2021年8月5日木曜日

奈良大学博物館「拓本展」

東大寺塔頭・龍松院 筒井家所蔵の貴重な拓本が、8/31まで奈良大学博物館で展示中です。


筒井家所蔵のコレクションには、今では採拓が不可能な国宝・重文クラスの文化財の拓本が多く含まれ、以前から美術や歴史関係者には貴重なコレクションとして知られていました。
今回は、それらの中から飛鳥時代から平安時代にいたる仏像、光背、装飾品など91点におよぶ作品が展示されています。
チラシの表面↑と裏面↓

拓本とは、対象物に紙や絹などをかぶせて、上から墨を含ませたタンポを打って対象物の凹凸を写し取ったものをいうのだそうですが、よくこのような立体的なものを美しく採拓できたなぁと全てに感心しきりでした。

チラシ裏面の
「東大寺誕生釈迦仏像」は東大寺ミュージアムで拝観できますが、こうして拓本で見ると、何とも愛らしい幼児らしさを感じますし
「東大寺八角灯籠音声菩薩」は拓本で見るとこんなに大きいと知り
その他にも
「薬師寺東塔水煙」の飛天の衣のリズミカルな美しさや
「東大寺法華堂不空羂索観音像宝冠化仏」は盗難にあった宝冠が戻ってきて採拓されたもので、普段は目にすることができない部分が細部まで拝見できて何とも有難いし(前に飛び出ている右手のひらは別に採拓して貼り合わせてあるのです)
また「法隆寺献納宝物四十八体仏光背」は明治11年の献納前に採拓されたものだそうで、貴重なコレクションも拝見できました。

光背は平面だから採拓し易い(?)のか、光背の拓本が多かったようですが、一つ一つの光背に描かれた世界観の美しさを改めて知ることができる貴重な機会だと思いました。

会場:奈良大学博物館
会期:8/31まで
休館日:月曜・祝日および8/13~8/18
開館時間:9:00~16:30(土曜日は12:00まで)
入館料:無料