2020年11月5日木曜日

平城宮いざない館「元明天皇展」

710年 平城京遷都
遷都の年が710年であることは「ナントきれいな平城京」という覚え方で、誰もが知っているはず。でも、その時の天皇は誰でしたっけ?
平安京遷都は「桓武天皇」としっかり頭に入っているのに、平城京遷都の天皇は教科書で習った記憶がないような・・・?
(そういえば、ちょうど10年前に平城宮跡で華々しく開催された「平城遷都1300年祭」でも、元明天皇についてはあまり取り上げられていなかったように思います。)

勿論、今は「元明天皇」だと知っていますが、今回、平城宮いざない館で開催中の「元明天皇展」で元明天皇について深く知るまでは、知識として天皇の名前を覚えていただけだと深く反省。

※会期が11/30までとなっていますが↑↓12/6まで延長しています。
元明天皇展」は、藤原京から平城京に遷都をした 女帝・元明天皇(691年~721年)の生涯を イラストとゆかり地を写真で紹介した企画展です。
第一章「誕生から結婚までの時代」
第二章「元明天皇即位まで」
第三章「元明天皇の治世」
第四章「退位、そして崩御」
第五章「その後の元明天皇」
・・・という章分けで、上村恭子さんの美しいイラストと、簡潔でわかりやすい文章がパネル展示されています。
その生涯と業績を時系列で追っていくので、一人の女性天皇の人となりが匂い立つようにイメージ出来てとても身近に感じることができました。

各章には、起こった出来事を5~9つくらいに分けて詳しく説明してあり、知らなかった事を教えてもらえた喜びも十分堪能できました。

個人的には、平城京の造営地への行幸に、いたく感動をしました。
天皇自ら地形を見たり、地元への根回しをしたり、免税をおこなったり、人民を直接労ったりされたそうで、遷都で動揺している人々への配慮が素晴らしいと思いました。

また、娘の元正天皇への譲位の時の詔にも心を打たれました。
以下、会場でいただいたパンフレットより転載します。
「天下を治め、万人を慈しみ養うために、天の助けと先祖の徳の助けを借り、朝から夜までそれらを恐れ慎む心を怠ることなく、諸政に心を労すること9年。静かでのどかな境地を求めて、風や雲のようにとらわれない世界に身を任せたい。履物を脱ぎ捨てるように俗を離れたい」

すっかり元明天皇のファンになって、このパネルの内容が本になったらいいのにと思いながら会場を後にしました。
出来るだけ多くの方に会場に足を運んでいただきたいと思います。
ブログでは伝えきれないことも多いので、nakaさんのブログや、いずみゆかさんが取材された記事も参考にして下さい。

「元明天皇展」
会場:平城宮いざない館
会期:12/6まで(期間中11/9は休館日)
開館時間:10:00~18:00
公式Twitter