二、第三、第四殿は6段)で、若宮様は摂社ではあるが春日大社大宮と同格であるということ。同格ゆえに御遷座中の御假殿は大宮と同じ内侍殿(移殿)になること。
・また若宮内院の末社の神様も御遷座中ですが、御移りになっている場所は夫婦大国社にいらっしゃること。
・内院の中は撮影禁止ですから写真はないのですが、若宮御本殿の後ろ側(東側)に囲いがあって、これは「おん祭」で使われたご神木を置く場所だそうで、この十数年の間に古儀を復活された一環としてできたものだそうです。
・また、瑞垣の西南角にあったオガタマの木は今回伐採されたそうです。(太く張った根が瑞垣や御本殿に影響を及ぼすために)

瑞垣を出たところでは佐野石材店さんが灯籠を修復中でした。
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阿久津権禰宜から詳しい説明を聞き見学をしての帰り道
若宮社の参道の石灯籠に明かりを灯している場面に遭遇しました。
近々ライトアップがあるようで、その試験点灯だそうです。
そして「砂ずりの藤」は
この日(4/11)はまだ藤の蕾が出始めたところでしたが、今はもっと花房が成長しているようです。(春日大社のインスタグラム参照
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今回の特別公開でいただいた記念品は、つい先日報道陣に公開された、平安時代の工芸品「 金鶴及銀樹枝きんつるおよびぎんじゅし 」(国宝)の復元品を根付にしたもの。
今回、奉納用と展示用の復元品が制作された「 金鶴及銀樹枝きんつるおよびぎんじゅし 」は、一つは「令和の御神宝 」として「本殿遷座祭」で若宮神社御本殿に納められ、展示用は奈良国立博物館で12月~1月に開催される特別展で披露されるということです。
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今回は御本殿もお参りして詳しい説明をしていただいたのがとてもよかったので、もし時間的なタイミングが合うようでしたら、参考までにこのようなツアーもお奨めかと思います。