17日間の会期を終えて「第72回正倉院展」は昨日閉幕しました。
今年は全日「前売日時指定券」での入場で、それも発売から早いうちに売切れとなり、当日券の販売はない状況でした。
そのため例年と違って、ご宿泊のお客様で満室になることがなかった奈良倶楽部でしたが、それでも、取りにくい前売り券を取って来てくださったお客様方も多く、本当にありがとうございました。
正倉院展に行って帰ってこられたお客様の感想をお聞きすると、皆さん異口同音に「人が少なくて展示ケースの前を独占して鑑賞できて、こんなにゆっくりストレスなく見ることができたのは初めて。」と、入場者数を制限した今年の正倉院展を大絶賛。
コロナ禍の中、開催が9月までわからずやきもきして、でも開催が決定した時はとても嬉しかった特別な展覧会。
ただ「前売日時指定券」を取るのは一般的にハードルが高いような気もして、それだからこそ尚、ご遠方よりわざわざお越しいただいたことに、今年はより有難い気持ちでいっぱいになりました。
鑑賞できる機会を得た者としては、静謐で美しく均整の取れた、あの特別な空間に身を置くことができた充足感が今も心に残っています。
コロナ禍が早々に収まるとも思えませんし、この状態がしばらく続くとなると、来年以降もこのような鑑賞方法になるかもしれません。
また、もっと旅ができにくい状況になっているかもしれません。
どのような世の中になっていようと、来場者が安心して鑑賞できるよう最善を尽くして下さった状況を受け入れていかなくてはと思いつつ、来年も開催していただけますようにと願わずにはいられません。
色々な想いが交差していますが取り急ぎは、ご宿泊いただいた皆様、どうもありがとうございました。