2025年10月3日金曜日

国立文楽劇場「爽秋文楽特別公演」

人形浄瑠璃「妹背山婦女庭訓」の作者・近松半二の半生を描いた小説『渦』と、浄瑠璃に魅せられた人たちの悲喜交々を描いた続編『結』を読み終えてすぐに予約した文楽公演。
9月から10月初めにかけ3回にわけて観に行ってきました。

小説を読み終えて、このお話の面白さを熱く語る私に影響されたのか、文楽全く白紙状態の夫も行きたいと申して、かくいう私も初心者ですが、まずは『心中天網島』を二人して楽しんでまいりました。 
本当に全く初めての夫は、初めて見る人形に戸惑いながらも、物語の世界に入ると そのあとは人形の動きがまるで生きてるみたいで素晴らしいとすっかり夢中になって、もう一度行きたいねと、帰宅してスケジュールを合わせて次の予約を入れるのでした。

さて2回目の鑑賞は、4月に鑑賞した文楽で桐竹勘十郎さんのファンになって楽しみにしていた『恋女房染分手綱』
勘十郎さん演じる乳人 重の井の動きの素晴らしさに釘付けになり、三吉の可愛らしさ、いじらしさにも思わずほろりとして、『日高川入相花王』の清姫の変身にあっと驚き、楽しい鑑賞となりました。 まだまだ初心者ながらも、二人共通の楽しみができて嬉しいことです。


AプロBプロと見て、10月初めにCプロ『曾根崎心中』鑑賞へ。
今回も最前列で人形遣いさんの動きや顔の表情、汗までもを間近に拝見して堪能してまいりました。
演者さんをほとんど知らない初心者ならでは、初めて見る演者さんに「わぁ、素敵!」となって、夫と二人で「徳兵衛よかったね」「や、僕はお初の手の動きに惚れ惚れや」とか、つい1ヶ月前までこんな会話をするとは思わなかった二人です。
そして、今回偶然にも、私が文楽に通うきっかけになった小説をSNSで紹介して下さった人と、私のInstagramからこの小説に出会ってハマり、お友達に貸してあげようと持ち歩いている人(どちらも実際の知り合いです)に、休憩時間中にロビーでバッタリ。 
お二人の手と小説を一緒に記念写真。
こんな出会いも、興味を持ったことを何気に呟いたおかげかもしれません。 その他にもFacebookのコメントに文楽愛を熱く語ってくださる人もあり、教えていただくことも多くたいへん勉強になって有難い限りで、こういう繋がりも楽しいなぁと喜んでいます。

余談ですが、大神神社で文楽の奉納公演があることを知りました。
演目が『妹背山婦女庭訓』で勘十郎さん!
行きたいけれど正倉院展中は無理かなぁ、でも夫が行きたいらしく申込むと、もう定員いっぱいで締め切った後でした。残念・・・。
と2~3日すると、もう少しお席を増やしたのでと再申込できる連絡が入り、無事に鑑賞できることになりました。ありがたや~。