2020年9月19日土曜日

京都市京セラ美術館「杉本博司 瑠璃の浄土」

京都市美術館が京都市京セラ美術館としてリニューアルオープンして、新しくできた新館「東山キューブ」にてリニューアル記念展「杉本博司 瑠璃の浄土」が開催されています。 

展示作品の一部は撮影可でした。



新作の大判カラープリントシリーズ「OPTICKS」 は、作者にしては珍しく色を撮影した作品。解説を読むと、朝日をプリズムで分光した光の階調をポラロイドで撮影し、デジタル技術を一部導入して大型プリントに仕上げたもので、「色そのもの」を撮影した初めてのカラー写真だそうです。
展示室に入った瞬間、マーク・ロスコを連想してしまうような絵画の印象でしたが、素晴らしい光の色調に魅入ってしまいました。

その他に、ちょっと驚いたのは、京都蓮華王院本堂(通称:三十三間堂)中尊の大判写真作品の前に、結界のように置かれた、転害門の天平時代の垂木。
この垂木がここにやってきた経緯も知りたいところですが、思わず合掌してしまいたくなるくらい素晴らしい中尊の写真の前に時代背景の違う垂木が置かれていることに少々複雑な思いを感じたのは、私が奈良に住んでいることにも関係しているかもしれません。

瑠璃ー硝子にまつわる考古遺物の展示品の中には、正倉院御物にあったような白瑠璃の硝子茶碗もあり、ここでも奈良県人のツボが刺激されまくりでした。



そして、屋外の日本庭園には、硝子の茶室「聞鳥庵モンドリアン」も設置。日本初公開のこの茶室は会期終了後も来年1/31まで無料公開されるそうです。

会期は10/4まで。入館は当面の間 予約制ですが、Web申込だと当日予約も可能で、まったくストレスを感じずに予約完了できました。

ブログ過去記事ですが・・・
杉本博司氏設計の「小田原文化財団江之浦測候所」
金沢21世紀美術館で開催された「杉本博司 歴史の中の歴史」展
どちらの過去記事にも、「奈良」関連の展示物に奈良県人のツボが刺激されている様子を書いていて、毎回同じ感想を持っていることにちょっと笑ってしまいました。