先月のことですが、奈良市医師会主催の健康講座で、東大寺上司永照師の講演会があり、お話を伺いに行ってきました。
講演のテーマは「華厳唯心 ひとりひとりが華であるという考え方~こころの健康を考える~」。
この健康講座は一年に9回の割合で開催され、各方面から多彩な講師を招いて健康に関連した講演をされるそうで、上司師は小学校の同級生だった医師に頼まれて講師を引き受けたものの、健康に関連してということなので、急遽テーマに ”~こころの健康を考える~" を付けたしました・・・という裏話から講演は始まりました。
~こころの健康を考える~とは言ってみたものの、そもそも、こころとは何?健康とは何?心が健康であることとは?
・・・そんな疑問から始まって、実は「仏教の話」とは「心の話」のことであるという流れへ進みます。
まず「仏教」とは何かというと、仏さま(仏陀・覚者・悟った人・真理がわかった人・解脱した人)になるための教えであり、「生き方」の教えである。
また、仏教は「心の科学」であるとも言われていて、人はいかに生きるべきか、その理由や仕組みを解き明かして説き指し示す、そういう心の科学なのであると。
つまり、仏教はこころの健康を指し示すものであると言っても過言ではないとお話されました。
具体的にはどのようなことなのでしょうか。
「七仏通誡偈」「無財の七施」「六波羅蜜」などの仏教の教えについて詳しくお話していただきました。(それぞれの言葉の意味について、ここでは省略しますが、気になる方は検索してくださいね。)
・・・私は特に「無財の七施」を子供の時からきちんと知っていたら、もう少し楽に(楽しく)生きていけるのではと思いました。
そして、聖武天皇が盧舎那仏(大仏様)を造られたのは華厳の教えに出会われたからでは?・・・と、華厳の考え方についても詳しく教えていただきました。
その中で、華厳のエキスとは、心がすべてのものをつくっている。いい心でものを見る。仏さんは自分の心が作っている。・・・など、華厳唯心偈から教えていただきました。
(上司永照師。講演の最後にお写真撮らせていただきました。)
当日のレジュメに書かれている「華厳唯心偈」とその訳文。
最後の部分の「心造諸如来しんぞうしよによらい」(心が諸々の如来を造る)を、肝に銘じて心穏やかに健やかに過ごしていきたいと思いました。
大変実りのあるお話をありがとうございました。