2023年1月14日土曜日

杉本博司「春日神霊の御生」

昨年の暮れのある一日。年末の諸々の仕事も予定通りにこなしながら、ふと、心に潤いを求めて美しいものを見たいと、かねてより気になっていた展覧会、杉本博司さんの「春日神霊の御生みあれ」を見に、春日大社国宝殿へ出かけた時の記録です。

国宝殿入口に江之浦測候所にかかっていた門幕が!
これだけで杉本博司ワールドに引き込まれた気分になっています。
写真撮影可の、国宝殿1階↑には杉本氏が撮影した春日大社と藤棚、
場所を変えて若宮社神楽殿↓には江之浦に勧請された春日社遠望が
それぞれ八曲の屏風に仕立てられて置かれています。
購入した図録に、春日大宮暁図を撮影し終わって日の出前の柔らかな光に包まれた満開直前の藤棚の藤を撮影した時の奇跡のような出来事や、江之浦に春日社を招魂されるまでの経緯が書かれていて、ゾクゾクとした気持ちになって読みました。

こちら↑は同じく若宮社の御廊に置かれた「日本海、隠岐」
杉本氏の代表作「海景」シリーズのひとつ。

写真撮影可の八曲屏風を中心にご紹介しましたが
実は国宝殿2階に展示された数々の作品の素晴らしいこと!
奈良博の展覧会でも春日若宮の古神宝が数多く出陳されていますが、国宝殿2階にも本宮御料古神宝類がたくさん出ています。
また春日大社の所蔵品の中から杉本氏が選ばれたものや、杉本氏所蔵の春日美術の骨董品など、素晴らしい文化財が出ていて、心が喜ぶとはこういうことなのねと鑑賞しながら思っていました。
その骨董品に、須田悦弘さんの作品が添えられているものも何点かあり、それをまた見つけるのも楽しみな展覧会です。
図録をじっくり読んで、見落としていたものにも気づきました。
会期が長いので、もう一度 伺いたいと思います。
またオープン間もない頃に訪れた江之浦測候所(ブログ過去記事)にも、もう一度行きたいと強く思いました。

特別展 春日若宮式年造替奉祝 
「杉本博司―春日神霊の御生 御蓋山そして江之浦」

会場:春日大社国宝殿
開催期間:前期 12/23(金)〜1/29(日)
                後期 1/31(火)〜3/13(月)
休館日:2023年1/30(月)
開館時間:10:00~17:00(16:30受付終了)