2024年3月3日日曜日

二月堂修二会2024「3年ぶりの局での聴聞」

3月1日
いよいよ今年の修二会が始まりました。

前日2月29日にご宿泊のお客様方は、深夜の「開白上堂」から「一徳火」「開白法要」と 聴聞されて朝方3時半頃に戻ってこられた方ばかり。朝食の席で皆さんが、西の局が「開白上堂」間際に開いたことや、3年ぶりの局での聴聞や一徳火の切り出しに感激されたことなどお話されて、そんなお話を聞いているだけでわくわくしておりました。

修二会期間中はたくさんのお客様にご宿泊いただいて、有難いことに今年は久しぶりに忙しくさせてもらっています。そんな中でニコ生を聴きながら(←今年はものすごくクリアに音声がよく聞こえます!)自分はいつ聴聞に行こうかと思案するのも楽しいひとときです。

局での聴聞が再開されて、遅い時間の途中からでも入堂できるのか(人がいっぱいだったら入れないのだろうか等)を知りたいので、初日の21:30頃から二月堂へ、神名帳が終わる頃に聴聞に入りました。


二月堂に上がって、まずは観音様にお参りしようと西の局に入ると、意外に空いているのです。これならゆっくりできると、今日はそのまま西の局で聴聞させていただくことにしました。

聴聞メモ>>

局入堂は人数制限があるように聞いていて先着順のようでしたが、初日は聴聞者が少なくて途中入堂しても大丈夫でした。

手水からお堂に戻って来られた処世界さんの袈裟を、権処世界さんが綺麗に直してあげている様子がよく見えて微笑ましかったです。
これは堂内で聴聞できたからこそ垣間見えたことで、些少なことでも有難く感じました。

「大導師作法」での諷誦文では、阪神大震災や東日本大震災に続いて能登半島地震について触れられ、元日の久しぶりの再会の団欒中に起こった地震に被災された方々や亡くなられた方々に思いを馳せた祈りの言葉が聞こえました。
またウクライナ侵攻やガザの戦闘での不条理な出来事には、犠牲者の安寧や世界平和を願う祈りが詠みあげられ、心に重く響きました。

「咒師作法」では、戸帳越しに見える咒師さんの大きく手を上げて鈴を振りおろす様子をうっとりと拝見しておりました。
戸帳に映る影の何とも美しいこと!

「半夜」の時導師さんは南二の北河原師。
1日は「次第時」といって、「日中開白」からの六時の行法の時導師を平衆の上から順に勤めていかれます。「次第時」の声明はとてもゆっくりで丁寧(一称一礼という正式な作法で勤められる)と聞いていましたが、これがそうなんだと染み入りながら拝聴しました。

そしていよいよ「法華懺法」です。
それまで7~8名だった西の局も一気に人が流れ込んで、皆さん熱心に聴き入っておられます。
久しぶりに聴く生の「法華懺法」に心が喜びまくりです。

西の局は、本手水の時などに戸帳が上げられて、椿の花や高く積み上げられたお壇供や燈明の灯かりに荘厳された須弥壇の様子がよく見えます。

まだまだ先が長いので、初日は「後夜」の前で失礼することにして、観音様に手を合わせ有難い思いで二月堂を後にしました。

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局での聴聞についてですが、Xに詳細が出ていました→
ご参照ください。