東海道新幹線グリーン車の車内誌「ひととき」に連載されている、岡本彰夫先生の『奈良 その奥から』22編と、あらたに書き下ろしの26編のエッセイが、この度一冊の本になりました。
『日本人よ、かくあれ』
大和の森から贈る48の幸せの見つけ方
長くなりますが、この本を著された先生の思いがここに表れていると思い、本の「はじめに」から文章を引用させていただきます。
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悪疫の流行で全ての機能が中断しています。歴史が証明する様に、必ず鎮静する日は来ます。まさに天の試練と言えましょう。
問題はこの時期に、終息後に打つべき手立てを考えておくことでしょう。
こんな事になって初めて気付くことが多すぎました。
自国の力だけでは、立ち行かぬ状態にさらされて居る事も自覚出来ました。天地自然に対して、あまりにも小さ過ぎる人間の存在も自覚する事が出来ました。
過度の経済追求への虚しさも覚悟出来ました。
つまりこれらの案件に対して、これからどうして生きていくかを思い定めねばならないのです。
自国の食物自給率を向上させていく事。人間の奢りを増長させぬ事。百二十パーセントの欲望を追求せぬ事、天地自然を敬愛する事。つまり八割の幸せに甘んじる努力をする事。そんな修練を積んでいきたいものです。
自国の文化・伝統そして伝承や仕来りは、風土の中で研鑽を積んできた、知恵と工夫と力の凝縮だと思います。歴史や伝承には、きっとその答えが沢山秘められている筈です。
再度自分と自国を見直してみたいものです。
そうして、この不幸な経験との遭遇を、幸せな未来への糧としたいと思います。
コロナ禍での経験は、その人それぞれの立場によって各々感じることも違うかと思いますが、この本は今の時代に生きる私達に、大きな深い知恵と生きる活力を与えていただける本だと思いました。
自分自身に当てはめても、不要不急の宿泊業を生業としているのだと落ち込むこともあったのですが、『散髪道』に書かれた「誇り・修練・真心」や『K女の涙』に書かれた「イキミタママツリ」に込められた思いに、自分の仕事に誇りを持つことをあらためて肝に銘じることができたのです。
また『鎖国のススメ』は、ある意味暴論かもしれませんが、そこから考察された効用に成程と思いました。
映像作家の保山耕一さんの写真も美しく、あらためて奈良の素晴らしさを再認識しています。
拙い読後感を綴りましたが、岡本先生と親交の深い さだまさしさんが書評を書いてらっしゃいますのでこちらもどうぞ→★
また、48編のエッセイを目次の写真から紹介します。
ページの上に●をしているのが、車内誌「ひととき」に掲載されていたエッセイです。(「ひととき」2020年9月号と10月号に掲載分はこの本には収められていません。)
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また、出版を記念して、ならどっとFM「岡本彰夫の奈良、奥の奥」の公開収録が行われるようです。→★
開催日時:2020年9月13日(日)15:00〜16:30
会場:奈良公園バスターミナルレクチャーホール
入場無料・ただし、入場希望者はフェイスブックのこちらのイベントページ★にコメントにて参加人数をお願いしますとのこと。
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