2020年10月16日金曜日

春日大社国宝殿「芸能の美・杜園の心」

春日大社国宝殿で開催中の『芸能の美・杜園の心 ―奈良近代彫刻の名匠、森川杜園生誕200年にちなんで―』展に行ってきました。  

森川杜園は幕末から明治にかけて、絵師・彫刻師・狂言師として奈良で活躍した人で、今年は生誕200年にあたります。
春日大社ではこれを記念し、先年寄贈された旧森川杜園邸の能舞台の鏡板を保存修理し、初公開するとともに、杜園の木彫作品や絵画などの名品約60点を公開した作品展を12/13まで開催しています。

美しいもの、いいものを見て「眼福」という表現を使いますが、今回の展覧会がまさにそう。美しいもので心が満たされると、ほかほかと身体が温かくなるような、そんな幸福感に包まれて鑑賞しました。

「森川杜園」という名前は知っていても、こんなにたくさんの作品を一堂に見たことがなかったので、それだけでも見応え充分でしたが、今回は、杜園が生涯のテーマとした春日大社の神鹿について、初期の力作から円熟期の名品、晩年の博覧会出品作までが勢ぞろいして、それはそれは見事でした。

また、根付コレクターとしても著名な高円宮妃殿下ご所蔵品が初公開されていて、こちらも必見です。
根付は全部で19点が並び(ご所蔵の根付は6点)、密度の濃い展示から、小さな根付が素晴らしい芸術品であると納得できました。
また会場に掲示されている妃殿下のお言葉も心に沁みますので、是非ご覧になって下さい。

会期は12/13までですが、展示替えにつき11/5が休館日になります。
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久しぶりにお参りした春日大社さん。




また国宝殿一階は写真撮影可でしたので・・・


図録も購入しましたので、ご宿泊の方は是非ご覧ください。
チラシにも図録にも「天才」という言葉がありますが、本当に、天才の仕事ぶりとはこのようなものだと感心し、それに触れることができたことに喜びを感じました。