5月24日
興福寺五重塔の保存修理現場見学会に行ってきました。
素屋根の中は1階から6階まで階段で自由に上り下りでき、1、3、6階では県文化財保存事務所の方から5分程の解説を聞くことができます。
とにかくまずは6階まで上がって説明を聞こうと、一気に階段を上りましたが、ここまでで36mほどあるらしくビルだと12~13階の高さです。
6階は五重の屋根の下になり、ここから見る眼下の景色はネット越しでも感動してしまうし、すぐそこの高さに相輪や水煙を見ることができるのも何とも不思議で有難いことでした。
説明を聞きながら、避雷針のなかった時代に役に立ったものがあると伺いました。それは雷除けの護符!
6階では避雷針と避雷護符の扁額も見ることができました。
6階では避雷針と避雷護符の扁額も見ることができました。
ちなみに、五重塔は奈良時代の730年創建、それから5回の焼失(そのうち3回は落雷で)と再建を繰り返し、最後(6代目)は室町時代の1426年に再建され来年で600年になります。
明治期に避雷針が設置されるまで500年近くも火災を免れているのは、この避雷護符が護って下さっていたからと(実は2度落雷はあったものの焼失はしなかった)、そのようなお話を伺いました。
それにしても、間近で見る屋根瓦や木部の傷みや損傷が激しいです。
今回は明治時代に屋根瓦の葺き替えや修理をしてから120年ぶりの大修理で、今回も解体修理はせずに屋根瓦の全面葺き替えと、屋根の重さで破損した木部(大斗)の取替などを中心に行われます。
今年の夏までには瓦を全部外す予定だそうで、工事終了は令和16年3月予定。(それまでに何度か現場見学会を開催されるようです!)
今年の夏までには瓦を全部外す予定だそうで、工事終了は令和16年3月予定。(それまでに何度か現場見学会を開催されるようです!)
実際に修理現場を間近で拝見して、保存修理の必要性と、先人が残してくれた文化財を未来に繋いでいくことの大切さに思い至りました。
最後に、保存修理工事の安全とご無事を祈りますと共に、「修理奉賛 散華写経」について、次のブログでご紹介したいと思います。(続く)