「第77回 正倉院展」開催前日の内覧会に行ってきました。
ビジュアル的にも美しい宝物がたくさん出ていました。
そんな選りすぐりの宝物の中でも気になったものが幾つかあり、図録からの紹介になりますが、個人的鑑賞記を綴ってみたいと思います。「木画紫檀双六曲」の木画の文様。
以前にも拝見しているのですが、何度見てもこの木画のデザインや色彩に惹かれます。
双六曲を収納していた箱も同じく第64回展で拝見していますが、籐で編み上げられた文様の整然とした美しさにほれぼれ見惚れてしまいました。
「鳥毛篆書屏風」君主にとって戒めの格言が表された屏風は、聖武天皇の身近に置かれていたと伝わり、この格言をいつも目にされ心に刻まれていたことを想像してしまいます。
こちらも今までに何度か拝見したと記憶していますが、六曲揃って拝見するのは初めてかもしれません。
屏風袋に書かれた東大寺の小さな文字!
「平螺鈿背円鏡」も、ついこの前に見たよねと思って調べてみると2013年、もう干支が一回りした昔でした。でも美しいものは何度見ても美しいし、また拝見できて嬉しいことでした。
大仏開眼供養会で用いられた筆!
この筆には、鎌倉時代に再興された大仏開眼会でも後白河法皇が用いたと刻み記されています。
左上の大きな文字「宜」(ウかんむりではなくワかんむり)は光明皇后の直筆で、申請書に許可を与えた印だそうで、「宜しい(よろしい)」というような意味でしょうか。なかなか力強い立派な字ですね。
舞楽の時に裾のさばきをよくするために用いられる脚覆い。
こちらは「初出陳」とありました。
大理石製の香炉。火炉の中には灰の塊が残存しているのです。
布ものの良品が多く出陳している今回も、残された裂地から悠久の昔に想いを馳せておりました。
メインビジュアルの「瑠璃坏」は最後の一室に登場します。
美しいライティングで、透明感あふれる輝きを放つ瑠璃色。
台の上にその瑠璃色が反射してとても綺麗です。
美しい宝物の数々に彩られた展示会場でしばし天平の昔に誘われたひととき。今年も佳きものを拝見させていただきありがとうございました。
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会期:10/25~11/10(会期中無休)
開館時間:8:00~18:00(金土日祝は20:00まで/閉館60分前までに入館)
開館時間:8:00~18:00(金土日祝は20:00まで/閉館60分前までに入館)
観覧券は日時指定で、詳細はこちら★を参照ください。















