2025年1月22日水曜日

2月のお出かけ情報①〜秘宝秘仏公開

冬の奈良の秘宝秘仏公開は、春や秋に比べると、さすがにそれほど多くはありませんが、静かにお参りできる冬の奈良もまた良きです。

<<公開中の秘宝秘仏>>
◇~2/3 9:00~17:00 當麻寺中之坊新春福宝展
南都絵師・琳賢による美しい「弁財天十五童子図」や
「布袋尊百童子屏風」などが特別公開。

◇~2/4 9:00~16:30 西大寺 「愛染明王/聚宝館」特別公開

◇~2/24  當麻寺中之坊村上裕二障壁画 龍游図」初公開

<<2月より公開されるもの>>
◇2/1~2/15  8:00~16:00  興善寺「涅槃図拝観」

◇2/1~2/28 9:00~16:00 信貴山朝護孫子寺中秘仏毘沙門天像
※ご祈祷中は拝尊できません。

◇2/2  金剛寺星供曼荼羅、星祭九曜星本尊公開
法要は19:00~20:00

◇2/2 9:00~16:00 松尾寺
「松尾山七福神特別開扉」「大黒天念持仏公開」

◇2/5〜2/15 9:00~15:00 五劫院「五劫思惟阿弥陀仏」特別開扉
拝観は要予約(tel:0742-22-7694)
※2月の土日の12:30~16:15は「路地ぶら ならまち・きたまち」での公開で、予約なしで拝観できます。

◇2/6  8:00~19:00 慈眼寺「聖観世音菩薩特別公開」

◇2/8 浄瑠璃寺「三重塔特別開扉

◇2/15 法輪寺 「秘仏妙見菩薩像」特別開扉

◇2/15  10:00~  興福寺本坊北客殿「涅槃図拝観」

◇2/16 13:30~15:00 當麻寺中之坊「導き観音ご開帳

◇2/24 11:00~16:00 當麻寺奥院法然上人像特別開帳」 

2025年1月21日火曜日

奈良県美「大和の美」

奈良県立美術館で開催中の特別展「大和の美~古都を彩った絵師たちの競演」を観てきました。

かつては大和やまとと呼ばれた奈良県は、悠久の歴史と自然豊かな風土とが織りなす独特の文化を形成してきました。
  
古の都、そして社寺王国として歴史の舞台で重要な役割を果たした古代・中世には、信仰を中心とする寺社の文化が育まれ、今日に至るまで奈良の美術を表す特質となっています。
門前町や城下町が栄えた江戸時代には、武家社会の中で多彩な文化活動が展開され、大和独自の美術工芸も発達しました。また、庶民の行楽の場でもあった名所旧跡には文人墨客が往来し、美術の格好の題材として取り上げられるようになります。
そして近代に入ると、こうした伝統を受け継ぎながらも、一方では西洋伝来の洋画も流入し、古都・奈良の地は、美術家たちを刺激する無尽の創造源ともなっています。  

本展では、中世から現代までの奈良ゆかりの絵画作品を展示し、その流れをたどります。
通覧されることの少ない奈良の絵画史を振り返ることで、奈良の美術が持つ魅力や特質を概観すると同時に、知られざる絵師・画家たちの存在に光をあて、多様な側面に目を向ける機会ともなれば幸いです。(HPより抜粋)

HPでもご紹介されていますが、奈良、大和を舞台に花開いた芸術を各時代別に紹介されています。
・古代~高松塚古墳壁画や法隆寺金堂壁画
・中世~寺社文化を支えた南都絵所や室町時代の絵師たちの作品
・近世~武家社会の中で活躍した絵師たちの作品
・近現代~洋画と日本画それぞれ奈良ゆかりの画家の作品
・・・奈良ゆかりの画家の中には、奈良の風土や自然に惹かれて奈良に移り住んだ画家や、奈良を創作の原点にした画家たちも紹介されています。

その他に、特集展示として「奈良洋画の黎明 没後100年 大村長府」という画家が紹介されていました。
藤の花が咲き誇る春日野の風景↑や、若草山から見る夕景↓
穏やかな奈良の風景もあれば、春日祭↓などの祭礼を描いたものも
その他に二月堂修二会の食堂作法の様子や、参籠宿所内の様子も描かれていて(撮影不可でしたが)、家族の肖像↓もありので、明治大正に活躍した奈良出身の画家の多岐に渡る画業を拝見できました。

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展示作品の何点かは撮影可のものもあって
昭和16年、般若寺近く奈良阪周辺の風景(須田国太郎)↑や
昭和4年、正倉院の北側から西側を遠望した景色(遠山八二)↑など
知っている風景が今と少々違って感じるのを興味深く拝見しました。

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内藤其淵「四季鹿図屏風」
 堀川其流「千疋鹿」
森川杜園「群鹿図」
江戸時代後期の大和の絵師による鹿を描いた作品は、画面構成など素晴らしくて眼福でした。

大和の美~古都を彩った絵師たちの競演
会期:2025年1/18~3/9(~2/9前期 2/11~後期)
開場:奈良県立美術館
休館日:月曜日(但し2/24と3/3は開館)と2/25(火)
開館時間:9時~17時(入館は16:30まで)

2025年1月19日日曜日

DIC川村記念美術館へ*

東京滞在中の二つ目に訪れた美術館は「DIC川村記念美術館
当初の1月下旬から3月いっぱいまで延長されたものの、2025年4月以降は閉館になるとあって、多くの方が来場されています。
かくいう私も、閉館前にもう一度マーク・ロスコに会いたくて訪れた一人です。・・・もう一度というのは、2009年2月に開催された特別展「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」展を観に来ているからで、あの感動を再び!と朝早くから出かけて行きました。

東京駅から総武線で約1時間、佐倉駅からは無料送迎バスにお世話になります。朝8時前の東京駅はごった返していて総武線ホームまで中々辿り着けません。

今回の閉館発表から美術館存続の声が大きく、規模を縮小して移転する方向に検討しているとの報告がありました。確かに、美術館の位置する自然や風土の素晴らしさは魅力ですが、気軽に通うには遠すぎましたので、移転がうまくいって、これから何度も通える立地で、またロスコに会えることを切に願うばかりです。

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さて、まずはコレクション展を堪能して、そして常設展示室の途中にあるお茶室でお茶をいただき、長い廊下の先にあるロスコルームでマーク・ロスコに包まれて、その後は2階の「木漏れ日の部屋」へ。
1/26まで開催中の「西川勝人 静寂の響き」展の作品が「木漏れ日の部屋」にぴったりと合っていて、こちらもずっとそこにいたい気持ちになります。

館内併設のレストランは事前予約で満席。
お茶席でお茶をいただけたのは何よりでした。(こちらは撮影可)
庭園散策もしてゆっくりしたかったのですが、帰りを急いでいたので、好きな展示室をもう一度鑑賞して、美術館を後にしました。

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2009年開催の「マーク・ロスコ 瞑想する絵画」展については、「青い日記帳」さんのブログに詳しいレポと写真が掲載されています。
この特別展は、30点からなるシーグラム壁画のうち、ロンドンのテイト・ギャラリーから3点、ワシントン、ナショナルギャラリーより5点、川村美術館所蔵の7点が一堂に集まり、それはそれは見事な素晴らしい展覧会でした。
この時に購入した展覧会図録は私の宝もの。



緑豊かな広大な庭園の中に佇む美術館。
桜の木も多く、閉館前の春爛漫の頃に来られたらいいでしょうね。

2025年1月18日土曜日

松濤美術館「須田悦弘」展

東京滞在中に観た展覧会は二つ。
まずは、須田悦弘さんの個展を観賞。

初めて訪れる渋谷区立松涛美術館
閑静な住宅街の中に突然現れる石造りの外観が素敵です。もちろん内部空間も素敵で、展示室もゆったりと鑑賞しやすく感じました。


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作品のほとんどは写真撮影可でした。
その中の印象に残ったいくつかをご覧ください。
道端で見かけるような雑草や草花が会場のあちらこちらにさりげなく生えています。さすがに本物と見間違うこともなく目が肥えてきましたが、それでも見つけたときは、ハッと嬉しいものですね。

朴の木で作られた草花の木彫作品だけでなく
古美術品の欠損部分を木彫で補う補作の作品もあり。
こちらは2年前の春日大社国宝殿で開催された「春日神霊の御生みあれ」で見かけた「春日若宮神鹿像」で、榊、鞍、角が補作。
数年後に瑞雲を制作されたが杉本さんよりダメ出しがあって、そのまた数年後に一回完全に作り直したそうです。
大学卒業後に就職した株式会社日本デザインセンターでのパッケージデザイン。写実的なデザインイラストが巧すぎます。

平面作品が写実的なだけでなく、もちろん立体作品の精巧さも写実的であるからこそ。
木彫とは思えないスルメ!
朴の木の花もたくさん制作されています。






「須田悦弘」展は2/2まで開催中。
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余談ですが、須田さんの作品関連のブログ過去記事です。
2008年 2012年

2025年1月17日金曜日

奈良博仏像館で「元三大師像」

1月15日 東京へ出発前にこの日から特別公開が始まった 奈良博仏像館での「元三大師像」を拝観してきました。(会期は3/16まで)

奈良博に来ると必ず御蓋山を撮ってしまいます。
つい6日前にあのお山に登拝させていただいたところなのに、もう遥か昔の出来事のように感じます。

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写真↑は「奈良国立博物館だより」より
ご命日が正月3日から「元三大師がんざんだいし」とも呼ばれ、延暦寺中興の祖としても知られる第18代天台座主・慈恵大師良源。

コロナ禍の大変な時期に延暦寺横川にお参りして、元三大師が自分のお姿を写し撮られたという疫病退散の護符「角大師」を求めました。

その時に、元三大師が鬼の姿になられた伝承を知ってびっくりしながらも、ものすごく有難い気持ちになって、いつかもう一度しっかりお参りしたいと思っていたところ、今年の4/26~6/2に東京調布の深大寺で、50年に一度しか開帳されない秘仏・元三大師像の大開帳があると知りました。

これは是非とも行かなければと思っていた矢先に、奈良博で3/16まで特別公開されるというニュースが入って、深大寺での公開期間が繁忙期と重なるために出かけられないかもしれないので、博物館でゆっくりと拝観させていただくことにしました。

前置きが長くなってしまいましたが、奈良博での公開は、文化財保存修理所で実施されていた本格修理が完成した記念に行われるもので、日本最大の肖像彫刻の迫力ある姿を間近で拝観できる機会となります。是非ご覧になってみてください。

元三大師が鬼の姿になられた伝承については、和楽の記事に詳しく書かれています→
横川で護符をいただいた時にこの伝承を知って、もっとがりがりに痩せておられると想像していましたが、中々恰幅がよくて坐像で高さ2m、肖像彫刻としては日本最大の大きさということです。

この後、東京へ出かけて帰りの日に深大寺に寄ろうと思っていたのですが、他用ができて叶わず、またの機会に訪れたいと思っています。
この写真↑の右下に見えるのが疫病退散の護符「角大師つのだいし
今も奈良倶楽部の勝手口に貼って守っていただいています。

2025年1月16日木曜日

小正月

小正月の1/15よりしばらく娘と息子宅へ遊びに行ってます。
実家に帰る藪入りならぬ子ども達のところでゆっくりさせてもらうのですが、あちこち行ってみたいところもあって、オフシーズンの冬の楽しみになっています。

ということで、しばらくブログはお休みいたします。
奈良俱楽部もお休みしていますが、愛犬ココと夫はお留守番。

奈良俱楽部へのお電話は、私の携帯に流れますので(着信記録が残りますので)、ご予約やお問い合わせのお電話やメールにすぐにお返事できなくても、しばらく後にお返事は差し上げますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2025年1月15日水曜日

冬の斑鳩の里

遠方より来る友の、中宮寺へ行ってみたいというリクエストに応えてご案内がてら、久しぶりに斑鳩の里へ。
聖徳太子ゆかりの中宮寺、法輪寺、法起寺にお参りしてきました。
中宮寺の御本尊、半跏思惟像。
アルカイックスマイルの魅力的な仏様の黒光りの輝くお姿に、金銅仏だと思い込んでいたのでしたが木像の仏様と知ってびっくり。近くで静かにお参りさせていただきました。
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法輪寺の三重塔は、今年再建50年の年になるそうで、時期はまだわかりませんが御開帳があるようです。
(HP より、三重塔の再建ものがたり
実は初めて拝観させていただきましたが、素晴らしい仏様方がいらっしゃって有難い思いでいっぱいになりました。飛鳥仏も彩色が美しく残っていて、1400年の時の流れも一瞬のように感じます。
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法起寺の三重塔は現存する三重塔の中で日本最古なのだとか。
手前左が、葉が3枚のものもある「三鈷の松」
収蔵庫中央の十一面観音像の見事な迫力に圧倒されておりました。
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冬枯れの静寂の中にも飛鳥時代に心を遊ばせて、これこそが奈良を訪れる楽しみではと、私もひととき旅の人になったのでした。

2025年1月14日火曜日

お水取りの予習「大導師の祈り」

「なら学舎」がお送りする、お水取りの予習 その1
上司永照師にインタビューして教えていただいた
「大導師の祈りとは何か?」を動画で公開!
・公開期間は2/1~3/14(何回でも視聴可)
・視聴時間:約60分
・視聴券:2500円
・大呪願と小呪願(大導師作法の核)のテキストデータ付き
・申込はこちら

2025年1月13日月曜日

1/13 Eテレ「グレーテルのかまど」

岡本彰夫先生ご出演の「グレーテルのかまど」は本日1/13 22時よりEテレで放送されます。

「よみがえる門前菓子」
神社仏閣の門前で、参詣者たちに人気の門前菓子。 人々の祈りと願いをのせて、愛され続けている。長い歴史を誇るものもある中で、いつしか消えてしまった門前菓子も数知れない。 そんな中、近年よみがえったのが奈良・長谷寺の門前菓子、女夫まんじゅう。 紅白のまんじゅうが重なりあう愛らしお菓子だ。
古い文献や土地の人々を訪ね、失われた菓子をよみがえらせた人々の物語!ヘンゼルも愛らしいまんじゅうに挑戦!(番組HPより)

2025年1月12日日曜日

「路地ぶら ならまち・きたまち」

冬の奈良をぶらり巡る「路地ぶら ならまち・きたまち 」

今年も1月2月の土日限定で「ならまち」「きたまち」の地元のお寺が、なら・観光ボランティアガイドの会「朱雀」の案内付きで拝観できます!

通常は拝観要予約のお寺が多いため、予約不要・案内付きで拝観できるのは、大変ありがたい機会なので、ならまちのお寺を廻って来ました。

拝観したのは、順不同ですが

十輪院近所の「宝徳寺」↑

「小塔院」↑↓

「聖光寺」↑↓


西光院↓
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帰りはNAOT姉妹店で新しくできた「entwa」さんへ。ここは以前ミアズブレッドさんがあったところなのですね。2階でお茶もできてほっと一息つきました。 
ならまちの路地をぐるぐる廻って、SNSで知っているだけのお店の実店舗を見つけると嬉しいものですね。 
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「路地ぶら ならまち・きたまち」の詳細はこちら

2月はまた違ったお寺が公開されるので行ってみようと思います。

2025年1月11日土曜日

1月のお出かけ情報④~後半の伝統行事

 1月後半の行事のご案内です。

◇1/16  西大寺 新春大茶盛式
10:00より西大寺鎮守八幡神社で献茶式の後
11時・12時・13時・14時の4席を予定
拝服料:2000円
申込み:1/13までに電話、ファックス、メールにて申込み。     
TEL:0742-45-4700 / FAX:0742-45-4720     
Mail: saidaiji@marble.ocn.ne.jp

◇1/16~1/18 13:00~ 法隆寺  夢殿修正会
◇1/16 10:00~ 白毫寺 閻魔もうで

◇1/18 松尾寺 初観音
◇1/18 岡寺 初観音
◇1/18 壺阪寺 初観音

◇1/19 おふさ観音 初えびす大祭

◇1/19 10:00~ 「天神社 篠原踊り
室町時代より継承し狼退治及び豊作祈願奉納。県無形文化財
第3日曜日に開催。
問合せ:五條市役所(0747-22-4001)

◇1/21 西大寺 初大師法要

◇1/21 5:30~   信貴山朝護孫子寺二の寅大法要

・癌封じ祈祷は8:00~16:00、本堂にて随時実施。

・拝観料800円にて、笹娘による笹酒(または笹水)拝受と諸堂拝観(嘶堂と宝物殿)。

・光仁天皇御忌法要は7:30頃より厳修(一般参拝可)

・JR、近鉄奈良駅から大安寺門前までの臨時直通バス運行。

・大安寺駐車場は利用できません。公共交通機関でお越し下さい。

その他の詳細はこちらでご確認ください。

室町時代より継承し狼退治及び豊作祈願奉納。
県指定無形民俗文化財
問合せ:五條市役所大塔支所(0747-36-0311)

※今年(2025年)も中止されます。

◇1/25 若草山の山焼き
18:15 花火打ち上げ(15分間600発の花火)
18:30 若草山焼き一斉点火
※山焼き関連催事やイベントについては→
※聖火行列などの当日の祭典については→
当日の開催案内(自動音声)050-3626-2211

◇1/25 13:00~16:30 春日大社 大とんど
小正月の伝統行事である「大とんど」を境内の飛火野で開催。
飛火野に火炉(5m×2m、高さ2m)を設置し、
古いお札やお守り注連縄飾りなどを焚き上げます。
当日の会場への直接の持ち込みも可能。
事前に市観光協会にて募集したボランティアにより、
ダイオキシンが発生しないようお守りなどからビニールを除去する
分別作業を行い、環境にも配慮した大とんどにしています。

◇1/26 10:00~ 法隆寺金堂壁画焼損自粛法要
金堂・収蔵庫での法要は関係者のみ。
法要終了後に防火訓練の放水が鏡池であり。

◇1/28 11:00~16:00 十輪院 新春初護摩大祈祷

2025年1月10日金曜日

春日大社「十日えびす」

春日大社にお参りさせていただいている投稿が続いていますが、本日も春日大社 佐良気神社「十日えびす」へ。今年は午前中に伺って、十日会会員として笹配りのお手伝いを少ししていました。





お手伝いの人は、春日大社の社食を神職さんや巫女さんたちも一緒の食堂でいただけるのです。 
本日の日替わりはカレーライス!とても美味しくいただきました。