2022年6月17日金曜日

永瀬卓 人形作品集「大和し思ほゆ」

お客様から素晴らしい写真集が届きました!

万葉歌人を題材にした人形制作を定年後に始められて10年少し、創作した人形も50体を超え、いつか作品集にまとめたいと、ご自身で撮影をして完成した写真集。

以前にお泊まりいただいた時にも アルバムにした人形の写真を見せていただいて とても感動をしたのでしたが、この写真集では、人形の表情や質感、陰影などがよりリアルに感じられ、万葉人たちの静謐な佇まいにただただ感動してしまいます。

百聞は一見に如かず。
スマホカメラで撮った私の拙い写真ですが、少しでも雰囲気を感じていただければと、写真集の中から何点かご紹介します。

大津皇子↑↓と

有間皇子↑↓
二人の悲劇の皇子、そして
大伯皇女↑↓と
山辺皇女↓

額田王↑↓
万葉歌人の他に、四季の女神も
佐保姫↑と龍田姫↓
お顔の表情もみな素敵ですが、その装束がまた美しくて惹かれます。これは布で作られたのかどうか、写真でしか拝見していないのでよくわからず、お礼かたがたお電話で幾つかお尋ねしてみました。

まず人形本体は大理石の粉粘土で作り胡粉を塗って、髪の毛などは面相筆で丁寧に描きこんでいるそうです。
衣装は典具帖という極薄の和紙を顔料で染めて、本体に糊で貼って作り上げていきます。ひれなどはシルクオーガンジーの布を使って。また帯などは不織布の型紙を顔料で染め文様などは描きこんでいます。
アクセサリー類もすべて手作りで、繊細な中に高貴さも感じられ細かいところに魅入ってしまいました。
気になる大きさは、立像で45~47cm、坐像で30cm。
制作時間は、粘土が完全に乾く時間もあるので大体3か月かかるそうで、同時に並行して何体も作らず、一体一体丁寧に仕上げていくのだそうです。

最後にご紹介するのは中将姫さま。
ここにご紹介しきれなかった作品もとても素晴らしいものばかりです。写真集はラウンジに置いていますので、お泊りの際には是非ご覧くださいませ。