2020年6月21日日曜日

奈良県美「熱い絵画」展

2/28からコロナウィルス感染防止のために臨時休館中だった奈良県立美術館。感染防止策を講じて先月 5/19より開館されています。
開館されてしばらく経ちましたが、会期中の特別展「熱い絵画 大橋コレクションに見る戦後日本美術の力」を観に行ってきました。
副題にある「大橋コレクション」とは・・・以下HPより抜粋ですが
関西の企業家・大橋嘉一氏(1896~1978)が、1950年代後半から1970年代初めにかけて日本の現代美術を支援したプライベートコレクションのこと。
約2000点にのぼる大橋コレクションは、氏の没後、奈良県立美術館と国立国際美術館そして氏の母校である京都工芸繊維大学美術工芸資料館に分割して寄贈されました。3館に分散した大橋コレクション。そのうちの一部、90点が今回初めて一堂に会します。
第二次世界大戦終了後の荒廃と混乱の中から再出発をした日本の美術は、特に1950年代以降、古い価値観から脱却して新しい表現を求める模索や実験が続き、美術界全体が大きく揺れ動きました。そのような1950~60年代の《熱さ》を本展の作品群から感じとっていただきたいと思います。
確かに、展覧会を鑑賞しながら「時代のエネルギー」のようなものを熱く感じ、それは今、コロナ禍で自粛していた3~4か月程でエネルギーを消失した世界にいる私たちに、ちょっとした元気を感じさせてくれるものでもありました。
50~60年代というと、戦後数年から20年。それくらいの時間が経たないと、世界はまたエネルギーを取り戻すことができないのだろうか・・・そんなことも頭の隅によぎらせ乍ら鑑賞したのでした。
館内で写真撮影可の第5展示室。
こちらには白髪一雄氏と元永定正氏の作品が展示されています。



出品作家=赤穴宏/磯辺行久/今井俊満/今中クミ子/岩崎巴人/上田臥牛/江見絹子/大野俶嵩/小野忠弘/小山田二郎/桂ゆき/川端実/菊畑茂久馬/工藤哲巳/草間彌生/久野真/下村良之介/白髪一雄/杉全直/須田剋太/田中田鶴子/津高和一/鶴岡政男/堂本尚郎/長崎莫人/難波田龍起/野村耕/古沢岩美/前田常作/水谷勇夫/宮脇愛子/元永定正/湯田寛(50音順)

個人的には、東大寺や元興寺とご縁のある須田剋太氏の作品が、かなりの抽象絵画でよかったこと、難波田龍起や初期の草間彌生の作品を見ることができてよかったこと、松本秋美、久保晃、田中敦子など奈良県ゆかりの現代作家の作品(それも旧知の先生方の懐かしい作品)を見ることができてよかったことなどが上げられます。

特別展「熱い絵画 大橋コレクションに見る戦後日本美術の力」
会場:奈良県立美術館
会期:7/5(日)まで
開館時間:9時~17時(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
※尚、会期中のイベント(講演会、美術講座、ギャラリートーク及びミュージアムコンサート)は、コロナウイルス感染拡大防止のため、すべて中止になっています。