2019年9月13日金曜日

「賞道」についてとイベントご案内

フェイスブックのイベント案内で近頃「賞道」という言葉をよく目にするようになりました。
女将の会でご一緒の「ホテルサンルート」さんでも賞道のイベントがあるようですし、同じく「旅館松前」さんでは一年前に賞道のイベントを開催されていたのです。

先日の女将の研修会で、サンルートさん、松前さんのお二人に「賞道って何?」とお聞きして、ようやくわかったところに、倉橋みどりさんからも「賞道」にプラスアルファの素敵なイベントのご案内をいただきました。

イベントのご案内の前に、まず「賞道とは?」
デジタル復元師の小林泰三氏が手がける新美術鑑賞活動のことで

こちらのサイトにわかりやすく書いてありましたので引用します。

日本における実技以外の美術教育はその多くが「〇年に〇〇によって作られた」と知識主体で進められてきました。しかしながら日本美術はそのほとんどが生活用品です。 
屏風は広い空間を仕切るパーテーション、掛け軸はそれひとつで部屋の印象をがらりと変えてくれます。日本人は古来よりシンプルな空間をこうした道具を差し色として使うことで季節感や個性を演出してきました。また、絵巻物はスクロールするという手による操作で初めて完成します。 
こうした背景もあり、日本美術を作品と知識を結びつけるだけでは美術品たちの価値を伝えるには不十分です。保存などの観点から均一な照明のもと生活空間と切り離され、平面的な展示をせざるを得ない美術館・博物館では、どのような生活シーンで使われるもので、なぜそのようなデザインになるのかはどうしても伝わりにくい状態です。 
こうした従来の日本美術の鑑賞体験に疑問をもった小林泰三氏は、2004年から本格的に新美術鑑賞運動「賞道しょうどう」を提唱、自身で考証、制作当時に復元した美術品を実際に参加者に使ってもらい、日本美術鑑賞を体験中心に紹介する取り組みを全国でおこなっています。 
既に年月を経た作品をそのままの状態で復元し、展示する事例は多くありますが、制作当時の状態へと復元し、実際に参加者に使用してもらう体験の提供を継続的におこなってきたのは小林泰三氏ならではの革命的な取り組みです。

ということで、日本美術のほとんどは生活用品であったという視点に驚きながら、「賞道」を実際に体験してみたくなりました。

松前さんとサンルートさんで行われた「賞道」のレポも「小林美術科学」のサイトから引用させていただきます。
まず一年前に行われた松前さんでのイベントはこちらに詳しく書かれています。この日の題材は「山越阿弥陀図屏風」。
またサンルートさんでのイベントで、8/31に行われた「年中行事絵巻 祇園御霊会」のレポはこちら
サンルートさんでは9/21・9/22・9/23の3日間も「高松塚古墳壁画」を題材に「賞道のすすめ」が開催されます。詳細・申込みはこちら
そして倉橋みどりさんからご案内いただいたのは・・・
舞踊家・山村若女さんのお稽古場で開かれる「茶論 雪月花」での 第一回めのゲストが「賞道」の小林泰三氏という偶然!
今回は「月」をテーマに 「国宝・日月山水図屏風」だそうです。
金剛寺所蔵のこの屏風の美とは? 日本文化における「月」の話などを、色彩の専門家の視点、舞踊家の視点、俳人の視点で話を展開していき、最後に、山村若女さんの舞と倉橋みどりさんの即興の一句。
山村若女さんのお稽古場で開かれる「茶論 雪月花」は、今後も季節ごとに開催予定で、多彩なゲストを招き、色んなジャンルのお話を伺う場にしたいということです。

「第一回 茶論 雪月花」
日時:9/22(日)19:00~20:30
会場:小西さくら通り 山村若女稽古場
ゲスト:デジタル復元師 小林泰三氏
参加費:3500円(和菓子とお茶付き)
定員:15名
申込: 前日9/21までに倉橋みどりさんまで(090-6204-9919)