2024年8月31日土曜日

「万葉挽歌」展*台風で休館に

 9/1の最終日を待たずに、台風の影響で「平城宮いざない館」が休館になりましたので、開催中の企画展「万葉挽歌展」も8/30 が最終日となってしまいました。

午後から知らせを受けて急遽駆けつけた「万葉挽歌」展。 
永瀬さんもいらっしゃって、最後のギャラリートークを熱心にお話されていました。平日にもかかわらずたくさんの方が見に来られていて、最後に大阪から中田文花さんも駆けつけ、17時の閉館時間に拍手で締めることができました。

作者だからこんなこともできる!
倭女王が持っている鏡を裏向けて下さった。
実は銅鏡を持っていることにも気が付かなかった私。
ちゃんと銅の錆が付いているではありませんか!(神は細部に宿る!)

最後に永瀬さんと額田王と一緒に記念撮影。
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終わってみれば、長いようで短かった展示期間でした。
大変な暑さにもかかわらず、多くの方にご来場いただき、奈良倶楽部にご宿泊の方も多く、感謝の気持ちでいっぱいです。
どうもありがとうございました。

会期中に何度か訪れて、こちら↑は奈良倶楽部のスタッフにも見てもらった時のもの。(永瀬さんから伺ったお話を受け売りトークでスタッフに説明しておりました)

お名残惜しいですが、この後 お人形たちは東京新橋の「奈良まほろば館」で展示されますので、関東圏の皆様どうぞご来場下さいませ。 
「奈良まほろば館」9/6(金)9/7(土)11:00〜17:00
(私も6日14:00頃から少しの時間、会場にいる予定です)

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最後に2件のお知らせです。
◆8/12に開催されたトークイベント「小さな出会いが生んだ大きな物語」の動画が「なぶんけんチャンネル」で公開されています。→
最初の2分~3分30秒で私もお話をしています。
◆毎日新聞奈良版、作家・寮美千子さんの連載エッセイ「ならまち暮らし」 に「万葉挽歌」が取り上げられました。→


2024年8月30日金曜日

ツアー中止のお知らせと今後の予定

参加者の皆様にはすでに「ちとせなら」さんよりご連絡があったと思いますが、『地元女将とディープに歩く!東大寺“朝歩きのススメ”』は 台風の影響を鑑みて開催中止となりました。
それに伴っての前日ご宿泊予約もすべてキャンセルとなり、明日8/31は休館日とさせていただきます。
振替開催は11月中旬頃の予定で、「ちとせなら」さんよりお知らせしていただけます。
今回お申込みのお客様には、優先的にツアーにご参加いただけるように、また、奈良倶楽部宿泊に関しても 優先的にご宿泊いただけるように致しますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

台風10号の速度がゆっくり過ぎて明日明後日のお天気も心配ながら、それ以降もどうなることやらと気を揉んでいます。
台風から離れた地域でも大雨の被害が起こっていますので、皆様どうぞご安全にお過ごしくださいませ。

2024年8月28日水曜日

「9/1開催の朝歩き」台風への対応

「ちとせなら」主催の 9/1(日)『地元女将とディープに歩く!東大寺“朝歩きのススメ”』にお申込みのお客様へ++

「ちとせなら」さんからもお知らせメールが届いていると思いますが
台風10号接近に伴う開催可否判断については、明後日8/30(金)17:00に開催可否の判断を行います。
その後、お客様へは「ちとせなら」さんよりご連絡がいきますが、奈良倶楽部もこのブログでお知らせいたします。

以下、「ちとせなら」さんより
中止の際には再度企画をさせていただき、今回お申込みのお客様に優先的にご参加いただけるように致します。
また、本ツアーに限り、無料でキャンセルしていただけます。
ご無理のないように判断いただけますと幸いです。
 

今回のツアーのために奈良倶楽部に前泊のお客様へ
こちらもキャンセル料は不要とさせていただきますので、ご無理のないよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年8月26日月曜日

ご予約受付と休館日のお知らせ*

◆12月のご予約は9/1より受付開始させていただきます。
ホームページのカレンダー更新は通常2か月前にしていますが、3月の修二会期間と11月の正倉院展期間と12月の奈良マラソン・おんまつり・年末のご予約には早くからお問い合わせが多く、この3つの月だけは3か月前からのご予約開始にしています。
(ただイレギュラーですが、奈良マラソン前日の予約はエントリーされた時点で受付けています)
そして、9/1の受付開始日ですが、ちょうど「早朝散歩」の日に当たりますので、お返事は10時以降になります。よろしくお願いします。

◆8月9月は休館日が多くご迷惑をおかけします。
本日(8/26)より8/28までは、奈良倶楽部のエアコンクリーニングや新機種への入替えなどメンテナンスでお休みを取っています。
9/1から9/6までは、夏休みをいただいています。
他県へのお出かけもあり、この期間のご予約やお問合せにはすぐにお返事できない場合もありますが、どうぞご了承下さい。

8月も終わりというのに、まだまだ厳しい暑さが続いています。
その上に台風も発生して気を揉む毎日です。
何事も大事なく無事に過ごせますように。

2024年8月24日土曜日

東大寺友の会講座「観音講式」

東大寺友の会講座『法華堂「観音講式」②〜命の糸の結び目〜』 

橋村公英管長のお話、前回に続いて「観音講式」についてですが
今回は第一段の「観音様に帰依の道理を述べる」 ことについて詳しく教えていただきました。 

講座の始めに、東大寺の法要の最初に唱えられる「開経偈」を皆で唱えます。 これは、般若心経では長いので開経偈でということでしたが、一緒に声を出すことが新鮮な体験でした。

前回の講座で習った伽陀かだ
今回も最初の惣禮の部分の「伽陀」を唱えて下さいました。
その他にも、お経の一節をたくさん唱えて下さったのですが、その殆どが修二会でお馴染みの一節だったりで

修二会では中灯以上の平衆が唱える法華懺法を拝聴することができ、とんでもない贅沢を味わうことができました。
この写真の「法華懺法の始めの部分」は、橋村管長が新中灯になった時に書写されたものだそうです。

レジュメの解説もわかりやすく丁寧で、(かといって、普段に慣れていないことなので、しっかり何度も読み込まないと理解が覚束ないのですが)知らない世界を勉強できることの有難さに浸っております。

ところで、ふと気が付いたのですが・・・
今回の副題に〜命の糸の結び目〜とありますが、レジュメにも、上のトップの画像にある会場のスクリーンにもその言葉がないのです。
講義を拝聴中に出てきたのは、『この世に生まれてきた時に糸が結ばれ結び目ができ、この世から亡くなる時にも糸が結ばれる。その結び目と結び目の間、つまり生まれてから死ぬまでの期間を現世こんせいと言う』というようなことをお話されました。
また、惣禮の伽陀の解説で「諦珠」=「帝釈天の宮殿を覆っている網目に結ばれた無数の宝珠」とお話されていました。
「命の糸の結び目」については、よく理解できないでいます。もう少し理解が深まればいいのですが・・・。

※次回の橋村管長の友の会講座は12/21(東京は12/7)の予定です。

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帰り道、「ぬた打ち」した雄鹿を見かけました。
そろそろ発情期に入ったようですので、近寄らないよう気を付けて下さい。

2024年8月22日木曜日

9月のお出かけ情報②~特別公開ご案内

 

<<公開中の特別公開は・・・>>
問合せ:0743-53-5023

<<今月から始まる特別公開は・・・>>
◆9/1 吉田寺多宝塔・秘仏特別開扉
室町時代に創建の多宝塔内の秘仏「大日如来坐像」が公開。
問合せ:0745-74-2651

◆9/1~9/8 松尾寺秋の寺宝公開
日本最大の役行者像が公開される。
問合せ:0743-53-5023

◆9/1~11/30 安倍文殊院秋の寺宝展
一般公開されていない金閣浮御堂の内陣を参拝できる。
問合せ:0744-43-0002

◆9/8と9/22 浄瑠璃寺「三重塔・薬師如来坐像特別公開」
※雨天、荒天時は中止
問合せ:0774-76-2390

◆9/16 13:30~15:00 當麻寺中之坊導き観音ご開帳
問合せ:0745-48-2001

◆9/14~9/23 安養寺阿弥陀如来立像
平日:10時と14時 / 土日:10時~16時(最終受付15:30)

◆9/19~9/25 元興寺軸装智光曼荼羅」公開
問合せ:0742-23-1377

◆9/19~9/25 興善寺観経曼陀羅」拝観(要予約)
問合せ:0742-23-7007

◆9/21~9/23 石上神宮 「御本殿と禁足地」特別参拝
3日間限定9:00~15:00/ご予約不要・当日受付のみ
問合せ:0743-62-0900

◆9/22・9/23 寶山寺獅子閣」特別公開
問合せ:0743-73-2006

◆9/27 如意輪寺 
「後醍醐天皇像」「御本尊如意輪観音菩薩像」
問合せ:0746-32-3008

2024年8月21日水曜日

9月のお出かけ情報①~寺社伝統行事

  9月に行なわれる寺社伝統行事のご案内です。


◇9/1 11:00~ 大神神社久延彦神社例祭
問合せ:0744-42-6633

◇9/1  午前中 吉田寺「放生会」
問合せ:0745-74-2651

◇9/1~9/8   9:00~16:00 松尾寺「修験道まつり」
問合せ:0743-53-5023
◇9/1 10:00~  松尾寺「柴燈大護摩奉修

◇9/15 13:00〜 霊山寺「柴燈護摩法要」
役行者大峰参拝ゆかりの伝燈護摩法要が行われます。
問合せ:0742-45-0081

◇9/15 10:30~ 葛城一言主神社「秋季大祭」
奉納演奏および祭礼後には演奏も行われます。
問合せ:0745-66-0178

問合せ:0742-33-6001

◇9/17 東大寺二月堂「十七夜
法要18:00~、盆踊り18:30~21:00
問合せ:0742-22-3386


◇9/17「中秋の名月」の行事は各サイトを参照してください。
・采女祭り・唐招提寺・大神神社
・松尾寺・慈光院
                   2023年唐招提寺観月讃仏会

◇9/22  17:00~  生駒聖天お彼岸万燈会
問合せ:0743-73-2006

◇9/23 大和神社「秋の大祭 紅しで踊り奉納
10:30~大祭 13:30~奉納
問合せ:0743-66-0044

◇9/23 法隆寺「彼岸会」
問合せ:0745-75-2555

◇9/27 10:00~ 如意輪寺後醍醐天皇御忌 正辰祭
問合せ: 0746-32-3008

◇9/27 10:30~ 吉野神宮「秋の大祭」
問合せ:0746-32-3088

◇9/30 氷室神社「例祭宵宮祭」
問合せ:0742-23-7297  

2024年8月19日月曜日

9/6・9/7『人形から見る古の奈良』東京編

奈良で開催され話題になった、永瀬卓さんの人形たちが東京の「奈良まほろば館」で展示されることが決定しました。


人形から見る古の奈良』東京編  
◇日時:9月6日(金) 11:00‐19:00
    9月7日(土) 11:00‐17:00
◇入場無料
◇会場:奈良まほろば館 2F イベントルーム 

2日間と短い期間ですが、ぜひ足をお運びください。

2024年8月18日日曜日

修二会「声明」デジタルライブラリーに*

文化デジタルライブラリー
歌舞伎や文楽、演目解説、日本の伝統音楽、能楽、民俗芸能、琉球芸能、雅楽、声明、大衆芸能(落語や寄席)・・・と多岐に渡って舞台芸術が網羅されています。

その中の「声明」の中に、2009年(平成21年)9月に国立劇場で行われた東大寺のお水取り声明公演の動画ダイジェスト版がアップされていると、中田文花さんのFBでお知らせがありました。こちら
2009年当時は奈良倶楽部も忙しくて東京まで講演を見に行けてないので、動画アップが嬉しいです。
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入堂作法
初夜の散華 (すごい量の散華が撒かれるのですね)
初夜の称名悔過(時導師 上野周真師)
神名帳 (衆之一 上司永照師)
四方加持(咒師 橋村公英師)  
戸張巻き上げ(堂童子 稲垣さん)
四識の走り五体(大導師 狭川長老)
後夜(時導師 森本公穣師)
咒師作法(咒師 橋村公英師/法螺貝 鷲尾隆元師・上司永照師)
晨朝の称名悔過(時導師 上司永照師) 
粥食咒願 (和上 北河原長老)
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非常に短いダイジェスト版ですが、15年程前の練行衆の皆様のご様子を垣間見れて有難いことでした。

2024年8月17日土曜日

「小さな出会いが結ぶ大きな物語」その②

8/12に開催された「万葉挽歌れくいえむ‐人形からみる古の奈良‐」展でのトークイベント「小さな出会いが結ぶ大きな物語」。
その①に続いてその②では、展示実現の立役者・岩戸晶子さんのお話や、永瀬卓さんの作品に対する想いや制作秘話などをご紹介します。
まずこちら↑が、永瀬さんのアトリエと作品の梱包風景↑
そして「いざない館」へ搬入後の展示風景↓
展示までのメイキング動画も作られています→
(動画の7:30辺りでは、内覧会で担当者の小原さんの横で説明を聞いている私の姿も確認できますよ)

中田文花さんのSNS投稿で盛り上がって、展示開催を望む声も大きく、何より私達も実際にお人形を見たい、それも奈良でという思いを強く持っていましたが、中々実現に至りませんでした。
作品がデリケート過ぎて美術梱包でないと運搬できないということも要因の一つ。
そんな中で、何としても実現したいという強い気持ちで動いて下さったのが、当時「奈良文化財研究所(奈文研)」の展示企画室長だった岩戸晶子さん。(岩戸さんは今年度より奈良大学教授です)

土の中から発掘したものを扱う「奈文研」が、個人が趣味でつくった人形を展示するのは初の試みで、初めてだからこそのご苦労も多々あったと思います。
人形の作品展ではなく視点を変えて、永瀬さんの人形の世界観を通して「古代の奈良の歴史を知る展覧会」を実現しようと、2年の歳月をかけて公的な企画展へと奔走された岩戸さんのご尽力たるや!本当にありがとうございます。

作品解説や制作秘話などを永瀬さんからお話を伺う進行役も、お話の振り方もばっちりの岩戸さん。

「定年退職後にひっそりと人形を作っていた永瀬さんの素晴らしい作品を、まさに埋もれていた文化財を発掘した・・・」など、ユーモアあふれる中田文花さんとのやり取りも軽妙洒脱で、本当に楽しいトークショーでした。

では最後に、永瀬さんがお話して下さったことをご紹介いたします。

万葉集に心惹かれたのは、挽歌がきっかけだった。
特に、悲劇的に亡くなった人の魂に寄り添いたいという想い、それだから、いい加減に作ってはいけないと戒めになっている。
恐怖の中で過ごした有馬皇子の孤独、愛する人を亡くした大伯皇女の喪失感の深さを表したいというのが二大テーマ。

人形の衣服のひだの美しさが作品の美しさになると思っている。
ひだの中に隠された人体を表現する。

「作品は気品がなければいけない」という安田靫彦の言葉を自分に言い聞かせている。

人形の顔については、眉は描かず眼窩の窪みの影で眉を表している。
目は、眼球の輪郭の円だけを描き、中に点をうって視線の先だけを示す描き方をしている。口紅もほんのわずかに色がついている程度で、未完成の中に儚さを表現している・・・等々。

永瀬さんの人形から感じる「儚さ」や「気品ある美しさ」は、やはりそのところに心して作られているのだと合点がいきました。

たくさんの方々に参加していただいたトークショー。
ご来場の皆様、どうもありがとうございました。

「万葉挽歌れくいえむ」展は9/1まで開催中です。
平城宮いざない館 企画展示室へ、ご来場たまわりますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2024年8月16日金曜日

「小さな出会いが結ぶ大きな物語」その①

8月12日
平城宮いざない館で開催中の「万葉挽歌れくいえむ‐人形からみる古の奈良‐」展でのトークイベント「小さな出会いが結ぶ大きな物語」。
人形制作者・永瀬卓さんと、人形たちが世に知られるきっかけを作った日本画家の中田文花さん、展示を実現にこぎつけた岩戸晶子さんの3人によるトークイベントに参加しました。

ブログでは、トークイベントの内容を2回にわけてご紹介していきます。まずは、奈良倶楽部での小さな出会いについて・・・

::
すでにご存じの方もいらっしゃいますが、永瀬さんの人形たちをSNSを通して世に出して下さった中田文花さんに永瀬さんをご紹介したのが奈良倶楽部ということもあって、お三方の鼎談始めに私もご紹介にあずかり、その出会いの日の出来事をお話させていただきました。

2020年奈良倶楽部→中田文花さん(SNSでバズる)→2022年ライターのいずみゆかさんが Lmagaで記事に→それを読んだ奈文研(当時)の岩戸晶子さんが展示に向けて動き出し→2024年開催実現!

この一連のバトンを繋いでいくストーリーを、ライターのいずみゆかさんが記事にして下さっています。

◆いずみゆかさんの2022年の記事→
(2020年の奈良倶楽部での出会いもここに書いてあります。人形制作についても詳しく取材されていて、ここから岩戸さんへとバトンが繋がっていくきっかけになった記事です)
◆いずみゆかさんの2024年の記事→
(開催に向けて動き出したことなど岩戸さんの苦労話も)

2024年の記事の文中にある
この開催までには、「東大寺二月堂の観音様の『計らい』だったのではと思います」と永瀬さんが語る
という一節があります。
トークショーの中で、中田文花さんも同じようなことをおっしゃってましたが、奈良倶楽部で文花さんに永瀬さんをご紹介した「偶然の出来事」は、そこに至るまでの24時間のいろんな出来事がちょっとでもずれていたら実現しなかった、だからこそ後から思うと「必然の出来事」だったと、まさに「観音様のお計らいで動いたこと」だったと思うのです。

トークショーではそのようなお話をさせていただいたのですが、そんな偶然の重なりをここでもご紹介します。(以下長文です)

まず、2020年3月はコロナ禍が始まった頃で、いつもなら修二会の期間は多忙を極める奈良倶楽部にも宿泊キャンセルの嵐が吹いてました。

ちょうど同時期に「春日野窯」で中田文花さんが作品展を開催しておられて拝見に伺い(ブログ過去記事)、私の中に、文花さんが造形作家だとしっかりインプットされます。
(それまでは日本画家というイメージが大きかったのです)
またそこで、キャンセルが相次いでいるという話を聞いて、文花さんより3/10ご一泊素泊りの予約をいただきました。
(実は旧知の間柄ながら、奈良倶楽部宿泊はこの時が初めてでした)

3/10は永瀬さんも10日11日と2泊ご予約いただいていた日で、コロナ禍で旅行を迷いながらも、予定通り関東からお越しくださいました。

11日の朝食の席では、文花さんは素泊りなので、お二人はまだお会いされていませんし、この時点で、永瀬さんが私にと持参された写真集もまだ見せてもらっていませんでした。

3/11の朝、永瀬さんが観光に出発の後、文花さんよりもう一泊延泊したいと申し出があって、二月堂へとお出かけに。

その後、ふと見るとソファのところにスマホを忘れていらっしゃる!
どうしたものかと思いながら、この時間帯なら大勢の友人知人が二月堂にいるはずと、私はフェイスブックに「文花さんがスマホをお忘れなので、二月堂でお見かけした方はお知らせしてあげてください」と投稿。
すぐに共通の友人から連絡があって、無事にスマホをお届けできたのですが、この時この投稿を見ていた別の共通の友人Oさん(文花さんと同じく華厳宗得度僧侶)が「奈良倶楽部で宿泊しているなら朝食付きにするべきよ」と、強くお勧めされたそうで、延泊された2泊目は朝食付きに変更になりました。

創作活動に忙しいと文花さんは昼夜逆転の生活だったりで、朝食付きになるのは非常に珍しいことなのですが、ここで翌日の朝にご紹介できるという流れが出来上がります。

一方、その11日の夜に永瀬さんから写真集をいただき、拝見した私はびびびっと電気が走るような衝撃を受けます。小さなサイズの写真ながら、この人形たちは何というオーラを発しているのでしょう!
言葉にならない感動を感じて、「あ!人形作る人がもう一人泊ってらっしゃる」と、永瀬さんに「明日の朝、ご紹介したい人がいます」と、何の躊躇もなく口から言葉が出てしまいました。
誤解のないようにお断りしますが、仕事の性質上お客様の情報を他の方に安易にお伝えすることなどなく、まして人見知りな私の性格上、誰かと誰かを結びつけるようなことは余程のことがない限りできません。でもこの時は言葉が先に出てしまってました。

2泊目の12日の朝、朝食を食べ終わった永瀬さんはタクシーを呼んで間もなくご出発という頃に、深夜まで聴聞されていた文花さんがダイニングルームにおりてこられました。
タクシーがすでに到着している、そのわずかな時間に写真集をお見せしてお二人をご紹介し合った私。今思えばすごいグッジョブなことですよね。

お二人の連絡先をご了解のもとお伝えして、後日に写真集を文花さんに送られた永瀬さん。それが2020年6月の事で、文花さんがそのことをフェイスブックでご紹介されています。→
この時、121件のコメントが入って、その反響の大きさにびっくり!
文花さんにご紹介したおかげで多くの方の目に触れることになり、(SNSをされたことがなかった永瀬さんにはコメントをプリントアウトして送って下さいました)ここから文花さんの発信力のおかげで、実際にお人形を拝見したい、展覧会を開いてほしいという声が上がっていきます。

それから2年経って、2022年6月に永瀬さんがご自身で撮影した人形の写真集「大和し思ほゆ」が、私と文花さんのところに届きました。(ブログ過去記事
前回はフェイスブックでのみ紹介された文花さん。今度はツイッター(現X)でこの写真集をご紹介されたところ、10万以上の「いいね」が付いてネットニュースにも取り上げられ、そこから岩戸晶子さんにバトンが繋がっていくわけです。

小さな偶然の積み重ねやいくつもの出会いが連鎖して、バトンを託された走者たちがそれぞれの持ち場で自分にできることを精一杯してまた次にバトンを繋いで、小さな出会いからスタートした物語が、人形たちを奈良の地に呼ぶことができるまでの大きな物語になっていき、その出会いのきっかけに奈良倶楽部が関われたこと、とても有難くて光栄なことでした。

::
長文を最後まで読んでいただきありがとうございます。
その②は永瀬さんがお話された、作品に対する思いや、開催実現までの岩戸さんのお話などをご紹介したいと思います。(続く)
 

2024年8月15日木曜日

東大寺大仏殿「万灯供養会」

8月15日
お盆が終わり、今年初盆の近しい人達を偲んで
心から世界平和を願う終戦の日。

今年は久しぶりに大仏殿「万灯供養会」にもお参りに出かけました。

ちょうど7時過ぎ、淡く色づく空が夕闇に浸かる頃。
中門から入堂すると、灯籠が並んだ参道は多くの善男善女で溢れんばかり。観相窓からの大仏様にご挨拶しながら、久しぶりの幻想的な風景に目を楽しませました。
もうご高齢で奈良までお越しいただけないお客様の灯籠を見つけて、ブログに写真をアップするのも何年か続いています。

大仏様にお参りして
私も献灯した灯籠を探します。
::
この時、もうあと15分ほどで大文字の送り火の時間でしたが、人混みかきわけて飛火野まで歩く元気もなく、せっかくだけれど無理せず帰りました。

2024年8月11日日曜日

8月のお出かけ情報③〜後半の寺社伝統行事

◇8/16 10:00~ 売太神社「阿礼祭」
問合せ:0743-52-4669

◇8/16・17・18  丹生川上神社献燈祭
問合せ:0746-42-0032

◇8/22 16:00 霊山寺地蔵盆法会
問合せ:0742-45-0081

◇8/23 18:00~ 東大寺念仏堂「地蔵会」

◇8/23・8/24 元興寺地蔵会万灯供養」  
※両日とも9:00開門~20:30閉門(受付終了20:00 / 入山無料)
※地蔵尊法要は17:00から厳修。
※行燈絵は曼荼羅堂(国宝・極楽堂)内に展示。
※9時から20時まで万燈供養を受付。
問合せ:0742-23-1377

◇8/23・8/24 矢田寺地蔵会式
※8/23は6時・10時・19時 8/24は19時に法要厳修
問合せ: 0743-53-1445

◇8/23・8/24 唐招提寺地蔵盆
弘法大師の作と伝わる秘仏、重要文化財・地蔵菩薩立像を奉り
地蔵堂堂内を特別公開してます。
ブログ内過去記事はこちらです。
問合せ:0742-33-7900

◇8/23・8/24 宝山寺「地蔵盆会」
23日:門内地蔵盆会 24日:奥の院参道地蔵盆会
問合せ:0743-73-2006

◇8/24 9:30~11:30 聖林寺本尊地蔵菩薩会式
問合せ: 0744-43-0005

◇8/25 16:30~ 西大寺「興正菩薩忌」
興正菩薩の忌日法要。
夕方から奥の院の興正菩薩五輪塔に数千の灯明を灯して法要厳修。
問合せ:0742-45-4700
 

2024年8月10日土曜日

ステラnet「光る君へ」にナラノヤエザクラ登場

NHKの大河ドラマや朝ドラなどの番組レビューや予告、ドラマ出演者のインタビューなど多彩な情報満載のウエブサイト「ステラnet」。

今年の大河ドラマ「光る君へ」にハマりにハマっている私。
今週末は放送がなくて残念なのですが、「ステラnet」では山本淳子先生の人気コラムの番外編がアップされています。
  ↓
ドラマの登場人物が詠んだ名歌〜紫式部の後輩女房・伊勢大輔、同僚・和泉式部とその娘・小式部内侍、紫式部の娘・賢子の歌が取り上げられています。
そしてその中に「ナラノヤエザクラ」も登場しているのです!

中宮彰子に仕え始めた伊勢大輔が、奈良から献上された桜を受け取る大役を務めたときに詠んだ歌
『いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな』

この、奈良から献上された桜というのが、奈良県の県花で、奈良市の市章にも採用されている「奈良八重桜ナラノヤエザクラ」で、コラムでは写真も掲載していただいています。
                  ↑ ↑
なんと!写真提供者のクレジットまで入れていただいています。

「ナラノヤエザクラ」のエピソードがテレビに登場することはないようですが、こうして全国の皆様に「ナラノヤエザクラ」のことをウエブサイトで知っていただけただけでも有難いことと思います。

山本淳子先生の連載コラム「平安ドラマチック」
源氏物語や紫式部ファンなら楽しみに読んでいただけると思います。
是非シリーズで読んでみてくださいね。

2024年8月9日金曜日

二月堂「功徳日」

二月堂「功徳日およく
毎年8月9日、この日に二月堂に参詣すると46000回お参りした功徳が得られるという有難い日です。 


今年は夫婦揃ってお参り。
くじ引きも私よりはくじ運良さそうな夫に引いてもらってサランラップと可愛いお坊さんストラップが当たりました。 
北茶所で冷やし素麺、およく餅、みたらし団子をいただき、功徳日だけ授与される観音守もいただき、しっかりお参りもするけれど、縁日のような楽しさのある二月堂です。
そして、年々開花が早くなっている高砂百合が満開でした。

2024年8月8日木曜日

「なら燈花会」浮雲園地と東大寺ライトアップ

8/7 朝からと夜になってからと、本日は2度東大寺へ。

大仏殿の西の回廊を曲がって目に入ってきた中門。
お身拭いで埃を落としてもらったこともあり、中門を見ていると、とても清々しく綺麗なぁと感じてしまいます。 

大仏殿はもう閉まっていたけれど、大仏様はきれいさっぱりした気分でいらっしゃるのかなぁと、中門から手を合わせます。
大仏殿や南大門のライトアップはやっぱり素晴らしいですね。 


暗闇の中で見るからこそ、威風堂々の仁王像や南大門の威容に圧倒されます。

::
南大門を過ぎたら、すぐに燈花会メイン会場の「浮雲園地」です。


ここまで来てわかったのですが、今年は春日野園地での燈花会はありませんでした。お客様にご案内するのに、きちんと知っておかないといけなかったことが早いうちにわかってよかったのですが、ブログのご案内には間違った情報を書いていました。(→訂正済みです)

浮雲園地の奥にある建物「奈良春日野国際フォーラム甍」のエントランスでは「燈Cafe」という飲食ブースもあり、庭園では「一客一燈」にも参加いただけます。
燈花会点灯時間は21:30までですが「一客一燈」受付は21:00まで。
松田大児さんの燈花会散華もいただきました。

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何度も南大門を振り返りながら、帰りも大仏殿経由で歩いて帰りました。
遅い時間に出かけたのでたくさんは回り切れず、浮雲園地会場と甍の庭園でほんのひととき楽しんだ燈花会の灯りでした。