奈良倶楽部通信 PART:III

今年は10日が成人の日となり、この日、春日大社では一年の平安を願い舞楽を奉納する「舞楽始式」が行われます。
例年は林檎の庭で舞われて見学者も大勢なのですが、コロナ禍の昨年今年は直会殿で関係者のみで斎行となりましたので、十日戎にご奉仕する「十日会」の新年例会の中で「舞楽始式」に参列できるというご案内をいただいて楽しみに参加いたしました。

私たちの席から舞台での様子は殆ど見えなかったのですが、かわりに舞台裏の様子がよくわかり、奏でられる雅楽の音色と共に優雅なひとときを楽しませていただきました。

舞楽衣装をこんなに至近距離で拝見したのは初めてです。
装束について詳しいことは存じませんが、染色に使われている色や布地の風合い、刺繍の文様など、どれもこれも美しくてうっとり眺めておりました。
袍ほうの裾を後ろに長く引いて舞うので、舞台に上がる直前まで裾を美しく整えていらっしゃいました。

そして舞台から下りると、その長い裾を畳んで石帯に掛けて動きやすくされます。

Instagramに動画★を上げていますが、4人で舞われる「賀殿」では、順番に舞台に上がられる前に後ろの方に会釈をして進んで行かれるという、奥ゆかしい所作を垣間見ることができました。

2022年1月9日日曜日

今年の年賀状と私事のご報告＊

今年の年賀状は、日めくりカレンダーにイラストを描いて毎日Instagramにアップされている佐々木未来さんにお願いしました。

長引くコロナ禍の昨年。
どんどん自分の気持ちを狭めていって、頭ではわかっているのに身体と心がついてゆかない状況に陥ることもしばしばで、この歳でもこんな経験をするんだと、半ば自分に呆れながら元気な心を取り戻したいともがいていた頃に出会った未来さんの日めくりカレンダー。

一目惚れとはこのことかなと思うくらい、毎日更新される日めくりのユーモアあるイラストを見て元気をもらって、そして実際に随分と元気になりました。

奈良での個展の最終日に宿泊して下さるので、その時にダメ元でも年賀状のデザインをお願いしてみよう・・・と、元気になるイラストをお願いしました。

あたたかい色彩に包まれた奈良倶楽部と私達。
これを見た方々も私達や奈良倶楽部を思い出して暖かな気持ちになってくだされば嬉しいなと思いながら、新年のご挨拶を綴りました。
佳き一年にしたいですね。

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私事わたくしごとのご報告ですが・・・。

そのもがいていた頃にやってしまった右膝のお皿骨折。
膝を固定する装具を付けて自由に動けなくなったのが正倉院展が始まる直前のこと。「弱り目に祟り目やなぁ」と益々自分に呆れながら、スタッフや夫にずいぶん助けてもらって何とか乗り切って「早朝散歩」のご案内までできたこと、骨折具合も軽く済んだし、実は守っていただいているのではと気がついて、2か月余りの不自由生活も気持ちの持ちよう次第と、最後は楽しんでおりました。
ただ、最初の動揺していた頃に、リピーターのお客様方に「実は骨折しまして・・・」と甘えてしまってご心配おかけしてしまいました。
ずっと気にかけて下さっていた皆様、本当にありがとうございました。年末に装具も外せて快適に年末年始の仕事ができ、身体が自由に動くことの有難みを噛みしめております。
すっかり心身ともに元気になって、今年は少しずつでも前に進んで行こうと思っていますので、またよろしくお願いいたします。

2022年1月7日金曜日

東大寺修正会

正月七日、13時より大仏殿で営まれる「修正会」へ。

二月堂修二会の称名悔過の声明とよく似た、それでいてもう少しゆっくりと唱えられる「修正会」の声明を、今年もうっとりしながら聞き惚れていました。（動画を撮ればよかったかもですが・・・）
「大伽藍～～」や「光明熾盛こうみょうしじょう～」とか耳慣れたフレーズをキャッチしては心の中でキャッキャッしたり、修正会の時に供えられる「笠餅」という珍しい形のお供えの餅を撮ったりと

罪過を懺悔することにより、「天下泰安」「風雨順時」「五穀成熟」「万民快楽」等を祈願するという悔過法要の本質からは少しミーハーめいた拝観となりましたが

大きな大きな大仏様に、今年もお守りくださいとお参りして、（仕事もあったので最後まで拝聴できずに）大仏殿を後にしたのでした。

帰り道、大仏池ほとりの馬酔木の花が一本だけ満開でした。
これからが寒さ本番の季節ですが、春の訪れに向かって季節が歩んでいることも感じた一日でした。

2022年1月6日木曜日

1月のお出かけ情報③〜前半の伝統行事

お正月を過ぎて1/7〜1/15の伝統行事や年中行事のご案内です。
※1/6現在の情報をご案内していますが、コロナ感染症の今後の状況次第では中止や変更もあり得ますので、お出かけされる場合はご自身でお確かめの上、マスク着用・密を避けての見学をお願い致します。

◇1/7　10:00~　春日大社　御祈祷始式（関係者のみで斎行）
◇1/7　11:00~/14:00~ 霊山寺　初弁天法会
◇1/7　13:00~　東大寺大仏殿　修正会

◇1/8~1/14　法隆寺金堂修正会
1/12から1/14の日没・初夜・半夜の法要は今年も参拝不可
法要は通常通り厳修、日中作法・大講堂讃説は参拝可

◇1/8　11:00~　薬師寺　初薬師縁日・大般若経転読法要
◇1/8　15:00~　新薬師寺　初薬師（修正会）（堂内での聴聞可）

◇1/9　10:00~13:00　正暦寺　菩提酛清酒仕込
新型コロナウイルスの感染拡大対策を講じた上で、清酒の試飲・かす汁の振る舞いを有料で行います。お餅つきは中止です。

◇1/10　10:00~　春日大社佐良気神社　初えびす

※密を避けるために10時台の参拝は控えてください。
◇1/10　13:00~　春日大社舞楽始式（関係者のみで斎行）

◇1/10　長岳寺　節会
午前中檀家の皆さんの手によって大綱が編まれ
午後に山門前にて大綱掛け行事が行われます。

◇1/10 14:00頃~ 明日香村稲淵（男綱）の綱掛神事
◇1/11　14:00頃~ 　明日香村栢森（女綱）の綱掛神事

◇1/14　20:30~ 吉祥草寺　左義長（茅原の大とんど）
※大宝元年から続く伝統行事。2022年は規模を縮小して開催予定。
◇1/14　21:00~22:00　念仏寺　陀々堂の鬼走り
※今年も地元の方と関係者のみで執り行います。

◇1/14　18:00~　信貴山朝護孫子寺　左義長納め札焼大とんど

◇1/15　8:00~16:30　大神神社　大とんど

◇1/15　10:00~　石上神宮　古神符焼納祭
◇1/15　14:00~ 西大寺　新春大茶盛式
◇1/15　唐招提寺　大般若転読法要　礼堂

1月後半はまた後日にブログアップ致します。

2022年1月5日水曜日

穏やかなお正月でした＊

お正月からしばらく奈良倶楽部もブログもお休みをしていました。
この間の出来事を（Instagramの投稿と重なりますが）ブログにも記録しておきます。（★印がInstagramに投稿したものです。）

大晦日から新年にかわる頃は毎年恒例の五劫院さんで除夜の鐘★
お客様方も皆さん、昨年の破魔矢を持って旅に出られて新しいのをいただいて、一年の開運招福を願います。
そして若い時ならこのまま大仏殿の夜間拝観に出かけていたところですが、もう今は無理をしません。リピーターのお客様方もほとんどの方が早朝散歩で大仏様にお参りされたようでした。

一年に一度のお節料理は奈良倶楽部流のアレンジで。★ ★

今年もお客様からお借りした写真ですが、こちらにメロンと食後の珈琲紅茶がつきます。お節の中に今年は干し柿に胡桃を入れて薄くスライスしたものが新登場。いつも年末に岐阜のお客様が送って下さる伊自良の連柿。たっぷりと甘くてやわらかな柿に胡桃を詰め詰めして作ったものを縁起物としてお福分けさせていただきました。（F様、ありがとうございます！）

元日午後からは二月堂さんと手向山八幡宮に初詣。
人出や混雑を避けて歩いて行けるいつものところへお参りに行けるのも幸せなことです。

母が一人になった4年前からお正月3が日は優雅にホテル泊をして、妹と私で付き添っています。その中で、私が泊った「飛鳥荘」さんのお部屋からの眺め。★
興福寺さんの五重塔を正面に、南円堂も中金堂も角度を変えると若草山も視界に入ります。（こんなに近いのに母を一人にできないので、興福寺中金堂の吉祥天さまの御開帳にはお参りできず・・・。