その①に続いてその②では、展示実現の立役者・岩戸晶子さんのお話や、永瀬卓さんの作品に対する想いや制作秘話などをご紹介します。まずこちら↑が、永瀬さんのアトリエと作品の梱包風景↑
そして「いざない館」へ搬入後の展示風景↓
展示までのメイキング動画も作られています→★
(動画の7:30辺りでは、内覧会で担当者の小原さんの横で説明を聞いている私の姿も確認できますよ)
中田文花さんのSNS投稿で盛り上がって、展示開催を望む声も大きく、何より私達も実際にお人形を見たい、それも奈良でという思いを強く持っていましたが、中々実現に至りませんでした。
作品がデリケート過ぎて美術梱包でないと運搬できないということも要因の一つ。
そんな中で、何としても実現したいという強い気持ちで動いて下さったのが、当時「奈良文化財研究所(奈文研)」の展示企画室長だった岩戸晶子さん。(岩戸さんは今年度より奈良大学教授です)
土の中から発掘したものを扱う「奈文研」が、個人が趣味でつくった人形を展示するのは初の試みで、初めてだからこそのご苦労も多々あったと思います。
人形の作品展ではなく視点を変えて、永瀬さんの人形の世界観を通して「古代の奈良の歴史を知る展覧会」を実現しようと、2年の歳月をかけて公的な企画展へと奔走された岩戸さんのご尽力たるや!本当にありがとうございます。
土の中から発掘したものを扱う「奈文研」が、個人が趣味でつくった人形を展示するのは初の試みで、初めてだからこそのご苦労も多々あったと思います。
人形の作品展ではなく視点を変えて、永瀬さんの人形の世界観を通して「古代の奈良の歴史を知る展覧会」を実現しようと、2年の歳月をかけて公的な企画展へと奔走された岩戸さんのご尽力たるや!本当にありがとうございます。
「定年退職後にひっそりと人形を作っていた永瀬さんの素晴らしい作品を、まさに埋もれていた文化財を発掘した・・・」など、ユーモアあふれる中田文花さんとのやり取りも軽妙洒脱で、本当に楽しいトークショーでした。
では最後に、永瀬さんがお話して下さったことをご紹介いたします。
「作品は気品がなければいけない」という安田靫彦の言葉を自分に言い聞かせている。
では最後に、永瀬さんがお話して下さったことをご紹介いたします。
万葉集に心惹かれたのは、挽歌がきっかけだった。
特に、悲劇的に亡くなった人の魂に寄り添いたいという想い、それだから、いい加減に作ってはいけないと戒めになっている。
特に、悲劇的に亡くなった人の魂に寄り添いたいという想い、それだから、いい加減に作ってはいけないと戒めになっている。
恐怖の中で過ごした有馬皇子の孤独、愛する人を亡くした大伯皇女の喪失感の深さを表したいというのが二大テーマ。
人形の衣服のひだの美しさが作品の美しさになると思っている。
ひだの中に隠された人体を表現する。
ひだの中に隠された人体を表現する。
「作品は気品がなければいけない」という安田靫彦の言葉を自分に言い聞かせている。
人形の顔については、眉は描かず眼窩の窪みの影で眉を表している。
目は、眼球の輪郭の円だけを描き、中に点をうって視線の先だけを示す描き方をしている。口紅もほんのわずかに色がついている程度で、未完成の中に儚さを表現している・・・等々。
永瀬さんの人形から感じる「儚さ」や「気品ある美しさ」は、やはりそのところに心して作られているのだと合点がいきました。
たくさんの方々に参加していただいたトークショー。
ご来場の皆様、どうもありがとうございました。
「万葉挽歌れくいえむ」展は9/1まで開催中です。
平城宮いざない館 企画展示室へ、ご来場たまわりますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。