唐招提寺・御影堂の保存修理が完了し、今年の開山忌では6年ぶりに御影堂特別拝観が行われました。
ただコロナ感染症対策などもあって、拝観は先着順の事前予約制で、早々に受付終了となる状況でしたが、有難いことに拝観叶うことができ、当日は楽しみに伺いました。
東山魁夷画伯が12年の歳月をかけて精魂込めて描き奉納された襖絵。鑑真和上坐像を拝観できる宸殿の間では、開け放たれた前庭から気持ちのいい風が通って、真新しい畳藺草の青々しい匂いもまた新鮮。
美しく甦った御影堂内に心静かに身を置いて、1250年以上も護り伝えられてきた鑑真和上坐像について、思いを巡らしておりました。
8世紀に制作された日本最古の肖像彫刻であり、
唐招提寺の精神的象徴として1250年以上にわたり大切に伝えられてきた鑑真和上坐像。
参拝記念品の中に「鑑真和上坐像に宿るこころ」と題した一文があり・・・唐招提寺創建から4年後、和上の弟子・忍基は講堂の棟梁が砕ける夢を見て、和上の死期が迫っていることを悟り、弟子たちと相談して、容姿だけでなく精神性をも映す御影の制作を企てます。和上の教えが永遠に伝わるよう、子々孫々にわたって和上と結縁できるよう、寿命が尽きる前に姿を写しとったその像は「寿像」と呼ばれ、尊顔を拝すれば和上が経てきた艱難辛苦が偲ばれます。・・・と書かれてありました。
参拝記念品の中に「鑑真和上坐像に宿るこころ」と題した一文があり・・・唐招提寺創建から4年後、和上の弟子・忍基は講堂の棟梁が砕ける夢を見て、和上の死期が迫っていることを悟り、弟子たちと相談して、容姿だけでなく精神性をも映す御影の制作を企てます。和上の教えが永遠に伝わるよう、子々孫々にわたって和上と結縁できるよう、寿命が尽きる前に姿を写しとったその像は「寿像」と呼ばれ、尊顔を拝すれば和上が経てきた艱難辛苦が偲ばれます。・・・と書かれてありました。
2009年に奈良博で拝観した和上坐像は、お厨子から出られて、背中や首にできた深い皺も見ることができ、とても人間らしく それでいて敬い奉りたい衝動に駆られるようなオーラを感じたのです。
同じく2009年の金堂落慶法要では、天蓋を差し掛けられ輿に乗った鑑真和上坐像が、南大門から金堂まで進んで行かれた様子を目の当たりに拝見でき、小さな驚きとともに この場に居合わせることができたという幸せに感激の涙が出てしまったほどでした。そして、この大法要を鑑真和上に見ていただくようにされたお寺の想いにまた感動したものでした。
::
御影堂を出て、この後は御廟にお参り。
昨日の雨でより一層緑が増した苔の柔らかな絨毯。
葉影、緑陰、緑風・・・。
この苔の緑に、どれほどたくさんの方が気持ちを落ち着かせ心を和ませてこられたことでしょう。
余談ですが、2017年に拝聴した唐招提寺・石田太一師の講演で知った、森本孝順きょうじゅん長老の高い美意識の話。この御廟の参道をまっすぐにし、草ぼうぼうだったところに苔を植えられたのも森本長老。そして御影堂も、和上坐像を奉安するに相ふさわしいものをと、この建物の移築を発願されたのも森本長老で、今イメージされる唐招提寺の境内は森本長老が作られたものとお話されていました。
本坊前では蓮の花が少し咲き始めていました。
(今年の「西ノ京ロータスロード」は6/16からです)
4月に訪れた薬草園では、大和当帰の花が咲いてました。
::