中之島美術館で開催中の「生誕150年記念 上村松園」展へ。
美人画の第一人者として、明治から昭和にかけて活躍した女性画家・上村松園(1875~1949)の、初期から晩年までの100点以上の作品が大集結した回顧展で、大変楽しみに伺いました。
「月蝕の宵」屏風(二曲一双)↑↓
描かれている女性の着物の柄や帯結びに動きがあって人物の造形が美しく生き生きして、小さな子どもの表情にも目が離せません。「しゃぼん玉」↑
こちらも帯や着物の模様にうっとり。
軸装した作品が多く、よく見ると表装の裂地の美しく豪華なこと!
そんなことに気がついてからは、特に風帯と一文字に使われている裂地を見るのが楽しみになっておりました。
「春さめ」↑と「清韻」↓
風帯と一文字の裂地が同じです!
青い薄物の下から透けて見える赤色の模様のあるお襦袢!
この他にも透け感を表現した作品があり、その繊細で静謐な美しさにうっとりしてしまいます。「序の舞」重要文化財↑
「何ものにも犯されない、女性のうちにひそむ強い意志を、この絵に表現したかった」という、61歳で描いた、松園芸術を代表する作品。
その他の作品のいくつかはHPのこちら★で紹介されています。
画像はありませんが、「伊勢大輔」という作品には、「いにしえの奈良の都の八重桜、けふ九重に・・・」の歌を詠んだことに因んだナラノヤエザクラが描かれていました。
画像はありませんが、「伊勢大輔」という作品には、「いにしえの奈良の都の八重桜、けふ九重に・・・」の歌を詠んだことに因んだナラノヤエザクラが描かれていました。
今回の鑑賞は、昨年に着付けを習っていた会の皆様方とご一緒に着物でお出かけだったこともあり、作品に描かれた和装の細やかなところに目が行きがちでしたが。
松園が描く美人画の女性達は、単に美人というだけでなく、何か芯のある、それでいてたおやかでしなやかな美しい人ばかりで、作品を丁寧に見ていくと心が満たされていくようでした。
松園が描く美人画の女性達は、単に美人というだけでなく、何か芯のある、それでいてたおやかでしなやかな美しい人ばかりで、作品を丁寧に見ていくと心が満たされていくようでした。
会場でパネル展示してあった棲霞軒雑記青眉抄 に松園の文章があって、帰宅してからネットに載っていないか調べてみました。
女性は美しければよい、という気持ちで描いたことは一度もない。
一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香り高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである。
その絵をみていると邪念の起こらない、またよこしまな心を持っている人でも、その絵に感化されて邪念が清められる……といった絵こそ私の願うところのものである。
芸術を以て人を済度する。
これくらいの自負を画家は持つべきである。
これくらいの自負を画家は持つべきである。
よい人間でなければよい芸術は生まれない。
これは絵でも文学でも、その他の芸術家全体に言える言葉である。
よい芸術を生んでいる芸術家に、悪い人は古来一人もいない。
みなそれぞれ人格の高い人ばかりである。
これは絵でも文学でも、その他の芸術家全体に言える言葉である。
よい芸術を生んでいる芸術家に、悪い人は古来一人もいない。
みなそれぞれ人格の高い人ばかりである。
真・善・美の極地に達した本格的な美人画を描きたい。
このようなことが書いてあったと思います。
だからこそ、作品に崇高な精神性を感じたのだと思いました。
だからこそ、作品に崇高な精神性を感じたのだと思いました。
「生誕150年記念 上村松園」展は6/1まで。
詳細はHP★をご覧ください。
詳細はHP★をご覧ください。
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レッスン終了後はこうして着物でお出かけもお楽しみいただけますよ。