2022年7月28日木曜日

奈良博「中将姫と當麻曼荼羅」展

奈良国立博物館で8/28まで開催中の、貞享本當麻曼荼羅修理完成記念特別展「中将姫と當麻曼荼羅―祈りが紡ぐ物語―」を観てきました。


「貞享本當麻曼荼羅じょうきょうぼんたいままんだら」は、當麻寺の根本本尊で奈良時代に中将姫が蓮の糸を使って一夜で織りあげたとされる「綴織當麻曼荼羅つづれおりたいままんだら」(国宝)の同寸大の写しで、江戸時代の貞享3年(1686)に完成しました。
この「貞享本當麻曼荼羅」修理完成記念特別展では、修理を終えた貞享本の美しい姿と、修理過程で確認された資料が紹介されています。

4m四方というスケールの「貞享本當麻曼荼羅」を間近でしっかりと拝見できたのもよかったですが、奈良時代の「綴織當麻曼荼羅」を江戸時代に修理する際にできた「印紙曼荼羅」の存在(織りの剥離の際に使われた紙に繊維が残存したものが「印紙曼荼羅」)や、もとの板貼りの部分にも剥離されることなく残影が残る「裏板曼荼羅」(こちらは期間中、當麻寺で特別公開されています)の存在などが興味深く、また何度か写経させていただいた「称讃浄土仏摂受経 しょうさんじょうどぶつしょうじゅきょう」を拝見できたこと、蓮糸が織り込まれている「藕糸織阿弥陀三尊来迎図 ぐうしおりあみださんぞんらいごうず」も興味深かったです。

そして、同時開催中の「はっけん!ほとけさまのかたち」展は、大人も無心で楽しめる、夏休みらしい企画展示でした。
クイズに答えて参加賞の「ざんまいずのシール」をいただいたり、「中将姫と當麻曼荼羅」展では「ざんまいずお香」もいただきました。(←お香は8/10までの平日の来館先着100名へのプレゼントです)

また、8/28までの会期期間中、當麻寺では下記の特別公開が開催されてます。
●霊宝殿「中将姫特別展
・中将姫真筆写経「称讃浄土経」(奈良時代) ・絹本著色「當麻曼荼羅」(鎌倉時代) ・中将姫舎利「持蓮華」(鎌倉時代) ・霊鑑寺宮筆「中将姫山居語」(江戸時代) 他
●曼荼羅堂「裏板曼荼羅ご開帳
国宝綴織當麻曼荼羅の残影が遺る曼荼羅厨子(国宝)の裏扉が開きます。
●「国宝 東塔・西塔 初層特別開扉」期間中の土日祝限定