2022年3月19日土曜日

「処世界さんのお話を聞く会」無事開催

中田文花さん主催の「満行ホヤホヤの処世界さんのお話を聞く会」が3/17に開催され、ZOOM配信の会場として奈良倶楽部を使っていただきました。ZOOMでは、当初の定員を大きく上回る方々が参加されたようで、当日何かの拍子で電波の調子が悪くなったらどうしようとか、会場主として実は相当気を揉んでおりました。
また、会場には文花さんの友人知人も駆けつけて、熱心な聴衆者として場を盛り上げて下さってました。

当の私は、初めての大きな会で少しアタフタしていたこともあって、お話会での全てを聴くことができず、また写真も動画もほとんど撮れませんでしたので、ブログの写真は参加者さんより拝借しました。

それでは当日をふりかえってみます。

まず、望月大仙師は関東唯一の華厳宗寺、鎌倉の普賢光明寺から「処世界」役で参籠3年目の若き練行衆です。
当初は望月大仙師おひとりのお話を伺う予定が、処世界童子の水島太郎さん(左側)と小院士を務められたスティーヴ エトウさん(右側)のお二人がサプライズゲストで参加されて、会場が一気に賑やかになりました。ちなみに、水島さんは彫刻家、スティーブさんはミュージシャンです。
修二会で使うお道具をお持ち下さって、説明してくださいます。
差懸の前が焦げているのは達陀松明の火の粉が飛んでだそうです。
差懸の材としては桜材と松材があり、松は軽いが音も軽めな感じ、桜は重いが床を打つ時に良い音がするそうで、大仙師のは桜材。(他には南二さんも桜材)
おニューの牛王櫃。
「牛玉櫃」の紋は、家紋だったりオリジナルの紋の方もいらっしゃるそうで、大仙師のはご自身の家紋が使われています。
蓋を開けると、内蓋のような箱があり
その中には硯や牛玉印などを入れるそうで、その箱の底側は畳になっています。なぜ畳なのかというと、この上に紙を広げて 牛王印を刷るためだそうです。
手に持っているのは「鼻紙」を挟んで携行するもの。
昔は時導師が席に着くとまずは鼻をかんでから始めていたそうですが(昔は煤が強かったこともあり)
今はこの端をちょっと鼻先に押し当てる動作をするだけだそうです。
「閼伽折敷あかおしき」。これは新入の時に堂司からいただくもので、牛玉札を刷る時に版木や硯などを入れるもの。裏は、新入の時の 堂司(大仙師が新入の時の堂司は上野周真師)が書いて下さるとのこと。(ちなみに、上司永照師の「閼伽折敷あかおしき」はブログ過去記事に写真があります。その時の堂司は上野道善長老様でした)
「紙手こうで
これは「紙衣かみこ」と同じ「仙花紙せんかし」でできている 状差しのようなもので、二つ折りにして参籠宿所の壁に貼り 紙類などを差し入れて保存するのに使うのだそうです。 (2012年の過去記事ですが「紙手こうで」に関して詳しく書いています。)
牛王箱も見せていただきました。
15日未明の満行下堂時に牛王杖に挟んで下りて行かれます。
大仙師手書きの「神名帳」 。参籠3年目で初めて読み役として読むことができます。別火入り前のホテルでの隔離期間中に相当な練習をされていたそうですが、人前では別火入りして初めて披露したので、そこで節などを直してもらったそうです。
冒頭一段目とスピード感ある七段目を実際に読んで下さいました。
文花さんからの質問で、処世界部屋の間取りも書いて下さり
毎日の行の配役表である「時数表」も見せてくださいました。
時数表の立案作成は衆之一さんで、堂司用記録は中灯さん。内陣に貼る一枚は処世界の大仙師が書かれました。
(これを初日に拝見できればどれほど有難いことでしょう・・・叶わぬことですが・・・)
「紙衣」は 仙花紙を貼り合わせて木綿で裏打ちをしているので非常に暖かいそうですが、今年は後半が気温高く暑過ぎたとのことです。そして内陣の匂いが染みついていると話されたので、お話会の後に参加者一同が紙衣の匂いをクンクン嗅いでいらしたそうですが(私はお片付けなどしていて嗅ぎそびれてしまいました)それにしてもみんなで二月堂の匂いに親しむ光景は、知らない人が見たらさぞかし・・・。

大仙師への質問では、行中にカメラを向けられるとどのような感じですかというお尋ねには、夜だとほとんどわからず特に気にならないと仰って、追っかけしながらついカメラを向けてしまいがちな私もちょっとだけ胸をなでおろしました。

食事担当の院士さんを補佐する小院士のスティーブさんもいらっしゃるので、お食事の話も。実は大仙師が一番よく召し上がるそうで、食後のしゃもじが御飯に立たないくらい(あのご飯は一人4~5合分あって、残ったご飯が練行衆付きの童子さんの食事になるそうです)食欲旺盛、でも実際の食事時間は8分ほどだそうです。そして大好物が蓮根饅頭で、それを皆さんがご存じなので、ほかの練行衆よりも大きな蓮根饅頭が入っているのだそうです。
お話をお聞きしていると、厳しい行の中でも和気藹々な様子も伝わって和やかな様子に心が温まります。

私も、睡眠時間や就寝時間が不規則ですがきちんと寝られるのでしょうかとお尋ねしました。初日の仮眠だけはほとんど眠れず、後は疲れもあるのでちゃんと眠れますとのこと。

その他に、3/10の粥食偈の和上さんのパートが違うお声だったとお客様から聞いていたことをお尋ねしましたら、この日は事前に和上さんと堂童子さんが相談して、二人のパートを交代したそうで
「粥食呪願じゅくじきしゅがん」と、いきなり和上さんの声だったので、北座の一同びっくりだったこと。和上さんの「夜明けんだりや」、堂童子の「暗-し」も逆に唱えられたことなど、やはりちょっとしたお遊び的な部分もあるようで、そのようなお話も色々して下さり、いつまでも話が尽きず楽しい時間を過ごすことができました。

このような会を企画して催して下さった中田文花さん、快くお話をして下さった望月大仙さま、飛び入りゲストで花を添えて下さった水島さんとスティーブさん、ご参加の皆様、楽しい時間をありがとうございました。