2024年9月17日火曜日

県美「エドワード・ゴーリーを巡る旅」

奈良県立美術館で開催中の「エドワード・ゴーリーを巡る旅-」展。
「不思議な世界観と、モノトーンの緻密な線描で世界中に熱狂的なファンをもつ絵本作家エドワード・ゴーリー(Edward Gorey, 1925-2000)」・・・と、公式サイトに紹介されているように、「不思議な世界観」そして「綿密な線描画」が印象的すぎて、鑑賞している最初は少々難解に思えたのです。

原画の作品も非常に小さく、その小さい画面にモノクロでびっしりと描かれた線。
あまり楽しそうにも思えないし、これに絵本の中の文章があればもう少し印象が変わるのにと思いながら鑑賞しておりました。

ゴーリーは、バレエ振付師のジョージ・バランシンの熱心なファンで、彼が主催するニューヨーク・シティ・バレエ団の公演にはほぼ欠かさず通い、舞台演出も手がけるようになっていたそうで、第三章で展示されている舞台芸術をテーマにした作品群にはとても魅力を感じました。 

展示室の間に絵本が読めるスペースがあり、原画には添えられなかったお話を絵本で読むことができたのもよかったです。

一階では「エドワード・ゴーリーと日本文化-20世紀アメリカの眼-」という関連企画があり、ゴーリー作品と県美所蔵の日本美術の作品を関連させて展示をしています。それを見ると、日本美術に多大な影響を受けているのがよくわかって、これは面白かったです。



エドワード・ゴーリーを巡る旅
会場:奈良県立美術館
会期:2024年9/14~11/10
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:9/17(火)9/24(火)9/30(月)10/7(月)10/15(火)10/21(月)

2024年9月16日月曜日

県立図書情報館企画展示から源氏物語へ

「東大寺境内早朝散歩」の資料として借りていた東大寺関係の本を返しに県立図書情報館へ行った折に見たのは、県美で開催される「エドワード・ゴーリーを巡る旅」関連図書展示でした。 
ゴーリーの著作や挿画を描いた本をはじめ、ゴーリーが愛したものや影響を与えたとされるものが紹介されているのですが、その中に「源氏物語」がありました。

関連書籍として、何冊か源氏物語が置いてあり、その中の一冊に、私が高校の時に初めて読んだ源氏物語の現代訳をされた円地文子さんの本が展示されていました。
展示本だけれど借りることができるらしく、早速借りてきました。


久しぶりに源氏物語を手に取って思い出したのです。
奈良倶楽部を始めて2〜3年後に橋本治さんの「窯変源氏物語」が発刊されて、夢中になって読んだこと。

実は今も奈良倶楽部の図書室の奥に眠っているのです。 
この本の奥に・・・
1991年から92年にかけてほぼ毎月、刊行されたらすぐに本屋に飛んでいって買って一気読み。
当時JR奈良駅近くにあったスーパーダイエーの本屋さんに買いに行っていたことなどなど懐かしく思い出して、でもなぜか途中で読むのを止めていて(なぜ?)
全巻揃えなければと、最後の12〜14巻を先程Amazonでポチ(笑) 
「光る君へ」に夢中の今だからこそ、また再びあの世界に沼ってみようと思います。
 
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話は飛びますが、この半年ほど、郡山の本屋「とほん」さんが選んだ本を毎月配本してもらうプランを利用して、恥ずかしながら全然知らない作家さんの書いたものを読んでいました。
20代30代40代50代と一世代〜三世代以上若い作家さんの書かれた本の内容が、時には頭に入ってこなかったりもしましたが、読み終えてこの人の他の作品も読んでみたいと思った作家さんもいて、図書館に行ったついでに借りてきました。 
写真の左側が借りた本、右側がとほんさんセレクトの本です。
今月に最後の一冊が届くのと、その後もまた半年かけて本のお届けをされるのでちょこっと楽しみにしているところです。
他人に選んでもらって本を読むというのも新鮮でした。 

2024年9月15日日曜日

9/21~9/23「奈良のトビラ:宮城編」

「奈良のトビラ」宮城編は、いよいよ来週!
9/21(土)9/22(日)9/23(月・祝)の3日間
仙台市青葉山公園 仙臺緑彩館 にて開催されます。
「奈良においでよ、奈良トーク」では、奈良のトビラメンバーと奈良県庁奈良公園室職員の方とのトークイベント。奈良公園を中心にお勧めスポットや楽しみ方についてのお話が聞けます。
トーク時間以外でも奈良の観光案内はしますので、お気軽にお尋ね下さいということです。
宮城編では、国営飛鳥歴史公園50周年キャンペーンとのコラボレーションで、飛鳥時代を体感できる様々なWSも開催されます。
球体投影機「タジック・アース」を使って、国宝壁画「キトラ天文図」の解説や、太陽系惑星など天体もお楽しみいただけます。
(参加費無料/各回30分/時間は上の写真に↑)
また、高松塚古墳内部や古代の飛鳥京をバーチャル映像で体験したり、飛鳥の粘土でお寺の瓦や、飛鳥の石造物なども作れます。

もちろん奈良のトビラの商品も盛りだくさん!
数量は少ないですが、「キトラの星座早見箱」「海獣葡萄鏡」は仙台だけの限定販売だそうです。
仙台近郊の方、是非お出かけくださいませ!

2024年9月14日土曜日

9/21「講堂・三面僧坊跡現地説明会」

 9/21「東大寺講堂・三面僧坊跡発掘調査現地説明会」開催

当日は9:30~15:30の間、申込み不要・入場無料で見学できます。
10:00~/11:30~/13:00~/15:00~の4回、説明があります。
詳細は東大寺HPのこちらをご覧ください。

2024年9月13日金曜日

埼玉近美で永瀬さんの人形作品

「いざない館」「まほろば館」での展示をタイミングが合わずに見逃してしまった皆様に朗報です!

9/17~9/22の会期中、埼玉県立近大美術館・一般展示室3「ボローニア展」に、永瀬卓さんの人形作品が並びます。

「ボローニア展」は大学時代の友人達とのグループ展で油彩画、銅版画、陶芸、工芸などが並び、永瀬さんは人形を4体出品されます。
ただ「万葉挽歌」展の人形は出品されず、まだどの人形が並ぶかは思案中とのこと。

写真はDM写真の都合上、出品確定の「花筐」。  
「万葉挽歌展」で拝見した以外の人形が見られるというのもファンには嬉しいですね。
埼玉県近郊の方、よろしければ是非お出かけくださいませ。

2024年9月11日水曜日

11/17に「朝歩きツアー」再開催します*

台風10号の影響により中止になった、「ちとせなら」主催の『地元女将とディープに歩く!東大寺“朝歩きのススメ”』ツアーですが、2024年11月17日(日)に再開催されることになりました。

「ちとせなら」さんでは、前回お申込みのお客様優先とされますので、新たに応募いただける場合は9/18から受付開始となるようです。
またそれに合わせて、奈良倶楽部ご宿泊予約も前回お申込みのお客様優先となり、同じく9/18以降に受付開始とさせていただきます。

11月は二月堂の鐘が朝6時に撞かれますので、集合時間は5時40分、解散時間は8時頃の予定で、ご宿泊者の朝食は8時半頃になります。

日の出の時間も、秋分の日を過ぎて一気に遅くなり、夜明け前からの朝歩きとなりますが、ちょうど紅葉も見頃と思いますので、朝陽に輝く秋色の奈良公園をご一緒に歩きましょう。
どうぞよろしくお願いします。

2024年9月9日月曜日

東京で出会った奈良

「奈良まほろば館」で先週末に開催されていた「人形から見る古の奈良‐東京編‐展」も大盛況のうちに無事終了。
私も初日に駆けつけておりまして、奈良倶楽部のお客様やブログ読者の方にもたくさんお会いすることができました。

今回「奈良まほろば館」周辺でちょこっと寄り道したところは、奈良に関係するところばかりでした。

まず立ち寄ったのが、銀座松屋の「NARA TEIBAN」ショップ。
こちらは、奈良のいいもののセレクトショップで、松屋に常設ショップを持っています。私はこちらで取り扱っているニット製品が好きで、東京へ出た機会によく立ち寄っているのですが、ここで吉野の「聖山」の坪岡さんとバッタリ! 
東京で、奈良の知り合いに出会うとちょっと嬉しいですね。
「TEIBAN」ではお洋服の他に奈良のイイモノいっぱいなのですよ。

そして「まほろば館」2階にあるレストラン「TOKI」へも。
「人形から見る古の奈良」展に来場してくれた学生時代の友人達には、前日に東京へ向かう新幹線車中でお知らせしたのでした。
実は、夏の疲れがひどくて、東京へ行くかどうかを前日まで迷っていたので、友人達への連絡も直前になってしまったのですが、その友人達も体調万全でないから行けるかどうかは当日次第というお返事。
でも当日は何故かみんなでランチタイムに集まれたので、展示会場お隣のレストランでランチとなったのでした。
(日曜日定休日の「TOKI」さんは今までタイミングが合わず、今回ようやく行くことができました!そして、平日限定ランチは予約なしで大丈夫だったのもよかったです)
奈良の食材をふんだんに使ったお料理の美味しかったこと!
奈良のお野菜のスープには桃も入っていてちょっとした隠し味になっていました。
メインの大和肉鶏のコンフィに添えられた柿のフライと柿のジェラードも、柿好きにはたまらないメニュー。
追加でデザートとコーヒーもいただきました。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、「TOKI」さんは、奈良のレストラン「akordu」さんの東京店。また行ってみたいお店でした。

2024年9月6日金曜日

「人形から見る古の奈良‐東京編‐展」へ*

 「奈良まほろば館」で今日明日と開催中の「人形から見る古の奈良‐東京編‐展」へ、展示前日の搬入のお手伝いにちょこっと顔を出し、本日も少しお邪魔してきました。

長机のセッティングを終えて、楽屋で出番を待つ人形たち。
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展示初日は、朝から大勢の方がご来場下さって
会場は終日賑やかに、でも入場制限しなければいけないほどでもなく、絶えず途切れず多くの方にご来場いただいていました。 
静かに人形に見入る人、思い思いに写真を撮る人、「東京で開催して下さってありがとう」と伝えて下さる人。
奈良の「いざない館」ではここまで近寄れなかったという距離で鑑賞もでき、細かいところも見ることができました。
大津皇子の辞世の句がびっしりと書き込まれているのも確認↑
中将姫さまが都会のビルが見える空間に!↓

初めて人形をご覧いただいた皆様から静かな感動の輪が広がっていくような、不思議なそれでいて とてもあたたかな空気に包まれた会場で、奈良倶楽部のお客様や、Instagramのフォロワーさんもたくさんお越しいただいて、お声もかけていただきました。
短い時間でしたが行ってよかったです。
お越しいただいた皆様、どうもありがとうございました。
 
展示は明日9/7(土)一日のみです。(11:00〜17:00)
是非、どうぞお越しくださいませ!

2024年9月2日月曜日

建仁寺「小泉淳作展」

東大寺本坊の襖絵に奉納された「蓮池」や「しだれ桜」など、小泉淳作画伯の作品が拝見できると、8月の終わりに京都最古の禅寺「建仁寺」へ行ってきました。
双龍の画家 小泉淳作展
画伯の生誕100年を記念しての大回顧展。作品鑑賞は、南の勅使門から入ってすぐの塔頭「禅居庵」からスタートしました。
こちらでは、初期の作品が展示されています。
ルオーやビュフェの影響を受けた重厚な作品。

風景画や、花卉や野菜などの静物画に、深遠な水墨山水画・・・と、描く対象の変遷があれども、力強くそれでいて丁寧に描きこまれた作品はみな素晴らしくて、魅入ってしまいました。
そういえば、2011年に大阪高島屋で開催された作品展を拝見して、とても感動したことを思い出しました。

その後、いよいよ本坊の展示へ。
まずは法堂の天井に描かれた双龍図を拝見。
双龍図は建仁寺創建800年を記念して2002年に奉納されたもの。
私は今回で3度目の拝観となりますが、何度見ても迫って来る大迫力に圧倒されてしまいます。
方丈から枯山水庭園の向こうに見た法堂。
本坊の中庭 潮音庭の向こうに大書院。
晩年の画伯が命を削るようにして描きあげられた東大寺本坊の襖絵「蓮池」は圧巻。本当に素晴らしかった!
同じく、光明皇后千二百五十年御遠忌を記念して奉納された「しだれ桜」にも会えました。
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2011年に光明皇后千二百五十年御遠忌記念として奉納された本坊の襖絵は、数年程毎年桜の時期に特別公開されていましたが、ここ数年は公開もされず、また拝見できる機会があればと願っていました。
今回は建仁寺という東大寺ではない場所での公開でしたが、久しぶりに拝観できて有難いことでした。
特別サイトを見ていると、夜間拝観もあるようで→
会期末(9/23)までにもう一度見に行ければいいのですが。

参考までに・・・
東大寺での小泉淳作画伯の襖絵特別公開過去ブログ記事です。
2011年 2012年 2013年
2014年 2016年 2018年

2024年9月1日日曜日

12月のご予約ありがとうございました*

9月になりました。
ゆっくりペースで進路の読めない台風に翻弄されたここ数日でしたが 
幸いにも、こちらは大雨や強風に見舞われることもなく過ごしています。台風の被害に遭われた地域の皆様にはお見舞い申し上げます。


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12月のご予約を9月1日からスタート致しまして、あっという間に大晦日は満室をいただきました。どうもありがとうございました。

奈良倶楽部は客室数が少なく、人気の日はご予約が重なりますので、フライングなしの一斉スタートで受付開始させていただきました。
もし予約しそびれてしまったという場合は、キャンセル待ちをお受けしていますので、ご連絡いただけますでしょうか。
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こんなことを書きますと、普段から予約が殺到?と思われてしまいますが、全然そんなことはなく、いつもは割とのんびりペースで営業しています。
また「予約しそびれる」というか「予約することにぐずぐず迷ってしまう」ことが、私自身もよくあるのに、こういう予約方式を取ってしまい申し訳なく感じています。
こんな気持ちで始まった9月ですが、今月も安心安全を心がけてまいりますのでよろしくお願い申し上げます。

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トップの画像は、館内のエアコンオフの時間帯にお花を厨房(冷蔵庫のためほぼ一日中エアコンを入れています)に避難しているの図。
毎日の水替え水揚げは好きな仕事の一つで、暑い夏にできるだけお花が持つとそれだけで嬉しいものですね。