2024年7月21日日曜日

春日大社「旬祭」と「旬祭講話」

春日大社で毎月1日11日21日に行われている旬祭。
月に3回の内、21日は一般の者も参列ができ、旬祭の後には「感謝共生の館」にて神職による旬祭講話が行われます。

7月は「十日会」の例会も兼ての旬祭参列でした。
神事を斎行される宮司さん、神職さん達が来られる前に御廊にて待ちます。その際に、進行係の神職さんよりちょっとした四方山話などを伺いました。
御本殿前の中門から左右に広がっているのが御廊で、江戸時代までは興福寺の僧侶が読経をする場所だったとか。障子の桟が一筋しかないのに2枚の障子で構成されている構造が不思議でしたが、ちょうど障子の傍だったのでその謎がわかりました。
また御本殿の神様からは御廊にいる参拝者も、障子が開いていると連子窓を通して、林檎の庭もお賽銭箱前の参拝者も見えるそうです。
(これは旬祭前日に神職が御本殿前の鏡を綺麗にする時に見えるのだそうです)

(中門↑の写真は、式年造替で御本殿をお留守にされている2015年に撮影)

そんなお話を聞いた後に厳粛に旬祭が斎行され静粛に参列しました。

そして場所を「感謝共生の館」に移して、旬祭講話を拝聴します。

今月は、岡権禰宜による「能登を想う」です。

2016年11月、春日大社式年造替正遷宮奉祝行事で、珠洲市飯田町の春日神社さんより「燈籠山とろやま」が、飛火野にお出ましになってお祝いをしていただいたというご縁(その当時のブログ記事)があり、5月に地震のお見舞いに珠洲市を訪ねられた時の様子を写真と共にお話下さいました。
(写真は飛火野での燈籠山、足元には燈花会の明かりが灯っています)

春日神社の祭礼「燈籠山祭りとろやままつり」は毎年7月20日21日に行われ
高さ16mの「燈籠山とろやま」と呼ばれる巨大な山車が出ます。
こんな感じ↓(公式サイトより写真は拝借)
「燈籠山祭り」の正式名称は「おすずみ祭り」といい、神様の夕涼みという意味と祭礼で罪・穢をお祓いするという側面があるのだそうです。今年は、燈籠山巡行のルートが7月から始まった道路の復旧ルートと重なるので、燈籠山巡行はなく神事のみの「おすずみ祭り」で斎行されたそうです。

今回の能登半島地震は3度目で、一昨年6月の震度6の地震で春日神社では鳥居が倒れ、昨年の「燈籠山祭り」までに再建。昨年も震度6の地震が起こり、今年の元日には震度7で再び鳥居が倒れます。
その他に訪ねた珠洲市の神社も被害が大きく、実際に写真で伝えていただいて惨状を知るばかりでした。

能登では7月から9月にかけて各神社で「キリコ祭り」が行われます。「キリコ」というのは巨大な燈籠のことで、何枚か写真を見せていただき、この盛大なお祭りを(自分が知らなかっただけかもしれませんが)どれだけの日本人が知っているのだろうと思いました。
(能登のキリコ祭りについてはこちらのサイトに詳しいです)

神社の復旧だけでなく生活再建も進まない中での、この夏のキリコ祭りは縮小開催や神事のみのところもありながら、概ね開催されるようで、祭りを通して祈り、希望を胸に抱かれるのかもと感じました。
とにかく、あまりに知らなすぎましたが、こうしてほんの少しだけでも知ることができ、また想いを馳せることができました。