今日から始まった「令和記念 興福院特別拝観」。
興福院こんぶいんさんの拝観は電話で要予約となっていますが、実は今まで拝観許可をいただいたことがなく、めったに拝観できないお寺さんという認識があったものですから、約20年ぶりに予約なしで拝観できるこの機会は大変ありがたく、早速お参りに行ってきました。
いつもはここまでしか覗き見ることしかできないので、この中に入れることがとても特別なことのように感じられます。
門の正面に本堂が見えますが、拝観順路は左手の客殿から入ります。
興福院は奈良時代に創建された美しい尼寺で、客殿(重文)のお庭は、小堀遠州作庭と伝わっています。
とにかくお庭を拝見したいという思いがあったのですが
客殿内部の室礼や、渡辺始興筆襖絵(江戸時代・重文)の素晴らしさ
そして、仏前へのお供え物の下に敷く「打敷うちしき」という美しい刺繍が施された敷物の展示に、まず目が釘付けに。
この「打敷」は興福院にたくさん伝わっているそうで、こちらも徳川家ゆかりの方から寄進されたもの。(詳しく言うと、11代将軍 徳川家斉の19男の正妻俊恭院よりの寄進だそうです)
また江戸中期の刺繍を代表する「興福院江戸掛袱紗」の写真展示もありました。徳川幕府から受けていた庇護も明治初年に禄を失い、 明治6 年(1873)に浄土宗 知恩院の所轄となり、今日まで由緒ある尼寺として法灯を保っていると、お寺の由来にありましたが、打敷の素晴らしさや「興福院江戸掛袱紗」の美しさから、奈良の小さなお寺でありながら幕府から大切に庇護されていたことが想像できました。
客殿内部の素晴らしさを堪能して
客殿から遠州好みの庭園を拝見。そして客殿からはこの階段と渡り廊下を伝って、小高い佐保山麓に立つ本堂へ向かいますが
その前に御霊屋(江戸時代)を外から拝見。
御霊屋みたまやは代々の徳川将軍の位牌をお祀りしている霊廟で
こちらからは遠く興福寺の五重塔を望むことができるのでした。
渡り廊下から本堂が見えてきました。
ご本尊の阿弥陀さまは天平時代のもので重文。
とてもとても素晴らしい仏さまでした。
本堂の前には、江戸時代、十代将軍徳川家治寄進の鐘楼。
本堂を拝観した後は、石段を下って出口へと向かいます。
お庭の手入れが少し行き届いていないかなという印象はありましたが、由緒あるお寺の寺宝をたくさん拝観させていただきありがとうございました。
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おまけの画像>>
境内の案内板に野の花が添えられてとても好ましく思いました。
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「令和記念 興福院特別拝観」
拝観期間:11/6(水)~11/8(金)11/22(金)~11/24(日)
拝観時間:9時~16時(受付は15:30まで)
拝観料 :大人 1000 円・中高生 500 円・小学生以下無料