残念なことに奈良県立美術館の臨時休館が5/30まで延長になりました。・・・ということは、会期終了が5/30の「高島野十郎展」はもう観ることができないということです。
美術館は適度な距離を保って観覧できるし大声で会話をすることもないので、できれば、せめて奈良県在住者や奈良県内に通勤通学している人は観覧できるようにしていただければいいのにと、とても素晴らしい展覧会だったからこそ、惜しい気持ちで思います。
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さて、4月に鑑賞した 「高島野十郎展」ですが、臨時休館明けに鑑賞記をアップしようと下書き保存していたものを更新します。
そうして、生涯の作品を時代ごとに追う展示室を進んでいくにつれて、その作品にどんどん惹かれていきました。
確かな写実から生まれた作品に宿る「静謐な温かみ」に、観ていて心が満たされていき、特に戦後期に描かれた風景画の小品たちから発せられるオーラに鑑賞することの喜びを感じました。
確かな写実から生まれた作品に宿る「静謐な温かみ」に、観ていて心が満たされていき、特に戦後期に描かれた風景画の小品たちから発せられるオーラに鑑賞することの喜びを感じました。
また最後の展示室の「蝋燭」の作品がどれも素晴らしく
サムホールという小品で何点もあるのですが、連作の一点一点が微妙に光の様子が違うのです。それを一堂に観ることで、画家が生涯を通して追求した「光と影」について、なんとなく朧げに伝わってくるものがありました。
「日本人にしか描けない油彩画と呼びたい非常に穏やかで理知的な表現の作品を残している」サムホールという小品で何点もあるのですが、連作の一点一点が微妙に光の様子が違うのです。それを一堂に観ることで、画家が生涯を通して追求した「光と影」について、なんとなく朧げに伝わってくるものがありました。
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作品の素晴らしさを伝えるのにありきたりの言葉でしか表現できず、うまく伝わっているかわかりませんが
県美HPを見てみると、4月から県美の新館長に就任された籔内佐斗司さんの「館長の部屋」に特別展に寄せた文章があり、高島野十郎の画業について表現された言葉を少し抜粋させていただきます。
「対象を素直に表現している」
「奇を衒わない『さらり』とか『はんなり』とでも評したい画風を、油彩画で完成した」
「油彩画の画材と技法を完全に自己のものとし、日本人の感性で表現しきっています」
新館長も大絶賛の展覧会、再開館したら是非ご覧ください。
※福岡県立美術館のバーチャル美術館「高島野十郎の世界」★で、その魅力の一端を味わっていただけます。
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会場:奈良県立美術館
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
※県美の次回展覧会は「ウィリアムモリス展」
こちらも楽しみです!(6/26~8/29)