2020年7月30日木曜日

天平空間が素晴らしい東大寺ミュージアム

東大寺戒壇堂の保存修理・耐震化工事に伴って、戒壇堂にいらっしゃった四天王像は東大寺ミュージアムに安置され、7/23から今後3年間の予定で公開されています。
先日、4連休明けに伺ってまいりました。
お堂で拝観するのとはまた違って、ミュージアムの中ではどのような形で安置されるのかなと、それだけでも楽しみだったのですが、期待以上に素晴らしい天平空間が出現していて、涙が出そうなくらい感動して、心臓がぱくぱくどきどき。
日光・月光両菩薩像と向かいあう形で四天王像は横一列並びに、中心向かって右側に持国天・中心左は増長天・その左が広目天・一番右側が多聞天。持国天像は月光菩薩像と向かい合い、増長天像は日光菩薩像と向かい合い、この六像は同じ工房で造られて、元来一具をなしていたと推測されていますので、きっときっと「久しぶりじゃのう」なんてお話されているのではと思いながら、はるか昔の天平時代に思いを馳せることの楽しさを味わっておりました。
また、戒壇堂四天王像の中央には、釈迦如来坐像と多宝如来坐像が配置されており、この小さな仏さま達は、創建当初からの戒壇堂における受戒会のご本尊なので、四天王像たちは、また懐かしいご本尊と再会されたことになるのですよね。
四天王像は光背を外されて安置されていますので、ミュージアムの出口までの通路から、四天王像の背後と、その向こうの日光月光両菩薩像を拝観することもできて、この配置がまた素晴らしいのです。
また、ただいま東大寺ミュージアムには、先日のブログでお知らせした「知足院の地蔵菩薩像」もいらっしゃるし、2月に奈良博で拝見した「毘沙門天」展に出陳されていた「勝敵毘沙門天像」もいらっしゃって、あれこれ楽しい拝観となりました。
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東大寺ミュージアム
開館時間:9:30~17:30(11月~3月は17:00まで)
休館日:なし(臨時休館あり→2020年8/17は全館休館)
※戒壇堂四天王像公開期間はおよそ3年間の予定。
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東大寺ミュージアムの天平空間と、戒壇院千手堂が本当に素晴らしくて、お散歩がてらこれから何度もお参りしようと思っています。
コロナの終息の先の見えない中で、奈良が大好きなリピーターのお客様方には、奈良にお越しくださいと安易には言えませんが、こちらの公開期間の3年の間には何とか落ち着いているでしょうか・・・。
この素晴らしい空間をいつか是非ご覧いただきたいと願っています。