5/20からの後期展示へ行ってきました。
お目当てはもちろん、最後の展示室の真っ白い空間にいらっしゃる中宮寺の菩薩半跏像!
その他に後期からお出ましの国宝の数々を拝見するのも楽しみに行ってまいりました。
ちなみに混み具合をよく尋ねられますが、平日の午後2時頃だと(チケットを事前に用意している前提で)待ち時間なしで入場でき、館内も昨年のコロナ明けの正倉院展並みでした。
わくわくしながら展示室へ、入ったところの百済観音様の素晴らしさに何度拝観しても涙が出そうになります。
法隆寺でも何度か拝観して、その折にも感動しているのですが、奈良博会場ではまた違った気持ちで感動してしまうので不思議です。
法隆寺でも何度か拝観して、その折にも感動しているのですが、奈良博会場ではまた違った気持ちで感動してしまうので不思議です。
では今回も章ごとに印象に残ったものなど後期展示の国宝を中心に、個人的鑑賞記を記していきたいと思います。
参考までに、前期展示のブログ内鑑賞記はこちらです→★
第1章の「南都の大寺」
後期展では、東大寺からの国宝が私の中で印象深かったです。
前期からいらっしゃる「重源上人坐像」に圧倒的されながら、後期展示の、華厳宗の中心的な経典「華厳経」に書かれる善財童子の善知識歴参を絵巻にした「華厳五十五所絵巻」がほぼすべて見られて眼福!
図録にはほんの一部しか掲載されてませんが、絵巻を全長展示してある様は圧巻でした。
そして大仏殿前に立つ「金銅八角燈籠火袋羽目板」
展示の壁面に、八角燈籠の竿の部分にある銘文の和訳文がパネル展示してありました。その文章に惹かれたので書き写してきました。参考までに、前期展示のブログ内鑑賞記はこちらです→★
第1章の「南都の大寺」
後期展では、東大寺からの国宝が私の中で印象深かったです。
前期からいらっしゃる「重源上人坐像」に圧倒的されながら、後期展示の、華厳宗の中心的な経典「華厳経」に書かれる善財童子の善知識歴参を絵巻にした「華厳五十五所絵巻」がほぼすべて見られて眼福!
図録にはほんの一部しか掲載されてませんが、絵巻を全長展示してある様は圧巻でした。
そして大仏殿前に立つ「金銅八角燈籠火袋羽目板」
仏の塔廟に燈明を捧げれば、臨終のときに三種類の智恵を得ることができる。
一つには臨終のとき、それまで作り上げた幸福がすべて現れ、善き教えを思って忘れることがない。この思いによって心に喜びを生じることである。
二つにはこれに従って仏を念じる心がおき、よく施しをする喜びの心を得ることで死の苦しみがないことである。
三つにはこれに従って正しい教えを思う心を得ることである。
一つには臨終のとき、それまで作り上げた幸福がすべて現れ、善き教えを思って忘れることがない。この思いによって心に喜びを生じることである。
二つにはこれに従って仏を念じる心がおき、よく施しをする喜びの心を得ることで死の苦しみがないことである。
三つにはこれに従って正しい教えを思う心を得ることである。
奈良博の展示では時々こうしたキャプションがあって、その展示から仏の教えや祈りについて、より膨らんで考えることができたりします。
そして、奈良町に住む友人から「個人蔵とあるのはうちのよ」と連絡をもらった「奈良博覧会立札」と「奈良集産館立札」↓
ご自宅玄関先にずっと置いてあったってすごいですね。
「地蔵菩薩立像」東大寺↓(写真右)も「試みの大仏」と同じく2011年に東大寺ミュージアムができるまで長い間奈良博に寄託されていたのだそうです。
写真左の「弥勒菩薩立像」↑林小路町自治会所有の仏様の美しさにもびっくり。前期展示でもいらっしゃったのに気が付かず。今回あらためて拝見できてよかった!
写真左の「弥勒菩薩立像」↑林小路町自治会所有の仏様の美しさにもびっくり。前期展示でもいらっしゃったのに気が付かず。今回あらためて拝見できてよかった!
第2章「奈良博誕生」
何といっても藤田美術館から出陳の「空也上人像」
国宝ではありませんが、印象深いです。
何といっても藤田美術館から出陳の「空也上人像」
国宝ではありませんが、印象深いです。
そして、奈良町に住む友人から「個人蔵とあるのはうちのよ」と連絡をもらった「奈良博覧会立札」と「奈良集産館立札」↓
ご自宅玄関先にずっと置いてあったってすごいですね。
第3章「釈迦を慕う」
西大寺「叡尊坐像」の視線の先には清凉寺「釈迦如来立像」!清凉寺の釈迦如来立像を深く帰依した叡尊上人によって、西大寺の釈迦如来像は清凉寺像の前で彫刻作業が行われ開眼されたそうです。模刻でありながら、姿かたちを克明に写したのではないことが、写真展示されている西大寺像を見てわかりますが、像を前にしての制作や開眼は、像が持つ霊力を模像に直接分け与えようとする意図があるということです。(図録のコラム3より)
深大寺「釈迦如来倚像」↑と室生寺「釈迦如来坐像」↓
これら清凉寺・深大寺・室生寺は釈迦如来像の3パターン代表のようです。
第4章「美麗なる仏の世界」
前期展示で子島曼荼羅を展示した場所に何が掛けられるのか楽しみにしていました!「釈迦金棺出現図」↑図録で見て実際に見るのを楽しみにしていた「虚空菩薩像」↓
美し過ぎる~!
また、前期展示で最後の真っ白い展示室にいらっしゃった京都・宝菩提院願徳寺の「菩薩半跏像」はこちらに移ってこられていました。
真っ白い展示室でなくても、大勢の仏様たちとご一緒でもすごいオーラを放ってらっしゃいました。それにしても木像とは思えない金銅仏のような黒光りのお像に、信仰の深さを感じます。
第5章「神々の至宝」
「吉祥天像」も「玄奘三蔵絵」も「金地螺鈿毛抜形太刀」も「春日権現験記絵」も帰ってしまわれて寂しいのでしたが、「一遍聖絵」が素晴らしかったのでした↓
丁寧な解説がつけてあって、こういうところが嬉しいのです。「吉祥天像」も「玄奘三蔵絵」も「金地螺鈿毛抜形太刀」も「春日権現験記絵」も帰ってしまわれて寂しいのでしたが、「一遍聖絵」が素晴らしかったのでした↓
第6章「写経の美と名僧の墨蹟」
聖武天皇の「賢愚経(大聖武)」↑や「吉備由利願経」↓
最澄筆(上)と空海筆(下)↓等々を一堂に拝見できるのは凄いことだと噛みしめながら・・・第7章「未来への祈り」
最後の一室に中宮寺の「菩薩半跏像」息をのみながら心ゆくまで拝観させていただきました。
そして16時過ぎ、もう一度最初の展示室に戻ると、百済観音様の周りには人も少なくこちらも心ゆくまで有難く拝観できました。
※ブログ内の画像は図録より撮影したものです。
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会期:2025年4/19~6/15 (後期:5/20~)
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日
※今回の特別展では週末の開館時間の延長がありません。
※観覧には相当の時間がかかりますので余裕をもって入館ください。
開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日
※今回の特別展では週末の開館時間の延長がありません。
※観覧には相当の時間がかかりますので余裕をもって入館ください。