2025年5月7日水曜日

「日本国宝展」と「日本、美のるつぼ」

大阪市立美術館「日本国宝展」
京都国立博物館「日本、美のるつぼー異文化交流の軌跡」

GWに、奈良博の「超 国宝」展と合わせて3館を観て周るお客様もいらっしゃいましたので、私も京都と大阪の2館を観てきました。
奈良博の「超 国宝」展はすでに鑑賞済み(ブログの鑑賞記

充実の内容の図録も3冊揃ってます。予習復習にご覧くださいませ。

まず3館合わせて国宝の数が265件(奈良博112件・京博18件・大阪市美135件)で、全国の国宝の35%がこの時期に関西に集結してすごいことになっています。
特に大阪では出陳品のすべてが国宝(参考出品は除く)で、古代から近代までの日本の歴史や文化を国宝を通して辿ることができるという贅沢を味わえます。
ただ大阪では、前期後期だけでなく、展示期間を6つに細かく分けておられるので、すべての国宝を観覧するには何回も通わなければいけないのです・・・。(お目当ての国宝がある場合は下調べをしっかりして行かれた方がいいです。言わずもがなですが)
2年5か月の改修工事を経てリニューアルオープンしたばかりの大阪市立美術館エントランス↑と、入ったところの中央ホール↓
その他に洒落たカフェも併設されていましたし、その横から外へ出てお庭を見ることができました。
写真撮影可だった「薬師寺東塔水煙」
美しい天女を間近に拝見できました。

大勢の人と何重もの人垣で十分に観覧できたとは言えませんでしたが、京都・智積院の「桜図」を近くで見られたことや、奈良からお出ましの聖観音様を目の前にするとほっとして、あの金印「漢委奴國王」も しかと拝見できました。

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日を置かずに京都へも行ってきました。

大阪も京都も「大阪・関西万博開催記念特別展」が展覧会のタイトルの冠についています。
万博開催地の大阪では、1900年のパリ万博出品作などを中心に特集展示がありましたが→「皇居三の丸尚蔵館収蔵品に見る万博の時代」

京博の展覧会では「世界と出会う、日本の美術」「出会いは海を越える」「異文化交流の軌跡」などのサブタイトルから、明治以降、欧米各地の万博に出展した日本の美術工芸品に対して起こったジャポニズムブームをきっかけに、この展覧会では、『海外でも知られた傑作を中心に、古代から明治期までの美術工芸品で異文化交流の軌跡をたどる』がテーマになっています。

国宝の数という点から見ると、他の2館とは比べようがないですが、興味深いテーマに沿って出陳されている素晴らしい名品の数々が私の好みにドンピシャで、鑑賞していてずっとワクワクでした。

京博では、萬福寺「十八羅漢坐像のうちの羅睺羅尊者らごらそんじゃ像」が撮影可でした。館内の映像でも萬福寺が紹介されていて、行ってみたいと思います。

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奈良博「超 国宝」展
大阪市立美術館「日本国宝展」
京都国立博物館「日本、美のるつぼー異文化交流の軌跡」

◆会期:
3館とも6/15まで。展示替えについては各サイトを参照してください。
◆開館時間:
奈良は9時半~17時(夜間開館はなし)
大阪は9時半~17時(土曜日は19時まで)
京都は9時~17時半(金曜日は20時まで)
3館とも入館は閉館時間の30分前までですが、30分では見切れませんので余裕をもって観覧ください。
◆休館日:月曜日
◆観覧料:各サイトを参照してください
但し観覧チケットは必ず事前に購入されることをお勧めします。

ゴールデンウィークが終わってこれから梅雨入りまでの緑美しい季節。
奈良・大阪・京都と日本の美術工芸の粋をご覧に初夏の関西へ、是非お越しくださいませ!