2019年7月3日水曜日

「大祓詞を唱える会」と「夏越大祓式」

6月30日 水無月 晦日  春日大社にて。
「夏越大祓式」の前に、4年ぶりに今回も、午後からの講座「大祓詞を唱える会」に参加して臨みました。
12時半より1時間程「感謝共生の館」にて大祓詞に関連しての講話(今回のテーマは「他界」について)があり、その中で印象に残ったものとして・・・
かつて、御本殿前を高天原とした場合に飛火野は「他界」であった。飛火野は、江戸時代まではうっそうとしていて、爽やかなイメージとなったのは近代以降だったという事実に驚きました。
大祓詞は奈良時代には成立していて、平城宮朱雀門の前で「大祓式」が行われていたことなど、ちょっとした豆知識も仕入れたり。

その後、大祓詞を唱えるのですが、その前に瞑想体験をします。
暗くした館内に沈香が焚かれ、太鼓の低音が響きます。薫りで場を浄めて、音に集中しながら、細く長い呼吸をします。・・・神道では「言霊」を大切にして、何事も上向きになるような言葉を使うこと、また大祓詞もぶつぶつと唱えているだけでは力にならない、腹の底から大きな声を出すことが大事と教えていただきました。
「大祓詞を唱える会」では、ここから境内参拝をしながら、水谷神社(雨のため感謝共生の館から遥拝)、御本殿(雨のため直会殿から).、若宮神社と、それぞれで大祓詞を奏上するのですが、ちょうどその時間にすごい雨降りのため場所を替えてのお唱えとなりました。(人形ひとがたは、雨の中、水谷川に流しましたが)
若宮神社では神楽殿にてお唱えを。
その後、午後3時の時間まで「感謝共生の館」にて小休憩。
今年は雨のため、夏越の祓いは祓戸神社の前ではなく、雨儀バージョンで着到殿の中にて神事が執り行われます。
講座の参加者は列になって、先に茅の輪を通りぬけてから着到殿へ入って、配られた細かい麻や切幣で自身や周りを祓い浄めます。
宮司による大祓詞奏上。最後は神職による 御贖物みあがものの麻と綿の布をビリビリッと切り裂く所作にて罪や穢れを祓います。
大祓式の後は、また直会殿に戻って巫女神楽と鈴にてお浄めしていただきました。
これで「大祓詞を唱える会」は終了したのですが、本当に、半年の間に積もりに積もった諸々の禍事罪穢れが飛んで行ったようなとても清々しい気分で終えることができました。
ところで、茅の輪の写真を撮ってなかったなと、最後にもう一度戻りましたら、あらあらもうすっかり片付けられてました。
春日大社では、茅萱を鹿が食べるので、茅の輪の通り抜けが終わったらすぐに片付けるのだそう。わずか半時間程のことでした。
そして、茅の輪の横に立てられる立札は戦前にまで遡る古いものだそうですが、何気に軽トラに積まれていました。
4年前の「大祓詞を唱える会」に参加した時の茅の輪の写真ですが
こんな感じでした↑(過去記事はこちら
過去記事にも書いていますが、春日大社の茅の輪くぐりは、数字の8を横にしたようにくぐって行くのではなく、そのまま真っすぐに通り抜けるという形式でした。

帰り道・・・
雨で洗われた緑が瑞々しくて、その美しい緑を目にしているだけで心も洗われるようなのです。気持ちのいいリフレッシュとリセットの夏越大祓式でした。