毎年この時期、「お水取り」前に、修二会に関する講座があちらこちらで開かれて、上手くタイミングが合えば参加させていただいています。
昨日は入江泰吉旧居で「伝統行事と入江泰吉~東大寺修二会編~」
奈良町で旅宿「古白」を営む境さんのお話でした。
境さんは2021年から、練行衆の四職に仕える「仲間ちゅうげん」というお役で参籠されていて、貴重なお話を伺うことができました。
お話の中で記憶に残っているものを幾つかメモ的に記してみます。
・仲間になって、試別火ころべっかが始まってから(2/20~)、四職のどなたにつくかわかる。
・指南役は加供奉行と先輩仲間。
・別火での仕事は掃除と料理、そして炭を絶やさないこと。(菊炭が使用される)エアコンは使わないので練行衆の暖も火鉢で取るため、炭を熾すのは大切な仕事。三役童子も炭を熾す。
・僧侶と話して「小さい頃に父の参籠見舞いに行ってお菓子をもらった思い出」を聞き、僧侶にとって参籠は生活なのだと感じたこと。
・昔の参籠衆は専業農家の農閑期の仕事であったが、今は兼業農家で他に仕事もあり、仲間に籠れるのは自営業やアーティストなどが多いが、ただ努力して自分の環境を整えないと籠れない。
・茶粥は、参籠宿所の庭に炉垣があって、その中に菊炭を10個ほど並べ朝からほぼ一日ほうじ茶を炊いている。その中に米を入れてつくるので、えぐみや苦みがなく本当に美味しい。
・花拵えも手伝う。出来上がった糊こぼしも美しいが、切っていく前の染めたての紙の美しさに感じ入る。中のタラの木も希少になって、いつまで供給できるかわからない状況。当たり前に続いていくと思っていたら、毎年苦労していることも。
・本行に入ると、完全分業制で自分の仕事に向き合う日々なので、中の人でありながら全体の流れはあまりわからないということもある。
・二月堂練行衆盤(日の丸盆)の根来について、文化財・美術品として見るのではなく、使われている道具がどれだけ使ったら根来になるのか、何年も使った結果としてこの景色が見られると思う。
・・・・などなど。
最後に、「行」だということを見に来る人も忘れてはいけないとおっしゃって、重く心に受け止めたのでした。
境さんの物事に対する謙虚な姿勢や粛々と向き合うお姿にひっそりと感動していました。貴重なお話をたくさんお聞かせいただきありがとうございました。