「旅」の定義は人それぞれ。
遠くへ出かけなくても日常の中にもたくさんの「旅」めいたことを見つけることはできるし、コロナ禍の昨年には、Gotoトラベルでお得にお泊りしたり、地元住民向け割引クーポンで地域を再発見したりと、今まで以上に多種多様な「旅」の提案がありました。
でも、その人それぞれの一番の旅をちょっと我慢しているというのも、このコロナ禍の一年だったように思います。
旅の紀行文を読んだり、テレビの旅番組やSNSで見た誰かの写真で「行きたい!」と旅心を大いに刺激されて、いつかコロナが終息したら旅に出るぞ!と、何とか今はそういう気持ちを温めることで旅心を落ち着かせているのも正直な話。
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旅心を刺激されると言えば、先日とても素敵な絵本をいただいたのです。登場人物とそのホテルが私と奈良倶楽部みたいと、お客様が送って下さった「ぼくのたび」という絵本。
「ぼくのたび」(著者:みやこしあきこ/出版社:ブロンズ新社)
小さな町で小さいけれど居心地のいいホテルを経営する「ぼく」。
毎日世界中からたくさんのお客さんがやってきて、お客さんを迎えるだけのぼくも、いつか世界中を旅したいと、夢の中で遠くへ旅する自分を想像する。
ページをめくるたびに旅への憧れが募り、そして何より、ホテルマンのぼくの仕事ぶりから、お客様を迎える側のこの醍醐味をもっと味わいたい!という気持ちになりました。
奈良倶楽部の朝の一コマ?と思ったページ。
ぼくはお客さんから知らない国の話を聞く。そしてぼくの町について話す。この小さな町のことなら何でも知っているからね。朝食の席での、お客様とのこのようなやりとりや、ホテルの一日の仕事のながれ。
朝が来る。いつもと変わらない一日の始まり。
さぁ、もうすぐお客さんがやってくる。
ホテルの仕事が一段落したらいつもの場所でゆっくりと手紙を読む。さぁ、もうすぐお客さんがやってくる。
前にここに泊まっていったお客さんからだ。
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どこか遠くへ行きたいという旅への憧れ、まだ見ぬ旅への想いもさることながら、小さな町で小さなホテルを経営する主人公が自分自身にも重なって、ホテルでの一日の仕事のあれこれを、いつかホテルを閉めた時に懐かしく思い出すのではと、そんなことまで思ってしまいました。
遠い世界、知らない土地をまた旅したいなぁと思いながら、コロナが終息する頃にはすっかりおばあさんになっていて、世界を股にかけて旅するなんてできるのかしら?とも考えてしまいそう・・・いやいやいや、絶対また出かける!そして絶対またたくさんの旅人を迎える!
モチベーションを持って、想像の翼も羽ばたかせて、しばし旅を思うひととき。素敵な絵本をありがとうございました。
モチベーションを持って、想像の翼も羽ばたかせて、しばし旅を思うひととき。素敵な絵本をありがとうございました。