2024年6月19日水曜日

法華堂「観音講式」

6/15に東大寺・金鐘ホールで行われた、橋村公英管長による講座『法華堂「観音講式」①〜霊験の森を詠う〜』に行ってきました。

1時間半の講座の内容がとても濃くて、自分の理解が覚束ないというのが正直な感想ですが、ここで教わった、毎月17日の法華堂(三月堂)寺役で唱えられる「観音講式」と「伽陀」について理解できる範囲でまとめてみようと思います。(間違って理解したつもりのところがあるかもしれませんので、その旨お含みおきください)

写真↑は鎌倉時代の僧・解脱上人貞慶が起草した観音講式原文。
(奈良博の「貞慶展」図録86ページには全文が掲載されています↓)
原文は漢文で書かれていますが、法華堂寺役では読み下し文(日本語の話し言葉)で詠まれるそうで、レジュメではその全文がフリガナ付で載っていました!
法華堂観音講式は第一段から第三段まであり、それぞれに「伽陀かだ」という 法会などで唱えられる「唄ばい」のような、短い韻文を一音一音長く引いて旋律をつけて唱えるものが、最初は長老様によって唱えられ、その後は一山の皆様で唱えていかれます。

橋村管長は法要ではまだ唱えたことがないそうですが、講座では、最初の「伽陀」惣禮の部分を唱えて下さいました。
低音で重厚なお声がホール全体を静かに深く包んでいくと・・・その場が鎮まっていくというのがよくわかりました。

講座の前半では、橋村管長がどうして観音講式に惹かれていったのかというお話もあり、伽陀は聴衆と言葉を共有しながら観相(瞑想)をすることではとお話されました。

伽陀は、東大寺では毎月17日の法華堂寺役の他に、3/15の涅槃講四座講式、4/24の知識供講式、毎月6日の鑑真講式でも、言葉は違うが唱えらるということです。

ちょうど翌々日が17日で、所用があって16日を休館日にしていたので17日の8時からの法要に参加できると、この日のレジュメをもって出かけてみました。
(法華堂前の百日紅がもう咲いていました)

8時ちょうどより少し遅れてしまったのですが、伽陀がまだまだ長く唱えられていて、実はそのあまりの長さにびっくりでしたが、レジュメ通りに目で追い(レジュメには訳も書いて下さっているので)、ただただ有難く拝聴。そして観音講式は橋村管長が読誦され、最後は観音経を皆さんで唱えられました。

法華堂の荘厳な空間に響き渡る一山僧侶の伽陀の声明・・・
毎月17日の8時から1時間程です。機会があれば是非聴聞して下さい。
そして、法華堂の後は四月堂へ。
以前コロナ禍中には、法華堂内に一般聴衆は入れず、四月堂では僧侶の方も中に入らず外ででしたが、今は堂内で般若心経読経で、一般聴衆は外で一緒に般若心経をお唱えさせてもらえて、これも有難いことでした。

「東大寺友の会」の橋村管長の講座、次回は8/24に金鐘ホールで
『法華堂「観音講式」② ~命の糸の結び目~』です。
東京での講座はそれぞれ一週間後に開催されます。
また秋には、修二会についての講座もとおっしゃってました。
とても楽しみですね。

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法華堂に向かう途中、二月堂裏参道では
小さな柿の花や、田植えされたばかりの二月堂供田。

不動堂への坂道傍にはマルミノヤマゴボウかな?

こちらは絵馬堂裏手で見つけたカラスビシャク↑
以前に公慶道で見つけたカラスビシャクよりかなり小さくて、こちらの方をカラスビシャクというのかもと思いました。(公慶道の方は別の品種でしょうか?)
大湯屋裏手の池には巨大なオタマジャクシが!
小さな生き物や野に咲く草花に触れながら、法要に向かう道中。
緑の中を自転車漕いで、小さな幸福感に包まれていました。