2024年7月13日土曜日

「万葉挽歌-人形からみる古の奈良-」

 『万葉挽歌〔レクイエム〕-人形からみる古の奈良-』展


平城宮いざない館」にて、いよいよ開幕です! 
前日の内覧会に、一足お先にお邪魔してきました。 

会場に入った途端に、気高く繊細で儚げなお人形が目に入ります。
そしてよく見ていくと、奈良の歴史や万葉集の世界が楽しめる展示構成になっています。

内覧会では学芸員の方にレクチャーを受けてより一層理解が深まりましたので、ギャラリートーク(日時の詳細は下段参照)に参加されることをお勧めしますが、図録にも詳しい解説が載っています。
(図録は「奈良のトビラ」で販売されます)
2020年3月にご宿泊いただいた永瀬卓先生にお人形の写真を見せていただき、それから実際に拝見したいと願っていた人形たち。
ようやく実際に目にすることができ、展覧会開催までの道のりを思うと感無量になりながら、静謐な人形の世界を堪能してきました。

実物を拝見していると、作者の永瀬卓先生のこだわりが随所に見られて、これもまた実際に拝見できる楽しみかなと思います。
例えば、人形が手に持つ紅葉や松の枝や花、椎の葉に包まれた飯などの小道具は全部手作り。 



繊細で上品なアクセサリー、イヤリングや髪飾りなども手作りで、そのセンスの良さに脱帽してしまいます。
衣装は「典具帖てんぐちょう」というとても薄い和紙を何枚も重ねて顔料で染め、紋様も手描きで作られています。
衣装の淡い色彩や取り合わせ、配色の妙にも唸ってしまいます。
そして何より驚いたのは大伯皇女のひれに朝露が!左手のあたり↑
(これは特殊な樹脂で作られたそうです)
坂上郎女の眉毛を掻いている人形。眉が痒くなるのは想い人に会える前兆と信じられていたそうで、歌の三日月と眉の形容をかけていることも、レクチャーで教わりました。 

今回の展覧会では、永瀬先生が長年制作してきた古代奈良をテーマにした人形を手掛かりに、奈良の歴史の奥深さや広がり、万葉集の世界をよりよく知ることができます。
また写真撮影・SNSへの投稿もOKです。
会期も長いので、ぜひぜひどうぞお出かけくださいませ。

 『万葉挽歌〔レクイエム〕-人形からみる古の奈良-』展
会期:令和6年7月13日(土) ~ 9月1日(日) 期間中無休
会場:平城宮いざない館(入場無料)
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
会期中のイベント:
◆7/27(14:00~)・8/9(14:00~)・8/12(11:00~) ギャラリートーク
事前申込不要 / 各回60分程度
◆8/12 13:30~15:00 トークイベント
「小さな出会いが結んだ大きな物語」
会場:平城宮いざない館 多目的室
出演者:永瀬卓氏・中田文花氏・岩戸晶子氏
申込先:こちら(事前申込制/参加無料)